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<ラグビー>2023ラグビーワールドカップ(開幕第2週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

大学ラグビー、夏の練習試合について

帝京38-21明治(前半26-14、後半12-7)

 RWCとは月とスッポンほどの差があるが、衛星放送で放映してくれたので、春季大会が中止になっていることもあり、明治OBとして思わず見てしまった。その感想を少しばかり書きたい。

 予想外に良かったのは明治のスクラムで、時折反則を取られることもあったが、おおむね相手ボール及びマイボールともに優勢だった。また、FW戦では、ブレイクダウンでの劣勢とモールからのアタックを止められなかった以外は、これも予想外に良く対抗していたと思う。そして、FB池戸のロングキックと先発及びリザーブのSOの二人の伊藤のプレーは、みなアタックの有効な武器になっていた。一方敗因は、ハイタックルによる無用な反則、ハンドリングエラー、さらにハイボール処理と明確になっているので、これらはシーズンが深まるにつれて修正できるのではないかと期待する。

 なお、試合全般を通じての感想としては、19~22歳の選手で構成されるチームとしては、レベルの低いミスが多すぎると思う。特に同世代のスーパーラグビーであれば、絶対にやらないような基本的なミスが多いのは、ちょっと酷すぎるのではないか。また、両チームには多くのU20代表選手が含まれていたが、この試合を見る限り、U20が惨敗するのも納得してしまうプレーだった。

 やはり、将来代表入りする可能性を持った高校生は、福井翔太やワーナー・ディアンズのように、高校を卒業したら、大学の楽な環境で育成するのではなく、リーグワンのディビジョン1レベルで育成することが必要だと思う。もし、リーグワンが嫌なら、松島幸太朗のように、より厳しい海外のクラブチームに入るという選択肢もある。今代表で活躍している長田智希も、高卒ですぐにリーグワン(当時はトップリーグ)に入っていたら、もっと早い2020年から活躍できたと思うので、つくづく残念だ。

(参考:これまでの関東大学対抗戦Aグループの公式戦結果)
青学7-87明治、筑波21-18慶應、帝京117-5成蹊、早稲田64-7立教、立教21-28慶應、青学0-80帝京


1.RWCプールマッチ結果


9月14日

フランス27-12ウルグアイ(HT13-5)

 フランスは開幕のオールブラックス戦から先発12人を交代させたBチームで臨んだ。SHアントワーヌ・デュポンとSOマチュウ・ジャリベールが休養し、SHはマキシム・リュク、SOはアントワーヌ・アストワ(英語放送ではアストイと発音)。キャプテン代行は、NO.8のアントワーヌ・ジュロンチ。また、FBはトマス・ラモスが23番に入り、メルヴィン・ジャミネが先発する。なお、リザーブをFW6人+BK2人にした。

 Bチームのフランスは、ウルグアイに開始5分に先制トライをされた他、後半53分のウルグアイの2つ目のトライで、13―12と1点差にまで迫られる大苦戦をしたが、その後2トライを連取して、どうにか最後は勝利を確実にした。フランスはAチームとBチームの差が大きいので、さらに怪我人が出た場合は戦力が大幅にダウンするだろう。

 27分に、フランス5番LOロメイン・タオフィフェヌアがウルグアイSHサンチャゴ・アラタに対して、肩を頭部に当てるタックルをしたが、当然レッドカードになる事案にもかかわらずシンビンで済んだことに対して、世界中からクレームが巻き起こっている。イングランドのオウウェン・ファレルに対する不公平な判定が覆った前例もあるため、この判定が変更される可能性が残っている。もしレッドになった場合は、フランスはLOに怪我人が出ているため、メンバー構成にダメージを受けることになる。

9月15日

オールブラックス71-3ナミビア(HT38-3)

 オールブラックスは、怪我のため帰国したWTBエラニ・ナラワの代わりに、怪我から復帰したばかりのFLイーサン・ブラカッダーをスコッドに招集した。これは、FLにシャノン・フリッゼルとサム・ケーンの二人に怪我人が出ているため、WTBではなくFLを招集した。今シーズン絶好調のショーン・スティーヴンソンは、RWC出場のチャンスは遠くなっている。(その後、オールブラックスの怪我人である、PRタイレル・ローマックス、FLフリッゼル、FLケーン、CTBジョルディ・バレットは、いずれも怪我から回復し、次のイタリア戦から出場可能となったのは、チームにとって朗報となっている。)

