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<ラグビー>2023~24年シーズン(12月第四週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
 
〇 クリスマスにフライドチキンを食べるというのは、日本だけの習慣だろう。ちなみに、アメリカのサンクスギビング(感謝祭、収穫祭)では、ターキー(七面鳥)を食べるが、代わりにチキンを食べる場合がある。一般的にチキンはどの国でも安価だから、季節行事とは関係なく扱いやすい食材だ。もっとも、日本のクリスマスは単なる金儲けの行事またはお祭り騒ぎになっているから、何を食べようと関係ないのだが。・・・でも私は、焼き鳥数本とホッピーで十分満足です。
 
〇 ここ最近住居周辺で下水道工事を行っている。そこに停まっている工事施工会社の車の横に、「SPR」という文字があって、気になって仕方なかった。なぜかと言えば、古代ローマ帝国の標章として「SPQR(ローマの元老院と人民)」というのがあって、ローマ遺跡にはこの文字がある。そのため、SPRという文字を見るたびに、「ああローマ帝国みたいだな」と思ってしまうのだ。
 
 念のため、SPRを調べたら、「表面プラズモン共鳴法(surface plasmon resonance)」の略だそうで、これを使って下水の既設菅と一体化した複合管を築造する「管渠更生工法」だそうだ。なるほどねえ、街中を歩いているといろいろと勉強になるものだ。
 


1.リーグワン ディビジョン1結果


埼玉ワイルドナイツ44-17ブラックラムズ東京
 何事もなければ、ワイルドナイツの一方的なゲームと思ったが、前半はブラックラムズが良く抵抗したものの、後半に入ると一方的になってワイルドナイツが想定どおりに完勝した。しかし、SO松田力也のゴールキックが不安定になっているのが心配。

 ワイルドナイツSH内田啓介とブラックラムズLO柳川大樹の二人が、100試合を達成。そして、内田が堀江に続き、今シーズンで引退することを発表した。ブラックラムズは数多く良いプレーがあったし、BKの決定力が高いので、特に前半は拮抗した試合をしていた。今シーズンも中位クラス相手には十分勝てそうだ。

横浜キャノンイーグルス66-26花園ライナーズ
 実力的にはイーグルスだが、ライナーズも結構やれるのではと期待したが、スコア通りにイーグルスが圧勝した。イーグルス16番HO中村駿太が後半だけでモールからのハットトリック(3トライ)を記録。それだけFW戦とモールで圧倒したという証拠。一方、ライナーズも良いトライがあったので、今後の伸び代が期待できそうな試合だった。

トヨタヴェルブリッツ54-40相模原ダイナボアーズ
 意外と接戦になりそうな予感どおりのスコアとなった。ヴェルブリッツのSHアーロン・スミスとSOボーデン・バレットの黄金のオールブラックスHB団が、格の違いを見せつける融通無碍なゲーム運びをしていた。しかし、チームがさすがにオールブラックスとは違うので、そのまま全てが良い結果にはならない。一方、ダイナボアーズもアタック力のあるところを見せて、このトライ合戦のスコアとなった。ダイナボアーズは、昨シーズンの後半に尻すぼみとなったチームよりは、良くなった感じがある。

三重ホンダヒート16-34東京サンゴリアス
 こういう相手だと、チェスリン・コルビがMOMの活躍をすると期待したが、意外と大人しかった。その理由は、さすがに相手も慣れてきたというのがあると思う。また、サンゴリアスSO高本幹也のゴールキックが不調になっていたのが影響したかも知れない。彼は才能あるSOなので、これからの成長を見守りたい。

 最も良かった選手は、MOMにもなったFL山本凱で、フィジカルは足りないが日本代表でも十分活躍できると思う。ヒートは、キアラン・クロウリーの指導の下、まだチームが熟成していない。今シーズンはこうしたコンビネーションの悪い試合が続き、最後の方になってから良くなると思う。入れ替え戦回避が当面の目標か。

スピアーズ東京ベイ浦安19-23静岡ブルーレヴズ
 意外と接戦になる予感どおりとなった。スピアーズの元オールブラックスHOダン・コールズと、前ウェールズ代表FBリアム・ウィリアムズが、それぞれ移籍後初登場となったが、コールズは46分に、ウィリアムスは54分に交代して、プレー内容もチームにフィットしておらず顔見世程度になった。これからチームに馴染んでいけば、貴重な戦力になると思う。

 ゲームは、スピアーズが、前半20分にSOバーナード・フォリーの負傷退場と後半にシンビンがあったのにも関わらず、ゴール前のディフェンスで粘り切り、逆に73分に逆転トライを挙げて勝利を確定したかに思われた。しかし、最後の詰めのところで課題となっている反則をしてしまい、その後はブルーレヴズの執念に押し切られた。今シーズンのスピアーズは、ディフェンディングチャンピオンといいながら実力が低下していると思われる。

