「艶やかに派手やかに」執筆の裏側
私の小説「艶やかに派手やかに」は、ADHD(注意欠陥多動性障害)に気付かずに大人になった女性が成長し活躍する物語です。
これまでにもメディアに、発達障害を持ちながら活躍する人が登場することはありました。
ただ取り上げられるのは、「特別な天才」に偏りがちなところがありました。そもそも天才はめったに現れません。それに対して「才能のない当事者はどうするんだ」という反論があります。
私は、活躍している人は「特別な天才」ばかりではない、大多数の「普通の人々」の側(この二つの線引きも簡単なようで難しい)にもいるよ、と伝えます。
そこで私は後者、もっというと「普通に会いに行ける存在」のなかから、活躍する人を描くことにしました。
当事者なら、テレビの前で「特別な人の活躍」を目にして、そうなれない現実にうちひしがれることなく、日常にいる人々のなかから「あんなふうになりたい」と手の届く目標を見つける。そうなればと思っています。
地域のフィットネスクラブのインストラクターなら会いに行ける(入会費が必要ですが)。活躍しているところをじかに見ることができる。
この職業、誰でもなれるわけではないけれど、ほんの一握りの特別な人しかなれない、というわけでもない。「優れた変人枠」の職業です(褒め言葉)。
自分がフィットネスクラブに通う日常のなかで感じたことを作品にできる。それを見て「こういう人がいるクラブなら行ってみたい」と思える人が出てくるかもしれない。
そんな希望を持っています。
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小説「艶やかに派手やかに」
現代日本を舞台に発達障害のあるヒロインの成長を描いた小説。ヒロインは学校時代を経て就職後につまづき、発達障害の診断をされて再就職しますが、…
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