 オールブラックスは先発9人を交代させた。WTBウィル・ジョーダン、マーク・テレア、HOコーディ・テイラーはローテーションで休養し、PRタイレル・ローマックス、FLシャノン・フリッゼルとサム・ケーン、CTBジョルディ・バレットは怪我で、この試合まで欠場する。注目するのは、初先発となるSHキャメロン・ロイガードで、SOダミアン・マッケンジーとの攻撃的なHB団からトライを量産することが期待される。また、5番LOサムエル・ホワイトロックは、偉大なリッチー・マコウの持つオールブラックス最多の148キャップに並ぶ記念すべき試合となった。そして、次戦以降出場すれば記録更新となる。

 ナミビアは、イタリアに大敗した初戦から先発6人を交代(そのうち1人はポジション変更)した。オールブラックスとは、2019年大会でも対戦しており、この時はオールブラックスSHのTJ・ペレナラのスーパートライなど、オールブラックスに71-9と大敗している。

 試合は、開始1分にオールブラックス11番WTBレスター・ファインガアヌクの突破をサポートした、9番SHキャメロン・ロイガードが、テストマッチ初先発でいきなりトライを取った後、オールブラックスが一方的に11トライ(TMOでキャンセルになったのを含めれば12トライ)を記録して圧勝した。特にロイガードは、2トライを記録した他、SOダミアン・マッケンジーのトライアシストまで記録するなど、いきなりMOMに選ばれる大活躍で、一気に本大会のスターとして注目されることになった。

 他のオールブラックスの選手では、SOマッケンジーはプレーに波があった上に、ゴールキックが安定していなかったことから、リッチー・モウンガとボーデン・バレットを越えて先発メンバー入りを確保するまでにはアピールできなかった。一方、WTBファインガアヌクは、2トライを記録した他、多くの良い突破を見せており、マーク・テレアとウィル・ジョーダンが占めているWTBのポジション確保へ大きくアピールした結果となった。

 また、6番FLルーク・ジェイコブソン、20番FLツポウ・ヴァアイ、12番CTBデイヴィット・ハヴィリ、13番CTBアントン・リエナートブラウンらも好調さを見せた他、怪我から復帰の4番LOブロディー・レタリックも、順調に復調していることを確証させた。

 しかし、オールブラックスのプレーを全体として見れば、FW・BKともにセットプレーやブレイクダウン、さらにオープンプレーでナミビアを子ども扱いしていたのにも関わらず、不要な反則が多かったことが反省材料となっている。また、後半交代出場した17番PRイーサン・デグルートが、ナミビアの20番アドリアン・ブーイセンに対し、前日のフランスFWと同じような頭部へのタックルをしてTMOとなり、シンビンだけで済んだフランスFWとは対象的にレッドカードになってしまった。レッドカードになった場合は、出場停止処分が科される他、スコッドに交代選手を入れることもできないため、オールブラックスは、この試合でオファ・トゥンガファシが不調だったことと併せて、左PRに不安を残すこととなった。

(追記)オールブラックスのラグビーらしい良いエピソード

 オールブラックスは、試合中に足首脱臼で退場したナミビアCTBルルー・モランへ、オールブラックス選手のサイン入りジャージを贈呈したことが、美談として広く報道されている。

9月16日

サモア43-10チリ(HT19-10)

 サモアは、キャプテンに3番PRマイケル・アラアラトアが戻った他、SOに元ワラビーズのクリスチャン・リアリイファノが先発、リザーブには元オールブラックスのリマ・ソポアガが入る強力な布陣となった。

 日本に善戦したチリは、フィジカルの強いサモアには日本戦のようなフィジカル勝負は通用しないので、かなり苦戦することが予想され、おおよそその通りの結果となった。

 チリは前半まではサモアにフィジカルで抵抗したものの、後半はサモアのモール攻撃に圧倒されて連続トライを許し、完敗した。一方、両チームに2人ずつのシンビンが出るなど、試合内容は荒れたものとなった。

ウェールズ28-8ポルトガル(HT14-3)

