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相場は束の間の安定?それとも?

先週の米国市場では、数多くの相場変動要因がいったん出尽くしたような展開となりました。

端的に言うと、

・米地銀問題はまだどこかで火を噴く恐れがありますが、それがどのような形となるかは分からず、一方で足元では落ち着きつつあるようにも見えます(個人的にはこれで終わりではないと思いますが・・・)。

・米CPI(消費者物価指数)は市場予想を下回る結果となり、今までなら利上げ打ち止め観測で株高という見方が出てもおかしくなかったのですが、引き続きインフレ水準が高いこと、米ミシガン大消費者信頼感指数でインフレ期待が上昇したこと、などからインフレ見通しがはっきりせず、FRB(連邦準備理事会)は利上げをやめるのか継続するのかわからない、といった状況で米国株は揉み合い地合いが続きました。

・FOMC(連邦公開市場委員会)が終わり、米雇用統計も終わり、米CPIも終わり、注目企業の決算も概ね出揃ったことで、重要な経済・金融イベントはいったん出尽くしといった感じです。懸念はあるものの、目に見える悪材料がないということで相場は下げ渋っています。

市場は楽観的ですが、リスクはどちらにあるかというと下方向だと思っています。とは言え、下落を決定付ける材料が出てきていないことも確か。なので市場参加者は、インフレは低下、景気は軟着陸、利上げは終了し、米地銀問題は収まり、債務上限問題も無事合意に至る、といったハッピーシナリオを見に行っているのだと思われます(それでも足元のS&P500のPERは18倍とやや割高ですが)。

一方、日本では株式市場が堅調で、日経平均は年初来高値を更新し、2021年11月以来の高値を付けました。30,000円の大台は近くて遠い感じもありますが、かなり近づいてきました。日銀が金融政策の変更に慎重であること、米地銀問題のような不安要因がないことから、米国と比べて日本は相対的に投資環境が良いとみる海外投資家の買いが相場を押し上げているようです。円安ドル高も輸出関連銘柄の支援要因となっている模様。

先週挙げたタイ総選挙ですが、今のところ混乱はみられません。前進党とタイ貢献党の2党で下院の過半数を確保する見通しとなり、大きな前進となりましたが、前進党とタイ貢献党の連立交渉は難航が予想されること、首相指名選挙は下院議員500人に軍が任命した上院議員250人が加わるため、野党連合で首相を指名できるかわからないこと、など先行きには不透明性があります。なお、トルコでは大統領選挙が行われており、決選投票に向かうことが報じられています。

米国株は下げ渋り、日本株は堅調と、株式市場ではあまり米景気後退の可能性が懸念されていない感じです。この先、実際に景気が悪くなってくれば今の雰囲気が変わるということで、今は束の間の安定なのか、それとも市場は今後の景気動向をすでにしっかり織り込んで、その先の回復まで見に行っているのか。いくつかのシナリオを頭に描きながら資産形成を進めていきたいところです。

今週は、米国では小売売上高、鉱工業生産、住宅着工件数などに注目したり、米地銀動向、米小売業界決算などを見ていくことになります。中国では、小売売上高、鉱工業生産を見ておきたいところです。日本ではGDPの発表があります。米FRB関係では、金融政策と経済に関してはパウエルFRB議長とウィリアムズNY連銀総裁の発言を、銀行監督についてはバーFRB副議長の発言を、それぞれ追っていきたいと思います。

引き続き楽しく増やす資産形成をしていきましょう〜😊

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