チケットノルマについて考え、改革する
私が主催しております、ダンサー×シンガーイベント花びらきでは、「長くエンタメを楽しみ続ける」ための仕組みづくりを模索しています。
初回から掲げているのが、「出演者-観客-運営」の三方よしです。
この三本柱が経済的・精神的にバランスを取れた良い状態を目指しています。
そもそも「バランスが取れていない」と感じている理由はどこにあるのでしょうか?
チケットノルマの歴史も見ながら、課題と花びらきで取り組みたいことをツラツラと綴ります。
ちなみに、ダンサー×シンガーイベント 花びらき vol.2(6月9日(日)開催)出演者募集中です
チケットノルマとは 〜メリット・デメリット〜
特にエンタメ業界では「チケットノルマ」というシステムが一般的に導入されています。チケットノルマとは、舞台やイベントの出演者(参加者)が、一定期間内に特定数のチケットを販売することを義務付けられるシステムです。基本的にチケット代を出演者(参加者)が事前に運営に払って、お客様が出演者から買うという流れです。現在は、日本のアイドル文化やインディーズシーン、アマチュアのダンスイベント、小劇場の演劇などで使用されています。
メリット
収入の保証: イベントや公演の主催者にとって事前に一定の収入を保証します。(赤字を回避できるということ)
宣伝効果: 出演者や関係者が自らチケット販売を促進することで、公演の宣伝効果が高まります。
モチベーションの向上: ノルマを達成することが目標となり、出演者や参加者のモチベーションを向上させる可能性があります。
デメリット
圧力とストレス: チケットノルマを達成する圧力は、出演者や参加者にとって大きなストレスになる可能性があります。また、出演者がチケット代を前もって負担することになるため、経済的なダメージを同時に受けます。
芸術性への影響: チケットノルマを達成することに重点を置くあまり、公演(作品)の質や内容が二の次になってしまう可能性があります。
不平等: すでに確立されたアーティストや人気のあるイベントはチケットノルマを容易に達成できる一方で、新人アーティストやマイナーなイベントは苦労することが多く、不平等を生じさせることがあります。
このチケットノルマ。「さあ!イベントをやろう!ライブをやろう!」となれば、息を吸うように出演条件に組み込まれるのが、常です。
チケットノルマの歴史
さて、良いところも悪いところもあるチケットノルマなのですが、そもそもいつからあるのでしょうか?
ChatGPTに聞いてみたところ、明確な文献や記録はほとんどなく、具体的な起源を特定するのは難しいみたいですが、パフォーマンスアートが商業的に実行され始めた近代以降、特に19世紀から20世紀にかけての演劇や音楽会の隆盛期に、形成されていったと考えられるとのこと。
ルネッサンス期など近代演劇が発展した頃のヨーロッパ。ブロードウェイや小劇場が発展した20世紀初頭のアメリカで、劇団やパフォーマンスグループが自己資金で公演を行う文化が根付き、チケットノルマが一般的な実践として確立された可能性があるらしい。
日本では、1970年代の小劇場運動と1980年代以降のインディーズ音楽シーンの発展と共に形成されたとのこと。小劇場運動では、実験的な演劇作品を上演するため、関わる劇団やアーティストが自ら資金調達のためチケット販売を担い、インディーズ音楽シーンの拡大と共に、ライブハウスも増え、出演者にチケット販売のノルマを課す制度が普及。このシステムは、リスク分散と新人アーティストの経験機会提供する機会になったと言われます。
実は日本だけでない、チケットノルマ。日本に根付いたのは40〜50年ですが、世界的に見れば200年以上前からあると!皆さんはこれを長いと感じますか?短いと感じますか?私の印象は「思ったより長え」でした。
長く続けていくためにはビジネスモデルを見直す
さてこうして生まれた文化は、初期の資金不足に直面した運営側が、必要な資金を確保するために出演者に対してチケットノルマや参加費を課すという現代の慣習へと発展しました。
やっぱり、運営側が資金不足に直面している場合、事前に収入を確保するために出演者にチケットノルマや参加費を課すことが1つの解決策として取られがちです。というより、それしかないと言っても過言ではありません。
このアプローチは短期的には運営側のリスクを軽減するかもしれませんが、出演者にツケが回ってきます。長期的には出演者の経済的な負担がかかり過ぎ、モチベーションを下げ、業界全体の発展を妨げる潜在的なリスクも持っています。
結局、身内で経済を回しても、業界は発展しません。
エンタメ業界で生活をしたいと日々奮闘する人も、出ていくお金が多いがゆえに「致し方なく関係のない仕事をする」生活をせざるを得ない経済状況に陥る実態があります。
どんな仕事も遠回しに糧になることは考えられますが、「このアルバイトしている時間に練習できたら…」と考えるパフォーマーは数知れず。自身のパフォーマンスやアートに集中する代わりに、チケット販売や生活費稼ぎに追われることになり、これが成長を阻害する可能性があります。
詰まるところ、お客様の満足度も下がってしまうわけです。
冒頭でも言ったように、花びらきでは「出演者-観客-運営」の三方よしを掲げてます。
花びらきは主催である私の「長く楽しく踊り続けてたいじゃん」というシンプルな気持ちから生まれました。
今まで述べてきたように、私たちはこの中で特に「出演者」の立場が(特に経済面で)弱いと考えています。
「出演者にとりあえず任せる」という風習に終止符を打ち、かつ、運営が潰れることなく収益が得られるビジネスモデルを模索し、観客の満足度を維持するシステムを構築していきます。
舞台に立ち続けよう(長文苦手な方はここだけでも読んで!)
イベントに出る!という理由は色々あると思いますが、「自己成長のため」「自己投資」という人が多いと思います。私もその一人です。
なので、ある程度「お金を掛ける」ということは念頭に置いていると思います。
私も、成長にはある程度投資することは大事だと思っている派です。むしろ投資していくべきと考えています。
とはいえ、投資は回収してナンボです。出費が重なりすぎていては、成長は途絶えてしまいます。
投資のリターンは「経験」や「コミュニティ」といった、目に見えないものもたくさんありますが、目にみえる「お金」で返ってくるのも立派なリターンです。自信にも繋がります。
花びらきは「公募型」のイベントであるため、参加費をいただいておりますが、お客様を呼んだ分、応援していただいた分だけ「チケットバック=お金」で対価を得ることができます。
お金とエンタメ。切っては切り離せない関係です。
ぜひ、お金の負担を少しでも減らしながら、なんならプラスになる可能性も秘めながら、エンタメ活動に身を投じて欲しいなと思います。
私たち、ダンサー×シンガーイベント 花びらきは、そんなあなたを全力でサポートする場所です。
現在出演者を募集中!エントリーお待ちしております!
※最後だけ読んだ方は、ぜひ頭に戻って最初から読んでみてください
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ダンサー×シンガーイベント 花びらき vol.2
6月9日(日)開催
出演者募集中
この記事が参加している募集
初単独主催イベント「花びらき」のサポートいただけますと幸いです。 いただいた支援金は全て運営資金(会場費, ロケハン費, 備品購入費、スタッフ謝礼)に使わせていただきます。 また支援額によっては出演者へのチケットバック費の引き上げも検討しております。よろしくお願いいたします💐