 ウェールズは、格下ポルトガルに対してはローテーションを行った。SHはトモス・ウィリアムス、SOはガレス・アンスコムが先発し、22番のSOのリザーブは、サム・コストロウが入った。FBは大ベテランのリー・ハーフペニーが先発した。キャプテンは、2番HOのドウィ・レイク。

 大会初戦となるポルトガルは、ベストメンバーを揃えているが、格上のウェールズにどこまで戦えるのか、どのくらいトライを取れるかが目標となったが、1トライを取るのが精一杯だった。

 Bチームのウェールズが、ポルトガルの速いアタックに苦戦する一方、自らのミスでトライを取り切れない時間が続いた。しかし、前半最後のトライでリードを拡げると、ポルトガルのミスにも助けられて、最後にボーナスポイント付きの勝利を獲得し、プール1位に向けて前進した。ウェールズ7番FLジャック・モーガンとNO.8タウルペ・ファレタウの攻守にわたる献身的なプレーが、チームを勝利に導いたことを特記したい。

アイルランド59-16トンガ(HT31-13)

 アイルランドは先発4人を交代させたが、戦力ダウンは見られない強力なメンバーになっている。SOはジョナサン・セクストンが先発し、キャプテンを担う。

 トンガは、元NZのU20代表である3番PRベン・タメイフナがキャプテンを担う他、FBチャールズ・ピウタウ、13番CTBマラカイ・フェキトワ、SHアガスティン・プルー、NO.8ヴァエア・フィフィタらの元オールブラックスが入っており、かなり強力なメンバーになった。

 アイルランドが、SOジョナサン・セクストンのローナン・オガーラの持つアイルランドSO得点記録を更新する活躍で、圧勝した。トンガもNO.8の元オールブラックスであるヴァエア・フィフィタのトライなどで良く健闘したが、イージーなミスが多かった上に、自滅するプレーも多発して、最後まで勝利は遠かった。

 自らの新記録達成及びアイルランドの大量リードで、SOセクストンは前半終了後に交代したが、その際ジャージを脱いで観戦モードになっていた姿がTVに映った。その後再びジャージを着たが、まるで大スターが少しだけTV出演しているような、かなり傲慢なラグビーを馬鹿にしている態度に見えた。アイルランドというチームが、対戦相手に対してこのような失礼なことをセクストンに許しているのであれば、今大会のアイルランドは絶対に優勝しないと思う。

9月17日

南アフリカ76-0ルーマニア(HT33-0)

 南アフリカは、スコッド内のHOをマルコム・マルクスとボンギ・ムボナンビの2人しか登録していないが、その主力であるマルクスが練習中に膝の怪我をして、今大会の残り試合を欠場することとなった。その結果、HOのリザーブがいなくなったため、HOのプレー経験があるベテランFLのデュオン・フーリーがリザーブに入った。またラインアウトのスローイングを6番FLのマルコ・ファンスタッデンが練習している。

(その後南アフリカは、帰国したHOマルコム・マルクスに代えて、怪我から復帰のSOアンドレ・ポラードをスコッドに入れた。HOを二人だけに止めた一方、一人しかいないSOを二人にするとともに、序列NO.1のポラードをスコッドに戻した陣容になっている。)

 また、14番WTBにSHのグラント・ウィリアムスを入れた他、9番にコブス・ライナッハ、リザーブの21番にジェイデン・ヘンドリクス、22番にファフ・デクラークと、スコッドにいる4人のSHを全員入れる異様なメンバー構成にした。キャプテンは、シヤ・コリシが休養したため、HOムボナンビがキャプテン代行を務めた。

 ルーマニアは、いかに格下とはいえ、WTBにSHを入れ、またSOのリザーブにもSHを入れた他、HOのリザーブも専門職でないという、南アフリカが完全に相手をなめた試合メンバーにしているので、ここは意地を見せねば男が立たないだろうと思ったが、想定以上に弱かった。

 試合は、南アフリカ9番SHコブス・ライナッハ、14番WTBマカゾレ・マピンピがそれぞれハットトリック(3トライ)を記録するなど、縦横無尽にトライを重ねて圧勝した。ルーマニアは、得点チャンスがまるでない不甲斐ないゲームをしており、今大会では、ウルグアイ、チリ、ポルトガル、ナミビアらと最下位グループを構成しているが、その中でも最悪の結果となっている。