神戸スティーラーズ39-46ブレイブルーパス東京
 今週一番の見どころある試合という期待通りの激戦となった。ブレイブルーパスは、サンゴリアス戦勝利の反動が心配だったが、そうしたことを一掃するようなヘビー級のゲームを80分完遂した。内容は、得点から見れば乱打戦のように思えるが、両チームのアタックがディフェンスに優っていたためで、これぞ観客が見たいエンターテイメントなラグビーであり、リーグワンの目指すべきゲームだと思う。

 MOMになったブレイブルーパスFLシャノン・フリッゼルが4トライを記録したが、そのうち2トライがスティーラーズのミスからのものであったように、スティーラーズは、SOブリン・ゲイトランドとの連携ミスからトライを取られることが多かったように、ゲーム全般を通じて反則が多かったのが敗因となった。

 一方のブレイブルーパスは、腕に入れ墨を入れたワーナー・ディアンズとジェイコブ・ピアースの201cmの両LOの攻守にわたる活躍が、チームに勢いを付けた。この二人は、そのまま日本代表に使いたい。さらにSOリッチー・モウンガが、RWC時よりラグビーを楽しんでいるいきいきとした好プレーを連発し、チーム好調の立役者になっている。また、HO原田衛は、度々良い突破を見せていたので、これから日本代表入りしておかしくない活躍だった。

2.大学選手権準々決勝結果


帝京65-28関西学院
 帝京が手抜きをしなければ、一方的なミスマッチになると予想したとおりの結果。関西の1位と2位は強いが、それ以下は少し実力が離れていたようだ。

東海14-34天理
 慶應に完勝した天理はかなり強いので、東海との良い勝負を期待したが、やはり天理が強かった。天理は、慶應と東海を一蹴して勝ち上がってきたので、準決勝の帝京戦でも良いゲームが期待される。

京都産業65-28早稲田
 早稲田が負けても不思議ではないと予想していたが、結果は予想外の点差となった。関西1位の京都産業に早稲田は惨敗した。スクラムを筆頭にまったく手も足も出ない結果になったというしかない。京都産業は、100%成功のゴールキッカーと目黒OBのトンガ人FWの力技を中心に、次に対戦する明治に対してかなり自信をもって戦う大勝利となった。

明治45-7筑波
 対抗戦のゲームからは明治圧勝の再現を期待したが、前戦から期間が空いた明治は、また早稲田戦の後半ガス欠になった反省もあり、前半を抑えたペースでプレーしたため、17-7と10点差で折り返した。しかし、後半に入るとエンジン全開で一方的に攻め続け、最後には理想通りのスコアで完勝した。早稲田戦の反省を踏まえた内容となったが、次の京都産業はトンガ人FWを筆頭にかなり強いので、さらなるチーム力上昇が求められる。

2024年1月2日の準決勝の組み合わせは以下のとおり

第1試合
 明治対京都産業
 競った試合になると思う。明治のトンガ人対策が見ものだが、そこだけに集中すると「裏」があるので、要注意。また、京都産業のゴールキックは安定しているので、コンバージョンやPGの差が結果に影響するだろう。

第2試合
 帝京対天理
 大方の見方通りに帝京が強いと思うが、天理の「伝統工芸型」アタックが通用することを期待したい。また当たり前のことだが、両チームのディフェンス力の差が結果により多く反映すると思う。

3.各種ニュース等

(1)高校世界大会で、NZのウェストレイクボーイズハイスクールが優勝


 タイで開催されていた高校世界大会で、NZのウェストレイクボーイズハイスクールがアイルランドのセントマイケルハイスクールに28-21で勝利して、世界一となった。

 NZの高校は、昨年の大会でハミルトンボーイズハイスクールが優勝してから、二年連続優勝となった。代表チーム強化には年代別代表の育成及び強化が必須となっているので、この優勝はNZラグビー界にとっても朗報となった。

(2)TJ・ペレナラは、オールブラックス復帰を目指す


 元オールブラックスSHとして80キャップのTJ・ペレナラ、31歳は、今シーズンは二回の手術をした膝靭帯の怪我のためプレーできなかったが、来シーズンのハリケーンズでのプレーを通じて、オールブラックス復帰を目指している。

 ペレナラはまた、オールブラックスの正SHだったアーロン・スミスが、今回のRWCで代表を引退し、日本のトヨタヴェルブリッツでプレーしていることもあり、オールブラックスの正SHの座を取りにいく意欲を表明している。さらにペレナラは、所属のハリケーンズでは、スミスの後継者に挙げられているキャメロン・ロイガードとポジション争いをする他、フィンレイ・クリスティー、フォラウ・ファカタヴァらともオールブラックスの正SHの座を競うことを楽しみにしている。

