今が旬!畑のレモン・カリフラワーのクリームグラタン
1万キロ離れた祖国ニッポンでは、「ブロッコリーが『指定野菜』*に指定された**」という知らせをみたんですけどね。
*なにそれ?
**頭痛が痛い系言い回し?
・・・ちょっと待って。白いほう、忘れられてません?
そう、彼女の名はカリフラワー。
ここフランスでの呼び名はchou-fleur:シューフルール。
直訳すると花キャベツ。花よ花。
ブロッコリーってばさ、何よ。ブロック?木こり?肩こり?
こちとらシューフルール。流れるような発音。なんと美しいじゃない?
しかも熱で損なわれるブロッコリーのビタミンと比較して、カリフラワーは熱に負けないビタミンを持ってるとな。
別称、畑のレモンですってよ🍋
わたくし、北フランス在住の自称カリフラワー地位向上委員。
もちろん緑緑しいブロッコリーも大好きなんだけれども、カリフラワーって姿かたちはブロッコリーとほぼ同じなのに、色が白いってだけでブロッコリーの影に隠れてしまっている感がどうにもこうにもいたたまれなくてね。
私自身、日本を離れてずいぶんと経つのでもしかしたらカリフラワーの地位は向上しているのかもしれないが(そう願ってやまない)、ここフランスではそれこそ指定野菜なみにメジャー野菜といえるのがこのカリフラワー。
夏を除いて大体の季節で入手できるけれども、旬は特に冬〜春先。
白く美しい冬の野菜、特に北フランスのマルシェで出会うものはわんぱくな咲きっぷりなので、ひとつ買うと冷蔵庫の野菜室が一瞬にして大占拠される。プラス、痛むのが早いので、フレッシュなうちに使いきってしまいたい心持ち。
ただ茹でて付け合わせにするもよし。ポタージュにするのも、野菜スープに加えるのもいいね。
中でも私が一番好きな食べ方のひとつが、クリームグラタン。
このグラタンの長所はというと、通常クリームグラタンって「マカロニorじゃがいも×こってりベシャメル×チーズがけ」でどうしてもカロリー爆弾になりがち。冬にはこれくらいのカロリーが必要なんじゃ!と言い聞かせて食べるわけだけど、このカリフラワーグラタンの場合、
・具はなんてったってオンリー・カリフラワー
・ソースはノンバター、ゆえにノンベシャメル
ということで、非常に軽いのです。ゆえに罪悪感ゼロ!
昨今、どうしても健康になりたい私にとって、最高の一皿といえよう。
何かでメモった巨匠ポール=ボキューズの家庭版レシピってのを、適当にアレンジしたりしてここ数年何度も作っているので、今日はこれを残しておこう。
1、カリフラワーをよく洗って小房に切り分ける。
2、全量が入るたっぷりの鍋に水を入れて沸騰させたらオリーブオイルをひと回ししてカリフラワーを全投入。10分茹でる。
3、カリフラワー入浴中に耐熱皿にバターをたっぷりと塗る。
4、クリームづくり。水溶き片栗粉と同じ要領で、コーンスターチに同量の水を加えて溶いておく。牛乳200ccを鍋で熱して、沸騰手前で火から外し水溶きコーンスターチを加えたら弱火にかけながら絶えずかき混ぜ、とろみがついてきたら生クリーム、シュレッドチーズ、塩胡椒ナツメグで軽く味付けしてフィニッシュ。
5、仕上げと焼き。バターを塗った耐熱容器にカリフラワーを敷き詰めて、クリームを流し入れたら、180度のオーブンで焼き色がつくまで焼いて完成。
オーブンで焼くこと約30分、表面に焦げ目が付いたら引き上げよう。
これだけで立派なメインに。
パンを添えてもいいけど、このグラタン、一瞬にしてかなりお腹が膨れますのでね。
ああうれしいな、今日も美味しくできた。
クリームなのに食べ疲れしないところがやっぱりいいし、栄養バランスもちゃんととれている(はず)となれば、これはすなわちとにかく健康モードのおうちごはんの最適解といえるのではないか。
罪悪感のない満腹感で満たされていたところで、私よりもずっと早く、あっという間に食べ終わってソファでくつろいでいたOtto氏。食後1時間でなんかお腹空いたなと言って甘いもの棚に手を出していたのはここだけのお話。
たしかに腹持ちはしないか…実に胃に素直に生きるヒトだなあと感心しながらケーキをカットするのであった。
バリエーション
カリフラワーの大きさとか用途によって分量を変えてもよろしい。
健康なあなたは、ワインのおともに。
メインが物足りなさそうな日は、付け合わせ用で。
味変したり、具を加えるのもあり。
カリフラワーはカレー味と非常に相性がよいと思っているので、クリームにカレー粉を加えるのもお気に入り。
ベーコンをソテーしたものをカリフラワーの上にのせて、カレークリームをかけたときも好評であった。
そんなわけで、熱を加えても栄養たっぷり、冬の畑の白いレモン・カリフラワーを、みなさまどうぞ今後ともご贔屓に。
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