オーストラリア15-22フィジー(HT8-12)

 オーストラリアSHテイト・マクダーモットは、脳震盪のため欠場し、また右PRタニエラ・ツポウが怪我で欠場した。そのため、9番SHはニック・ホワイトが先発し、21番のリザーブにアイザック・ファインズレレイワサが入った。3番PRにはジェイムズ・スリッパ―が先発する。

 フィジーは、12番CTBにジョシュア・ツイサヴァが先発したため、トライゲッターのセミ・ラドラドラが11番WTBに移動した。キャプテンは、引き続き好調の13番CTBワイセア・ナヤザレヴ。

 フィジーが1954年にオーストラリアと対戦して以来、歴史的な快挙となる勝利を挙げた。トライ数では1対2と負けていたものの、9番SHシモネ・クルヴォリが4PGを決めて、勝利に大きく貢献した。オーストラリアは、若いSOカーター・ゴードンがチームの足を引っ張るプレーとなった一方、18個もの反則を取られて自滅した。この惨状は、ひとえに、監督エディー・ジョーンズのコーチングの失敗以外なにものでもないだろう。

 しかし、試合後にジョーンズは、相変わらずの王様のようなコメントをしている。

「選手たちは、私にバゲット(フランスパン)やクロワッサンを投げるだろうね。全ての責任は私にあるから」、「ターンオーバーの数が1対3でフィジーに負けていた。今日のような接戦ではここに差が出てしまう」、「いくつかの理由で、今日の我々はオフの日だった。スタッツを見ればトライ数は2対1で勝っていたが、今日はダメな日だった」、「そういうわけで、我々は原点を見直さなければならないし、次のウェールズ戦は重要なゲームになる」、

「(SOゴードンが機能しなかったことを、TV解説をしている元オールブラックスのソニービル・ウィリアムスに聞かれて)TVコメンテーターであれば、いつも正しいことが言える。私もTVコメンテーターなら、いつも正しいことが言えるだろう。たしかに我々は若いチームだが、これを私は後悔していない。未来に向けてチーム作りをしているからだ。そして、今はいくつかの痛みを乗り越える時になっている」、

「若いチームにすることを決めたが、もしそれが間違いであれば、私に説明責任がある。しかし、オーストラリアは若返る必要があった。また、オーストラリアがRWCで上手くやるための、いくつかの悪い箇所を取り除く用意がある。それが今出来ているとは言わないが、今日は少しばかり後退しただけであり、また大会の一部分(一試合)でしかない。あの南アフリカは(前回)初戦で負けたが、優勝してみせた。だから予想外のことが起きる場合がある(から、オーストラリアは持ち直す)」

イングランド32-12日本(HT13-9)

 イングランドのFLトム・カリーは、アルゼンチン戦でレッドカードを受けたが、裁定の結果2試合の出場停止のみとなった。そのため、この日本戦と次のチリ戦を欠場するだけとなり、チームへの影響は軽度に止まった。このカリーが欠場することから、7番FLに8番のベン・アールが移動し、NO.8にはルイス・ラドラムが先発した。また、レッドカードで出場停止処分だったビリー・ヴニポラが20番のリザーブで復帰した。両PRはローテーションをしたが、HB団はアルゼンチン戦と同様にSHアレックス・ミッチェルとSOジョージ・フォードが先発した。21番SHのリザーブに、現役BK最多キャップのベン・ヤングスが入った。

 日本のキャプテン姫野和樹の怪我は軽度で済み、この試合にはNO.8で戻ってきた。また、7番FLに出場停止処分が明けたピーター・ラブスカフニが先発した。2番HOに堀江翔太、13番CTBに長田智希が、それぞれリザーブから先発に上がっている。好調のワーナー・ディアンズは、引き続きリザーブの19番に入りLOをカバーする。

 アルゼンチン戦の反動でパフォーマンスが落ちたイングランド(SOフォードはPGを1回外した)に対し、日本は初勝利の絶好のチャンスだった。特に前半のイングランドは、かなり不調だったが、このつけ込む最大のチャンスに日本は自滅してしまった。

