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みんなのヨーガニュース原稿12月
こちらの記事は、呼吸法&ヨガの師である高橋玄朴先生が講師をされている、筑波大学『みんなのヨーガ』という取り組みのメールマガジンに掲載して戴いたものです↓↓↓

8歳になる脳性麻痺の息子は、肢体の障がいを持つお子さまが多い特別支援学校への入学の年が新型コロナウイルスの流行と重なり、入学式はもちろんさまざまな学校行事がオンライン化又は感染対策をした従来とは違うカタチでの実施となっていました。

しかし、今年の11月に文化祭の舞台発表があり、入学から初めて親も舞台前に座り、在校生も同じ体育館に集まっての鑑賞ということが叶いました。

今回息子の学年は子供たちが忍者になってくせ者を倒すという演目。

開演前幕裏から息子の元気な声が聞こえていましたが、いざ幕が開くと、その声はその場から逃れようとするうめき声、そして泣き声に。

就学前からこういった“いつもと違うシチュエーション”に弱く、行事毎に、その場にいられないくらいの動揺があり予想はしていました。

以前なら抱きしめてそれでもダメなら会場から離れていましたが、息子は舞台の上。

先生方がなだめてくれ、会場からの『がんばれ~!』の声援、私も座席から何度も手をふり見守りました。

すると、息子は以前では考えられないくらいの『気持ちの切り替え』を見せました。

自分の受け持つ役を練習してきたようにこなし、時折笑顔も見せ、終演の頃にはしっかりと客席を見られるように。

座ること、頭を真っすぐに保つこと、立ち上がることそんな一つ一つが難しい息子ですが、数人の先生に支えて戴き“くせ者をやっつける”ことができました。

この一つ一つを『辛抱強く、息子の意志や身体の動きを見守りながら待つ』ということは、日常の忙しなさから、私が疎かにしがちな部分だと最近感じています。

3年間の学校やデイサービスでの集団行動で積み重ねてきた体験が活き、成長した息子の姿に、先生方、そしてお友だち、親御様方に感謝の気持ちでいっぱいでした。

息子は身体こそ不自由ですが、温かな『見守り』の想いに恵まれ、のびのびとした心が育っています。

一人で出来ないことも多いからこそ、『一人では生きられないこと』を生まれながらに体感してきています。

私も息子を通じて、人に支えられ、人に励まされ、人に助けられながら生きることの

必要性を実感し、その有難さをより強く感じられるようになった気がします。

『どうしたら、座りやすいか』『どうしたら、頭を安定しやすいか』『どうしたら、立ち上がりやすいか』…2人で試行錯誤しながら日々工夫して、改善していくこと。
『みんなのヨーガ講座』で学んできたことともリンクしていき、

『さぁ、今からヨガを始めましょう』というマインドではなく、
日常にあるこれこそが、“私たちのヨガ”なのかなと最近思うのです。





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