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図書館で起きた悲劇。高2総合学習:プロジェクトイスラム(3)

この記事は二学期全体を使った「イスラムプロジェクト4日目」。前回の記事はこちらです。

図書館でキラーリーディング、楽しい〜

16の問いが生まれました。そこで、次の段階として何を調べるかを特にはっきり決めずに図書館でイスラム関係の本を見つけてその時自分が一番知りたいことを検索させようと考えました。

キラーリーディングです。検索すると昔の自分と出会えました。笑 ふざけてますね。

この読み方では、問いを念頭にざっと目を通すので、面白い発見があるに違いない!と勝手に盛り上がっていました。事前に図書館に出向き、30冊ほどの本にあたりをつけてもいました。料理本からルポタージュから百科事典まで色々あります。面白そう〜

生徒たちも普段とロケーションが変わってウキウキしています。図書館はあまり大きくないのですが、やはり本に囲まれるっていいですよね。

その時生徒の動きがピタリと止まった

普段賑やかすぎる自分のクラスですが、なんだか変な空気が流れます。こういうのを見取るというのでしょうか、彼らの体が発するエネルギーや動きがいつもと違うのです。

やってしまった。。。

恐る恐る、割となんでもマメに取り組む生徒に聞いてみました。
「今、なにちゅう?」様子をざっくり伺います。

先生、一言も何が書いてあるか理解できません。

彼女が手にしていたのは岩波新書。自分は高校時代好んで読んでいたので、何となく読めるものだと思っていました。これは皮肉でもなんでもないんです。英語を普段教えているので、英語が読めないとか、高校生なのにアルファベットが怪しいというのは感覚的にわかるのですが、日本語が分からないということを考えたことがなかったんです。こういうのを思慮が浅いというんでしょうね。

ある程度小説を読んだりしている生徒もいましたが、確かにブッククラブの時「丸々一冊読んだことがない」という生徒もいたのをすっかり忘れていました。

即、変更!

こういう時は雰囲気を察知した瞬間作戦変更です。と言っても、やはり本は読んで欲しいので、こちらを課題図書にしました。

世界宗教事典!古い本ですが、1項目7、8ページで宗教に関する歴史や思想、関連事項がまとまっています。早速生徒に伝えると、

それなら読んでみたい!

と乗り気でした。一人なら心が折れそうなのでペアで1項目ずつ読んで、理解したことをまとめ、発表してもらうことにしました。観察していると、じーっと一行一行読んで、ハイライトを引いて重要事項を確認して、分からないことをさらに調べて、とかなり緻密。高校時代の私は新書で世界史の重要事項を先にさらっと読む感じだったので、本に対する考え方や向き合い方が違うんだろうなあと思いました。いずれにせよ、一生懸命な彼らはすてき。

さいごに

授業はある程度デザインして計画して行きますが、大事なのは雰囲気を察することです。もちろん、滝場の修行も大事なときもありますが、生徒が学びたい!という気持ちを大事にしたいのです。私は授業に失敗はないと考えます。なぜなら、授業で失敗したとしても、そこから学びより良い形を生み出せばいいだけだから。学んだことで成長できるから。

この授業、次の発表でもまとめ方、Canvaの使い方が凄すぎて絶句でした。また明日お話ししますね!

オーガニックラーニングでは年間を通して様々な講座やワークショップをしています。いつかお会いできるのを楽しみにしています。


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