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外資系企業と内資系企業w

「就活基礎知識」として採用のプロが解説します。

タイトルの外資系企業と内資系企業wについてですが、なぜ内資系企業の最後にだけ草が生えているかと言うと「人材業界特有の用語」だそうで一般的に使われないからです。この場で登場させたのは対比のためとご理解ください。

さて今回は特に外資系企業について学びます。最も効率的な就活の進め方<理論編②>で触れたように、「外資くんを検討するかどうか」は重要です。

外資くんのブランド力

私には毎年数千人単位で就活生との接点があるのですが、

・外資コンサル
マッキンゼー、BCG、アクセンチュア、デロイトトーマツ、PwCなど
・外資金融
ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、シティグループなど

の就職人気は高学歴層を中心に常に高く、近年はそこに

・外資IT
Google、Amazon、Facebook、Appleなど

が加わり確固たるポジションを築いています。
就活生向け情報サイトにも外資というキーワードを冠するものがあるくらい影響力の強い単語です。

私が採用の世界に入って10年、学生時代から数えると約20年経つものの、この間外資くんのブランド力はほとんど色褪せず高い評価のままです。

一方で就活の世界では過大評価されているように感じられることが多いのも事実です。特にインターネット上では外資くんを褒め称えるコンテンツが大勢を占めていますが、この場ではそのバイアスをいくつか補整するような話をしましょう。

断っておきたいのですが、外資くんを貶めたいわけではなく内資くん同様に就職先として一長一短あることを理解すべきとご理解ください。

外資系企業への誤った期待

私が直接関わった就活生に外資系企業のイメージをヒアリングすると、毎年似たような答えが返ってきます。具体的にいくつか挙げてみましょう。

・優秀な先輩/同期が多そう

・グローバルに働けそう

・仕事にスピード感を感じられそう

・給与が高そう、出世が早そう

・成長ができそう

このように素晴らしいイメージを持たれています。

しかし、本当にそうでしょうか?

【検証】優秀な先輩や同期が多そう

いまだに内資くんと比べて外資くんの方が採用活動が早いため、優秀な人材が外資系企業に集まっていると錯覚する就活生が後を絶ちません。

結論をさらっと言ってしまいましたが、外資くんに限らず優秀な人材はどこにでも一定数います。なのでこれは錯覚です。もしも本当に外資くんにだけ優秀な人材が集中しているなら、日本市場はもっと極端に外資くんに支配されているでしょう。

絵を使ってもう少し説明します。

図9

このように外資くんは内資くんに対して戦略的に新卒採用活動を先行させています。理由は単純で日本企業と同じ条件で採用活動をすると分が悪かったためです。なぜ分が悪かったのかというと、外資くんにとって日本市場はアウェーであり圧倒的な認知度/信用度の差があったためです。

母国では成功を収めた外資くんでも、日本の市場に飛び込む時は新参者ですよね。新参者が常連客(内資くん)贔屓の日本市場で優秀な人材を獲得するのは容易ではありません

そこで当時の新卒採用担当者は

・労働条件面を魅力的にする
※例えば給与水準を全体的に高く設定する、昇進スピードを速くするなど

・採用活動を常連客のいない閑散期に行う
※常連客が去った後に活動しても優秀な人材は残っていないので必然的に先に実施することになる

などの作戦を立て実行に移しました。

毎年、日本の就活生の中で早期に動き出す人は、そのタイミングで窓口の開いている外資くんから接触することになります。そして外資くんとの接点(なんらかの採用イベント:説明会とかインターンシップとか)で出会った早期に動き出す人同士がお互いを優秀に感じて「ここは同期に期待できそうだな」と錯覚する訳です。お互いがその後そこへ入社したかどうかは度外視として…。

【検証】グローバルに働けそう

日本の就活生が門を叩く外資くんは海外の大手企業が日本の市場に進出している支社です。つまり経営の重要な意思決定を司る本社は海外にあるわけで、日本支社の役割はその企業の製品/サービスを日本人や日本の企業へ普及させること、必然的に入社後に相対するのは「日本人」になります。

私の友人に外資系企業の日本支社に新卒で入社し、その後海外本社へ抜擢された人物がいますが、彼曰くそのような事例はやはり極めて珍しいことだそうです。

私はグローバルに働くなら海外進出に積極的な日本企業の方が良いとさえ思います。日本企業の大手メーカーに就職した私の大学時代の友人たちはほとんどが海外で外国の方を相手に働いています。


あっという間に2000文字を超えてしまいました、今回はここまでにします。外資系企業の定義などについてはここでは触れませんでしたが、興味がある方は別サイトで是非情報収集してみてくださいね。

次回は内資くんについて学びましょう。

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