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「初めての人生の歩き方――毎晩彼女にラブレターを」(有原ときみとぼくの日記) 第271話:ハッピーバースデイトゥーユー。

「人生で最も重要な日を二つ挙げるなら、それは生まれた日と、その理由を見いだした日だ」マーク・トウェイン


 彼女から仕事が終わったとラインが入る。
 ぼくは娘を連れて家を出る。隣の駅で待ち合わせをして少しいい焼き鳥屋さんへ向かう。

 そのお祝いを兼ねて彼女の食べたいものを食べにきた。娘が粘土で作ったミニケーキをプレゼントする。ほほえましい二人のやり取りは見ているだけで疲れが取れていく。

 みんなそれぞれ好きなものを注文していく。

 気がついたらお腹はパンパンで、ぼくたちは早めにお勘定をした。
 家に帰り、買っておいた彼女の好きなケーキをサプライズで出す。ろうそくの炎が揺れる。歌を歌ってそれを消して、ゆっくりと食べる。しばらくしてみんなの口が止まると、そのまま床の上でごろんと横になって少しの間目を閉じる。

 豪華なディナーや高級ホテルじゃなくてもいい。
 みんなで過ごすことに価値がある。

 以前、彼女が言っていたセリフだ。
 日常の中に涙があるように、日常の中に幸せがある。

 お誕生日おめでとう。

 きみに手紙を書こうと思っていたので、ここで代わりに書こうと思います。

 まずはお誕生日おめでとう。

 島根から遠く離れた大阪で生まれたきみは、ぼくとは縁もゆかりもない場所でたくさんの人と出会い、別れ、ときに笑い、ときに泣き、そして無限に近い選択肢の中からぼくと出会うということを選択してくれた。

 それはもしかしたら決まっていたことかもしれないし、決めていたことかもしれないけど、確実にきみが選んでくれた道なんだ。

 よく生まれる前に雲の上から人生を決めてくる、という話を聞くけれど、ある日そんな会話をしているときにきみはこう言ったんだ。

「きっと私たちは雲の上にいるときから一緒にいたのよ。でもきみは怖がりだから、さきに私が地上に降りてきた。そして五年後にようやく決心を固めたきみがやってきたんだと思うの」

 確かにその通りだと思った。
 ぼくはきっときみを追いかけてこの世界に来たのだろう。
 だから初めてきみを見たときに、とても懐かしい気がしたんだ。そしてそれから何年も経ったけど、ぼくたちは不思議な縁で結ばれて、こうして一緒に人生を歩いて行くことになったんだ。

 きみには本当に感謝をしている。

 ぼくが病気で何年もふさぎ込んでいたときも懸命に支えてくれて、そして生きる希望を見せてくれた。何回も死にたくなったし、何回も別れるかと思ったこともあったけど、それでもぼくたちはこうして生きているし、別れてもいない。

 きみはぼくに幸せとはなにかを教えてくれた。

 それはお金でも地位でも名誉でもなかった。
 それは昔から常にぼくの目の前にあるものだった。
 幸せとは今この瞬間を生きるということだ。
 どんな状況でも、そこに幸せは存在する。
 それをきみは教えてくれたんだ。

 きみは本当に美しい。
 そしていつ見ても可愛いんだ。

 芯があり、人を思いやり、本当の優しさを知っている人だ。

 きみと出会えたぼくは心から幸せ者だと思う。だからぼくは人生においてある意味後悔はないし、ある意味今死んだら後悔する。
 きみと最後まで歩きたい。それがぼくの今の夢だから。

 改めて誕生日おめでとう。

 今年もきみにとって最高の一年になることを願っているし、協力させて欲しい。
 きみは今年飛躍する。それは今までに見たこともない世界を見て、そしてきみ自身が人生を楽しむために。

 ありがとう。

 これからもきみの傍で、まっすぐ前を向いているきみの横顔を見させてください。

 心から愛しています。

初めての人生、愛している人の誕生日ほど素敵な一日はないと思う。

それは生まれてきたことと出会ってくれたことを同時に祝えるからだ。

だから今日もぼくは心を込めてこう言うんだ。

今日もありがとう。

今年も、残り80日。

またね。

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