咲いた咲いた、スペルト小麦の桜サブレ
「年をとると友達との話題がもっぱら『健康』になる」なんてよく言うけれど、最後に友人と話したのは3ヶ月前(!)という世捨て人ユイじょり、ひとりごちるのだってもっぱら健康のこと。
DNAに組み込まれた大酒飲みがアルコール断ちするとどうなるか。
禁断症状で、アルコール代わりの糖分補給=スイーツ消費率がとんでもないことになっていると先月も書いた。2人暮らしで平日はほぼひとりでバター500gが2週間もたないって、なんという世界線。でも口寂しいの。お願い許して。
甘いものだけじゃなくて野菜だって肉だってちゃんと食べてるし!と言い訳しつつ、せめてものあがきだ。お菓子作り、ヘルシーっぽい粉に変えてみようか?
そう思い立って、パン作りに使っているライ麦を引っ張り出したのが先月のこと。
グルテン大好きっ子だからグルテンフリーとか全く気にしていないけど、求ム・食物繊維族としては大いに気になるライ麦のいいところ。レシピは安心安全cottaより。
レシピの仕上げはチョコとピスタチオでおめかししているけど、田舎もんさね、素朴でもいいじゃんね。
これが、ぜんっぜん甘くないんだけれども!(気持ちほどの砂糖)
だから、はちみつとかヌテラとかこっそり付けちゃうわけだけれども!(本末転倒)
噛めば噛むほど香ばしく、プチプチ食感がたまらなくてねえ。
お茶のおともに、そしてキッチンを通りかかる度につまんだりしていたら、それはもうあっという間に消えた。
そして最後のひとサブレを噛み締めながら小目をつぶり、悟ったのだ。
そうだ、健康になりたいなら粉にこだわればいいじゃない。
いやそもそもスイーツ控えろよというツッコミが四方八方から飛んできそうだけど、大切なのは気持ちよ気持ち。
バターはちゃんと使ってるから脂質はアレだし、カロリーもアレなんだろうけど、粉はカラダにいい!と信じると、あら不思議!消えるんですね〜、罪悪感的なヤツらが(気付いてそれは幻)。
幸運にも、ここフランス。粉のラインナップってすごいんですよ。たかが小さな街のBIOスーパーでさえ、粉売り場のラインナップは目を見張るものがある。
ここで目をつけたのが、見覚えのあるépautreという単語。
スペシウム光線じゃなかったスペルト小麦。
この記事で使った穀物の粉バージョンである。穀物バージョンはスープに入れるなどして使い切ってしまった。
ビオ系のお店で必ず置いているスペルト氏、いいところたくさんじゃないの・・・ってことで、カルフールにも売っていたからサクッと仕入れ完了。
新しい粉を試すときはシンプルイズベスト。「バターと、砂糖だけのシンプルな配合で、スペルト小麦の良さが一番生かされるレシピ」ということで、またまたお世話になりますcotta様。
卵も牛乳も使わない、スペルト小麦・バター・グラニュー糖・塩のみでつくる本当にシンプルなレシピ。
バターと砂糖、塩をすり混ぜたら、スペルト小麦を加えてひたすら混ぜてまとめてくるっとまとめて冷凍庫へポンッ。
そういえば最近、タイムラインに流れてくるたび垂涎モノなのが、桜味のお菓子。辛党時代より、私は桜味とかいちご味とかピンクい菓子に全く目がないのである。桜味が限定で出回るこの季節に帰国できないのが悔やまれる。
そんな望郷の念を抱きつつ、味は桜味とはいかないが、見た目は寄せられるかな?今となっては遠い昔、ファンシーなエンゼルシフォンケーキを作ったときに買っていたローズシュガーを引っ張り出してきた。
桜型で型抜きして、側面にローズシュガーをくっつけるのはどうかな?
厚さは均等にできないが、型抜きはうまくできた。
この側面にローズシュガーを優しくくっつける。若干室温に戻ったところでまぶすとつきやすい。
焼き上げた後にアイシングをのり代わりにしてシュガーをくっつけるのでもいいかなと思ったけど、初回は粉の味を堪能することが優先だから余計なものを極力加えない作戦。焼く直前まで冷凍庫に入れておこう。
170度で20分焼くのだけど、香りからしてなんだか普通のと違う。より香ばしくて、なんだかナッツっぽい。
冷凍庫保存で焼きたいときにいつでも焼けるレシピだけど、食べ切れる自信しかないので全量焼き上げた結果・・・
咲いた咲いた スペルト小麦の桜🌸
見た目の素朴な可愛さにひとしきりわーきゃーしたら、期待しかない焼き上がりを、ひとくち。
これは・・・神様仏様アラン様!今後、サブレはスペルト小麦、使います!!!
と、宣言したくなる美味しさ。
とにかく香ばしさが突き抜けている。食感のザクほろ、ローズシュガーのガリっがアクセントで全てがパーフェクトに調和。
いやー、粉にこだわるのは正解だった。
食べたら健康に!・・・はなれないかもしれないけど、少なくとも幸せな気持ちにはなれる。他のガトーも、あとはパンも作ってみたい。
時は日曜午後のコーヒータイム。
ふたりでサブレを噛み締めながら、遠く日本の春に思いを馳せ、大事なひとたちが健康で穏やかに生きられますようにと願うのである。
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