 SOはゴールキックこそ100%成功したが、攻守ともにタッチキックは伸びず、アタック時のキックも相手にチャンスを与えるだけになっていた。FWは、スクラムは良かったが、ラインアウトは自陣ゴール前などのポイントで致命的なミスを犯してしまった。ディフェンスは相対的に良かったが、80分間継続することができず、最後にトライを連取されてしまった。

 58分には、日本の唯一のトライチャンスとなった、14番WTB松島幸太朗と22番CTBディラン・ライリーが連続してディフェンスを突破した場面があったが、当然にいなければならないサポートがいないため、有効なパスをつなげられなかった。また、その後に苦労してゴール前でマイボールにしたラックから出た貴重なボールを、すぐにノッコンしてしまうようでは、勝つことは難しい。

 イングランドは、辛勝した初戦からの反動が確実に出る今日の難しいゲームで、ボーナスポイント付きの勝ち点5を獲得する勝利を挙げたことは大きい。これで、プール1位として決勝トーナメントに進出することへ大きく前進した。完敗の日本は、次のサモア戦に勝利して、次回大会出場権を獲得できるプール3位を目指すのが現実的な目標になった。

2.その他のニュース

(1)RWC開会式の評判は芳しくない

 フランス大会の開会式のセレモニーは、いかにもフランスらしい凝った(あるいは奇抜な)演出だったが、これに対しては「田舎芝居」、「子供の演劇レベル」、「まったく面白くない」と言った悪評が多くSNSに投稿されている。また、エリス少年が神様役で登場したことや主人公のパン屋が空中浮遊して意味不明の巨大な帽子を取ったこと、その帽子がエッフェル塔の上にある巨大な優勝カップに載るなどの稚拙な演出に対しても、好意的なコメントは寄せられていない。

(2)試合前の国歌斉唱の評判も良くないので、修正に向かう方向

 試合前の国歌斉唱は、これまで実際の歌い手がグランドで歌う形式が中心だったが、今回のRWCでは、児童合唱団が録音したものを流している。これに対して、国歌自体が一部編曲されていること、少年少女がグランドで歌うという貴重な体験をスポイルしていること、また録音で流したため、スタンドの観衆が国歌斉唱中に騒ぐなどの行為が発生していることなどから、否定的な意見が多く寄せられている。そのため、大会主催者は国歌斉唱を修正する方向を勘案しているとの報道が流れている。

(追記)国歌斉唱の編曲は止める方向に

 大会主催者は、評判の悪い編曲した国歌斉唱については、伝統的な形に戻せることになった。一方、録音を使用することについては特に言及はないので、グランドで観客が一体感を得る国歌斉唱にはなりづらいだろう。

(3)スコットランドは南アフリカ選手のハイタックルの判定に不満

 南アフリカはスコットランドに快勝したが、試合中にジェシー・クリエルがスコットランドのジャック・デンプシーにタックルした際に、明らかにヘッドコンタクトとなっているのにも関わらず、PKを含めて何ら罰せられなかった判定に対して不満を表明している。

 タックル時のヘッドコンタクトに対しては、罰則が強化されており、最低でもシンビン、最悪はレッドカードになるケースが大半を占めている。そうした中で、イングランドのオウウェン・ファレルが、試合中にレッドになったもののその後シンビンに軽減された事案が発生していた。これに対しては、すぐにWR側が裁定のやり直しを求めた結果、元のレッドに戻った経緯もあるため、その一貫性が問題にされている。

(今週のフランス及びオールブラックスのゲームで、同様な危険なタックルに対して、フランスはシンビン、オールブラックスはレッドと言う不公平な判定が発生しているので、さらなる修正が求められる。)

(4)アルゼンチンは政治・経済ともに危機的状況

 アルゼンチンは、ラグビーどころではない状況になるかも知れない。100%を超すスーパーインフレが継続する中で、今年は大統領選挙が10月にある。そして、政権は腐敗し、治安は悪化している。経済破綻のみならず、内政が混乱した場合、アルゼンチン代表はチームとしてプレーを継続していくことが困難になるかも知れない。また、選手やコーチたちも、内政が安定していない状況では、プレーに集中できないだろう。大会終了後に、アルゼンチンの選手たちから亡命が出てきてもおかしくないと思うのは、私だけではないことをこれまでの歴史が教えている。

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