 一方ペレナラは、RWCで活躍したロイガードと自分は、現在のNZでNO.1及びNO.2のSHと自認しており、自分とロイガードが競争することにより、ハリケーンズのみならずオールブラックスのチーム力のアップにもつながることを期待している。

(3)オールブラックスを撮影し続けた名カメラマンが逝去


 オールブラックスのゲームを撮影し続けた名カメラマンである、ピーター・ブッシュは、16日にウェリントンで逝去した。93歳だった。

 オークランドで生まれたピーターの叔父ロンは、オールブラックスのプレヤー・セレクター・コーチを歴任した他、祖父のジョージはカンタベリー代表のラグビープレヤーだった。ピーター自身も、転居したウェストコーストで高校ラグビーをプレーした後、地域のクラブチームでプレー。その後自身が転居したウェリントンでもクラブラグビーをプレーした。

 カメラマンとして名を成した最初は、1949年のオールブラックスのゲームからで、その後遠征先を含めてオールブラックスの全ゲームに帯同し、所属のNZトゥルース社で発表したその数30万点以上の写真は、現在ウェリントンのテパパ博物館に寄贈されている。

 こうしたピーターの功績をたたえて、1991年に大英帝国勲章、2011年にNZ勲章がそれぞれ授与された他、2002年には当時のNZラグビー協会長ジョック・ホブズより、「ゴールデンフォトグラファー」としての金のビブスを付与され、生涯を通じてオールブラックスの撮影許可を付与されていた。

(4)アルゼンチン代表監督は、フェリペ・コンテポーミに


 アルゼンチン代表監督は、元ワラビーズ監督のマイケル・チェイカの辞任が規定路線だったが、その後任として元代表CTBとして87キャップを持ち、現在代表のアシスタントコーチをしているフェリペ・コンテポーミが就任した。チェイカが先のRWCでアルゼンチンをベスト4に率いた実績を、元代表選手として2007年フランス大会ベスト3を経験したコンテポーミが、さらに飛躍させることが期待される。

(5)オーストラリア協会チーフエクゼクティヴのフィル・ウォーは、チェイカの代表監督復帰の可能性を否定せず


 アルゼンチン代表監督を退任したマイケル・チェイカは、エディー・ジョーンズの辞任によって空席となっているオーストラリア代表監督に、復帰する意志があることを表明している。また、オーストラリア協会チーフエクゼクティヴのフィル・ウォーは、誰にでも監督になる可能性はあるとして、チェイカの復帰を否定しなかったため、彼の二回目となる代表監督復帰の可能性が高まっている。

 チェイカは、オーストラリア代表選手からの生え抜きとして監督に就任したが、成績不振を理由に解任され、後任にNZ人のデイヴ・レニーが就任した。しかし、レニーも成績不振を理由に解任され、イングランド代表監督を成績不振及びチームとの不和を理由に解任されたジョーンズが、ワラビーズのRWCでの成果を期待されて二回目の監督に就任した。しかし、代表チームの無謀な若返りを強行して、ワラビーズ史上初のRWCプールマッチ敗退を招いた。

 その後ジョーンズは、RWCで敗退した理由は、オーストラリア協会からの十分な協力が得られなかったためとして突然辞任したが、既に日本代表監督就任に向けて活動していたと度々報道され、先日報道通りに二度目の日本代表監督に就任している。

(6)オーストラリア協会は、ジョー・シュミットの可能性も残す


 オーストラリア協会のフィル・ウォーは、次期ワラビーズ監督について、マイケル・チェイカ、スティーヴン・ラーカム、デイヴィット・ヌシフォラ、ダン・マッケラーらの有力候補に加えて、対象外になったと思われていた、元アイルランド代表監督で前オールブラックスのアシスタントコーチであるジョー・シュミットの、就任可能性を検討している旨が報道されている。シュミットは、NZ人コーチとして世界で高く評価されている一人であり、もし就任すれば、ロビー・ディーンズ、デイヴ・レニーに次ぐ3人目のNZ人監督となる。

(7)オールブラックスの新体制発表


 2024年からオールブラックスを率いるスコット・ロバートソン監督を支える、コーチ陣及びマネージメントスタッフが発表された。コーチの多くは、ロバートソンが率いていたクルセイダーズから引き上げたメンバーとなっている。また、イアン・フォスター体制下で、ジョー・シュミットとともに重要な役割を果たしていたウェイン・スミスが、コーチ全般を見る立場で残留しているのは心強い。その主なアシスタントコーチは以下のとおりで、ジョー・シュミットとスティーヴ・ハンセンを除けば、現時点のNZで最も優れたコーチを集めた構成となっている。

ジェイソン・ライアン:フォワード担当
レオン・マクドナルド:アタック担当
スコット・ハンセン:ディフェンス担当
ジェイソン・ホランド:バックス担当
タマティ・エリソン:コンタクトスキル担当
ウェイン・スミス:パフォーマンス担当


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