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突然の意識障害者は、目を見よう‼

これは、「おもしろくもない脳の病気を、一般の人におもしろく」理解してもらうためのnoteです。

脳血管障害は、出血にしても梗塞(脳の血管が詰まる)にしても
ほとんどが何の前触れもなく突然発症します

意識障害が高度でなければ、右なら右上下肢、左なら左上下肢が動きが
悪くなったり、感覚の障害が出て、訴えることもできるでしょう。
経験からして多くの場合、同側の上下肢に症状が起き、両側に起こることはあまりありません。

(脳血管障害の患者さんは、左右どちらかの半身の麻痺があるため赤あげて、白あげてというゲームが上手くできません。ご注意ください。)🤣

また、頭部の症状としては、言葉がしゃべりにくい、目が見にくい、
言葉が出ない、めまいがして吐き気がする、急に行動がおかしくなる、
などの症状が突然出ますが、これも本人が気づいたり、周りの人が
異常に気付く事が多いと思います。

意識障害が無ければ、脳血管障害は比較的気づきやすいものなのです。

上記のような症状が突然起こった時に、先ず、おしりの病気を考える人は
よほどの天才か、あるいは救いようのないバカかどちらかと思いますが、
いずれにしても少数派であるため、問題はないでしょう。🤐

意識障害がない脳血管障害は、本人あるいは周囲の人が気づくことが多い。

軽い麻痺の場合は、私たち脳神経外科医のようないわゆるオタクでないと
わからない場合がありますが、オタクといってもそれほど高度な事を
極めているわけでもないので、次のスライドを見ていただければ、
「なあんだ、そんな事か」とすぐ私たちレベルになることが出来ます。

鼻唇溝とは、鼻の横から唇の横あたりまで伸びるシワの事です。

向かって左の人は、左鼻唇溝が、右の人は、右の鼻唇溝が反対側と
比較して、浅くなっていますね。知能は必要ありません。
見たら、目が悪くない限りわかると思います。
ほうれい線が、突然浅くなったと喜ばないでくださいね。
麻痺が出ているのですから。

だから、
お茶を飲むと麻痺側からこぼれます。
また、「パパパーン、パパパパパパパパーン」とファンファーレのように
言ってもらうと唇音であるパ行がうまく発声できません。
でも笑わないであげてくださいね。不謹慎ですから。

そして、見たら診断はつくわけですから、あえて「パパパーン」と言えない患者さんに言わせるようなことはしないでください。不安になっている患者さんをさらに不安にさせてしまいますから。

ここでオタクの私がひとつ注意しておきますと、麻痺側のひたいの
シワが麻痺している場合は、脳の病気ではなく、末梢性顔面神経麻痺です。

では、もう一つ、

右上肢が内転していますよ。

目をつぶらせて、両上肢を同じ高さまで上げさせ手のひらを上に向けると
麻痺側の上肢が落ちてきたり、手が内側に傾きます。(内転)
患者さんは、右上肢が内転しているので右麻痺です。
(患者さんが、私は何も盗んではいませんと言って手のひらを見せている写真ではありません。悪しからず。)

簡単でしょう?でも、こんな検査は必要ありません。なぜなら口角の麻痺に
しても上下肢麻痺にしても患者さんが、こっちが悪いと意識障害が無ければ
訴えることが出来るからです。

それよりも

脳血管障害は時間が大切ですから、症状が軽くてもすぐに救急車で
来院してくださいね。症状が軽いからといって病気が軽いわけでは
ありませんから。
様子なんか見ていると一生後悔しますよ。患者さんだけでなく
ご家族も後悔します。🤣

では、意識障害があって周囲に訴えることが出来ない場合どうしたらいいのでしょうか?

意識障害の原因は、いろいろな事で起きてきますが、大きく分けると
2つです。ひとつは、脳の環境が悪くて意識障害になっている場合。
もうひとつは、脳の疾患(突然起きた場合は、おもに血管障害)です。

意識障害は、大きく2つに分けられます

今回は、突然発症した意識障害の原因が脳自体の異常によって起きている
ことをすぐに判断できる方法を教えましょう。

それは、意識障害の患者さんの目を見ること   です。

「目が口ほどにものを言ってくれてます。」

多くの人は、突然意識障害で発症して倒れた人の周りでどうしていいか
わからず、動転してしまうと思いますが、そんな時こそ落ち着いて、
瞼を開いて目を見てください。目に違和感を感じたら脳の病気です。
どんな場合があるかを一応示しますが、覚える必要はありません。

目に違和感を感じたら脳の病気を疑いましょう。

私たち、脳神経オタクも意識障害者の目の状態で重症度や脳の病変の
起きている部位を疑いますが、一般の人は、目に違和感を感じるだけで
いい
と思います。

脳血管障害が疑われたら、すぐに救急車で脳外科のある病院に行きましょう
何度も言いますが、少しでも後遺症を少なくするためには、スピードが
重要な因子となります。

それでは、実際の患者さんの目を見てもらいましょう。

意識障害者は、目を閉じているので瞼を開いてくださいね。

意識障害者は、瞼を閉じている(目をつむっている)事が多いので、
必ず瞼を開いて目を見てあげてください。違和感を感じたら、
脳の疾患で意識障害が生じています。😶‍🌫️
両側の目が左なら左、右なら右に寄ることを共同偏視と言います。
この場合、睨んでいる側の脳に広範な異常が起きているあるいは、
起こりかかっている可能性があります。そして、多くの場合
反対側の上下肢に麻痺が出ています。

右をにらんでいれば、左上下肢麻痺。左をにらんでいれば、
右上下肢麻痺です。

共同偏視の場合、特に緊急性を要しますから、ご注意くださいね。😶‍🌫️

違和感を感じていますか?

瞳孔不同(左右の瞳孔、黒い瞳の大きさに差がある)や
瞳孔散大(瞳孔が3mm以上の大きさがある)などは、わかりにくいかも
しれません。とにかく違和感です。👨‍🎓

最近は、白内障手術をした高齢者は、瞳孔の形が変形したり、大きくなって
いることもあり、私たちオタクでもだまされることがあります。
だから、瞳孔の異常が常に脳の異常を示しているわけではありません。

でも、意識障害者の目を見ると言う事をして頂ければ、違和感を
感じることにより、脳の疾患も見つかりやすくなると思うのです。😶‍🌫️

今のように診断機器が少なかった時代に、脳疾患を疑う根拠として
目を見ていたと思います。だから、診断機器のない状態で、
意識障害者の脳疾患を疑うには、目を見るしかないのです。😤

楽しんでもらえたでしょうか?これからも、おもしろくもない
脳の疾患を出来るだけおもしろく発信していきたいと思います。
(まじめな事をまじめに言っても何も面白みがないと思いますから、
笑いながら、勉強できるnoteにしたいと思います。

                   よろしくね。😁

最後に、このnoteの知識でたったひとりの患者さんでも
救われることがあれば、私は、幸せです。

                  ありがとう。😁

※このnoteを読んで、患者さんや病気に対してバカにしているような
印象を持たれた方がいらしたら、ごめんなさい。
私の目的は、楽しく脳疾患の病気を一般の人たちに学んで頂きたいと
言う事であり、決して患者さんや病気にふざけているものではありません。









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