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最近思ったことをいくつか。

 最寄駅から家へ帰る途中、自転車置き場がある。自転車置き場の横を通った時、中学生か高校生の少年が自転車ドミノをしてしまっていた。あららと駆け寄り、最初に手をかけた自転車が電動自転車だった。それは想像以上に重く、私がその1台を起こした時には少年が他の3台を起こし終わっていた。
 これなら私が手伝わなかった方が早く片付いたかもしれないなぁと思った。

 自転車ドミノの少年は終始無口で、まあこの年頃の子ならそうだろうと私も思った。それでも少年は「すみません。ありがとうございます」と、私の去り際に小さく言った。
 この子はきっといい子なんだろうなぁと思った。

 電車に立って乗っている時、目の前の席が空いたので座った。すると、見た目や目印はなかったけれど、おそらく会話の内容から妊婦さんなんだろう人が目の前に立ったので席を譲った。譲った私が近くに居ると気まずいだろうと少し離れた位置に移動した。次の駅に到着すると、また目の前の席が空いたのでそこに座った。すると今度は杖をついたお年寄りが乗ってきたので、また席を譲って少し離れた位置へ移動した。
 なんだかピンボールみたいになってしまったなぁと少し恥ずかく思った。

 とても久々に夫さんとお休みが一緒になった。街中でやってるイベントや、前から気になっていた少し遠くのお店に連れて行ってもらうという案もあったけれど、「川の近くでウインナー焼いて食べたい」という私の5歳児のような要望で、そう遠くない川に連れて行ってもらった。
 休日ということもあり、トイレが近くにあるような地面の整ったエリアは芋洗い状態。もう少し上流に行こう。と、少し車を走らせ、ゴツい車の本領を発揮できるようなゴツゴツした場所へ行った。再び車に乗らなければトイレなんぞ行けないような足元の悪いエリア。流石に人はあまりいなかった。他人が見えない場所で椅子に座り、ちょっとした火を焚いてウインナーを焼いたり肉まんを蒸したりして食べた。
 うちの夫婦はそんなに会話が多くない。「カワセミがおるなぁ」や「あそこ、魚がはねた」など、全く大したことのない会話をいくつかする程度だった。
 戯れあってるのか喧嘩をしているのか、バサバサとつつき合いながら川面を滑るように低空飛行をするカワセミを見ながら、声高に都会好きと言い続けている私でも、結局田舎に心を癒されるんだなぁと思った。

「最近、職場で愛情の無い馬鹿にされ方をしていて、自尊心が傷付けられるようで辛いんだ」というカミングアウトを夫さんにした。すると「それは良くない。驚くほどの自己肯定が嫁の素晴らしいところなのに」と言われた。
 そういえば私は自己肯定の鬼だったなぁと、なんとなくスッキリした。変なスッキリの仕方だなぁと思った。

 仕事中、店頭に落とし物を見つけた。ライブハウスの演者側の入館パスのようなシールのようなものだった。日付とバンド名とライブハウスの名前。届けた方が良いのだろうかと調べてみると、その時にはもう開演している時間だった。そして仕事が終わる頃にはもう終演していそうだった。結局どうにもできず、全く知らない若いバンドだったけれど、私のスマホケースのポケットにずっと入ったままになっている。
 下北沢らしい落とし物だなぁと思った。


 朝起きて、バタバタと支度をして、家を出ると寒かった。
 あぁ、季節が変わったんだなぁと思った。


本日の一曲:誰そ彼/LOST IN TIME

あぁ、すきだぞ。

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