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セールスフォース日本法人への転職後の短期離職体験談、noteで読まれている

筆者がセールスフォースの調査報道を発信するようになった後、同社に転職したものの短期間で離職に至った人の体験談が、noteで読まれていることを知った。

無料部分は途中までだが、2022年5月30日に投稿されて以来、7月18日までに109のスキを集めている。

筆者「ふっき」氏は、外資系IT業界で10年以上の経験があり、外資系IT企業(GAFAMなど)への転職を勧める情報をnoteで発信している。

ふっき氏は、「セールスフォースは仕事が激務、キツい、という評判・口コミも多く、入社したものの仕事がつらかったり、社風が合わなかったりして退職してしまう人も少なくない。セールスフォースへ転職した人、今も働いている人を数多く知っているが、苦しんで辞めた人、後悔した人を何人も見てきた」「カルチャーとしてのクセの強さ、独特な営業マネジメント手法には確実に向き不向きがある」「内情を知らずに、なんとなく『外資ってカッコいい!』『オフィスや人がキラキラしている!』くらいのイメージで入社してしまうと、入ってから大変」と述べる。同社の歴史を全否定するのではなく、転職者への警鐘を鳴らす意味で投稿している。

ふっき氏は、同社の元社員3人から聞き取った体験談を紹介。いずれも営業職で転職した人で、数字に対する強いプレッシャーと長時間労働、上司のマイクロマネジメントで疲弊し、短期離職に至ったというエピソードが、具体性、迫真性をもって伝えられている。(購読した「中の人」は、「現在は、昔のような成長期が一段落し、量をこなすよりターゲット顧客を決めてじっくりアプローチする方針に変わってきている。訪問件数は多い人で80−100/月、平均は40−60/月」とコメント)

ふっき氏は、「個性より会社の型にはまることが良しとされるカルチャー、そしてカルチャー信仰の絶対的な強さはひっかかる」とまとめている。

元社員の上司の側からみればまた違った事実があった可能性もあるし、元社員側にも落ち度が全くなかったとはいえない可能性もある。しかし、(体験談が事実であれば)同社が外向けに発信してきた「フレキシブルで働きやすい」「定着重視」「サステナブル経営」とはかなり乖離した内容だ。

元社員の口コミをそのまま鵜吞みにすることが問題であるにしても、口コミを全て「元社員一方からの断片的な情報だから、真偽不明だ」と矮小化し、企業側からの意向に沿った公式発信しか信じず、成長企業の光の面しか見ないというのも、それはそれで偏った見方ではないか。キラキラした発信を信じて入社すると、大きなギャップがありえる。

日本のHRやSDGsの界隈は、実態を十分に精査することなく(精査するのにリソースを割けない)、企業側の発信内容を垂れ流し、絶賛ムード一色という印象を受ける。そうしたなか、思い切った投稿をしたふっき氏には感謝したい。

体験談は営業職で転職した人の体験談であり、営業以外の部門ではまた違った状況がある可能性もある。

なお、同社では営業職での障害者採用は行われていないもよう。関係者リンクトインによると、「障害者の職域開拓と配属は、営業を除く各部門で実施」。ただ、2021年10月に就労支援NPOが発信したインタビュー記事によると、バックオフィス部門で営業チームのためのデータ分析や資料作成など、営業チームが効率よくビジネスを進められるようサポートする担当についている障害社員もいるという。


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