明日は絶対コロッケだ。それも普通のコロッケだ。

歳を重ねるにつれてあれこれと着飾ることを覚えていくかのように、やれスパイスだハーブだとあれこれ入れては悦に入るタイプのオサレ憧れ自炊を繰り返しているが
(なおスパイスやハーブを上手に使ったお料理というのは素晴らしくおしゃれかつ計算ずくで、あながち衣服を着る例えは悪くなかったなと思っている)

コロッケだけはそれをしない。
とことんベーシック、とことんスタンダード、とことんプレーン。それが私の思う最も美味なコロッケであり理想のコロッケなのだ。
(なんかまた服みたい。白シャツについての言及とか)

具体的には、出来れば男爵などどこでも手に入るジャガイモ、玉ねぎ、合挽肉、以上。皮ごと半分に切ったジャガイモを鍋でどかっと蒸してる間、玉ねぎと合挽肉を炒める。下味は塩胡椒ただそれだけ。
まだ蒸しあがらないので、玉ねぎが透明になったら一度フライパンの火を止めてキャベツを刻む工程に移る。コロッケの時のキャベツは細い細い千切りだ。無心で刻む。刻み終えたらボウルに冷水を張ってチャプンと漬ける。栄養が溶け出す？知らん。パリッとしたキャベツを貪る精神の健康を、今日は優先。
芋が蒸しあがったら取り出して箸でつっつけば皮はつるん！と向けるので、ボスボスと潰して炒めた挽肉玉ねぎを入れてこねる。さっさか楕円に丸めて小麦粉卵パン粉をつけて、サラダ油にドボン。こんがりきつね色になるまでちょっぴり我慢したら、ハイ完成。水を切ったキャベツと共に皿に乗せ、中濃ソースで召し上がれ。これが、私の思う「普通のコロッケ」だ。ホクホクのジャガイモ、パリパリのキャベツ、サクサクの衣がたまらない。
(あ、コロッケも衣着てた)

このようなコロッケを時々思い出しては作ってきたのだが、先日放送されていたアメトーーク『コロッケ芸人』回をTVerを彷徨った末に見たが最後、私は心を決めて誓いの言葉を口にした。

「明日は絶対コロッケだ。それも普通のコロッケだ。」

まさに太ゴシック体の如き咆哮。ちょっと語呂が良くてジワる。

ご覧になった方はこちらの読者様にいらっしゃいますでしょうか。そしてさらに、視聴後にコロッケを何らかの形で召し上がった方は？

まぁ読者様じゃなくてもアメトーーク見たあとコロッケにした方々絶対いらっしゃると思う。しかも少なくないはず。だってその日のスーパー、めっちゃコロッケフィーチャーしてたもん！ジャガイモも玉ねぎもめっちゃ目につくとこにあったし、冷凍食品もお惣菜もコロッケが全面に出てたもん！あれかな、気になってるとそれが目につく現象かな…とも思ったが、今日そのスーパーに行ったら先日コロッケが置いてあった冷凍コーナーに今日は冷凍うどんとかだったのでやはりそうだったに違いない。あるいは私が夢を見ていたかもしれないが、日常がコロッケに支配される夢は愉快なのでそれはそれでよしとする。

そうして作るに至った、いつもの、ふつうの、我が家のコロッケ。いつものように芋を蒸し、普通に肉と玉ねぎを炒めて、キャベツをトントントントンチャプン、芋ガフガフ肉玉ねぎぐるぐる、ペタペタまとめて衣をパスパスパス〜。

ここまでは良かった。

サラダ油を買い忘れてた。

ア　このままでは普通のコロッケではなく丸め肉じゃが〜衣付き〜になってしまうと焦りながら調味料の引き出しを開けるとそこには、、、

オリーブオイルが鎮座していた。
みんな大好きカルディのお手頃バージンオリーブオイルである。

ア〜〜〜油だけがイレギュラー！しかし背に腹は変えられぬと鍋にドボガボ注いで、せめて心づもりだけはいつも通りにコロッケを揚げた。

なんのその。普通に仕上がり、オリーブオイルの香りもそんなに感じず！大勝利！
今日も今日とて、ア〜〜なんて美味しいの！普通のコロッケ！とサクサクぺろりと食べ終わった。オリーブオイルありがとう。

コロッケ、大好き。