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就活の軸

「就活の基礎用語」について採用のプロが解説します。

今回は“就活の軸”について。
就活は軸にはじまり軸に終わると言っても過言ではありません

就活生にとって世の中に存在する膨大な企業の中から、自分にピッタリの就職先を探すために必要な軸。
ほぼすべての面接の場で志望動機を聞かれた際に用いることになる軸。
ベテランのキャリアカウンセラーでも「軸って一体何なんですか?」という就活生の無垢な質問にはうまく答えられず怯える概念、軸。

解説してみましょう。

軸とは何か、なぜ必要か

軸とは基準です。

あなたが最終的に新卒として就職する企業はたった1つですが、国内には約285万社もの企業が存在しています。

現実としては、学生生活の中で頑張って頑張って時間を捻出したとしても100社も検討できません(全体のたった0.0035%未満)。

言い換えれば、就活の最初の関門は
膨大な選択肢の中から自身が検討すべき0.0035%の企業を見出すこと
になり、0.0035%の企業を見出すために軸(基準)が必要になります。

人材業界最大手RECRUIT社が提供する就活ナビサイトリクナビで考えても
リクナビ掲載企業数:約3万社
自身が検討可能な企業数:約100社(全体の0.33%)
になり、この関門を乗り越えることがいかに大変かが理解できますよね。

世の中にはリクナビ以外にも就活ナビサイトが乱立していて、「ナビサイト選び」から始めなければならないことを考えると、ほとんどの就活生がこの段階で心が折れることも納得できます。

社会人としての経験がないままに、どうやって見知らぬ企業を評価するを作れば良いのでしょうか。

軸が軸である所以

軸とは基準であると言いましたが、世の中には“就活の軸もどき”が大量発生しています。

例えば毎年就活生が群がる代表的なこのキーワードで検証してみましょう。
自己成長環境
あなたはこのキーワードが軸として相応しいと思いますか?

答えは“相応しくない”です。

なぜか。
それはこのキーワードが“基準として機能しない”からです。

就活生にとって自己成長環境であるか否かが気になるという点は理解できるものの、“成長環境か否かをどの要素によって判断しているか”まで言語化できていなければ基準になりませんよね。

就活の軸を設定する際の基本として、“その軸(基準)によって、それを満たす企業とそうでない企業がはっきりと白黒つけて分けられる”ことを忘れないでください。

図11

軸は複数扱う

企業選びの際に就活の軸は複数設定しましょう。

例えば上記の絵を見ると、ひとつの軸が円を真っ二つにしているので
285万社から対象が142.5万社になった
ことが分かります。

ちなみに軸を
IT業界
と設定すると約4万社まで対象が絞れます。

ここでお気づきだと思いますが
ひとつの軸だけではとても100社以下に絞ることができません。

なので目安としては最低3つ、就活の軸が必要になります。

図12

経験上3つでも100社まで絞り込むのはなかなか難しいと思います。
うまく絞り込めない場合は
① 軸そのものを厳しくする
② 新しい軸を追加する
という方法で対処しましょう。

就活の軸がなにものなのか、そしてなぜ必要なのか、理解してもらえましたか?しかし残念なことに、「自分が就職先を絞り込む上で使える軸」を探し出すことができても、「そのままでは面接の場で“志望動機”として使えない」ということが多々あります。

次回以降、それについても解説していきましょう。

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