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旅行の時何か食べたくなって

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旅が好きで、ぶらぶらしながらローカルフードにトライするのをなによりの楽しみにしています。基本的にひとつの旅先にひとつのメニュー、その旅先への思いとともに書いています。
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#おいしいお店

「八楽」の若鶏甘ず六三風@京都

「八楽」の若鶏甘ず六三風@京都

 7月最初の日曜日、京都南座の桂米朝一門会に、昨年に引き続き今年も出かけた。昨夏3年ぶりに復活した祇園祭の山鉾巡行が今年も近づいており、7月2日の日曜日には巡行の順位を決める「くじ取り式」が行われた。京都の街にコンチキチンの音色とともにはなやかな祭りの気分が満ち始めている。
 祭りの準備とともに圧倒的な勢いで増えているのが外国人観光客で、コロナ以前のレベルに戻りつつある。この時点で、中国メインラン

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「あしなや」のサンマーメン@鎌倉

「あしなや」のサンマーメン@鎌倉

 今回の鎌倉では同じお店で2日続けて昼ごはんを食べてしまった。鎌倉駅東口からすぐの「あしなや」で、前から行きたいと思っていた。町中華を好むことは何度か書いているが、ここもメニューにはラーメン、チャーハンやカレー、定食などがあり、町中華のカテゴリーに入るだろう。昭和11年創業だそうだが、店内は比較的新しくよく手入れされて清潔でうれしくなる。年配の客が多く女性1人できている人も多い。2日ともほぼ満席だ

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「ラッテリア ベベ カマクラ」のしらすピザ@鎌倉

「ラッテリア ベベ カマクラ」のしらすピザ@鎌倉

 61歳の春からまた仕事をすることになった。しかも月曜から金曜のフルタイムで、毎日出勤している。37年勤めた出版社を定年退職して、もう働かないという選択肢もあったし、一時はそのつもりであったが、すこしばかり経緯があって再就職をした。定年から4か月間の無職の時間があり、このコラムでも書いてきたように、けっこうな日数(合計21泊)の旅をしながらのんびり過ごしていた。環境の変化が大きく、新しい職場の新し

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「エムクオーティエ」中庭テラス席のサーモンパスタ@バンコク

「エムクオーティエ」中庭テラス席のサーモンパスタ@バンコク

 今年の1月バンコクに1週間の旅をした時のエピソードをひとつ。チャイナタウンが好きで各地で歩く話は前にも書いた。今回のバンコクでも旅行の後半に一度出かけた。アクセスは、タクシーで大渋滞を覚悟するか、MRTブルーラインのフアランポーン駅からけっこうな距離を歩くか、いずれにしてもやや難易度が高いものであった。それが2019年にブルーラインが延伸し、チャイナタウンの大通り、ヤワラート通りからすぐのところ

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WBC特別編★「テンダー」のドライマティーニ@銀座

WBC特別編★「テンダー」のドライマティーニ@銀座

 夢のようなゲームだった。2023年3月22日、マイアミで行われたWBCの決勝戦、栗山英樹監督は9回にDHを解除し、クローザーとして大谷翔平を起用、今大会の米国チームの主将、エンジェルスの同僚でもあり、大リーグを代表する強打者の1人マイク・トラウトを高速で強烈に曲がるスライダーで空振り三振にきってとった。3-2で日本の勝利、大会優勝となった。旅先で出会った味について書いているこのコラムだが、今回は

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「そば処 庄司屋」の板そば@山形

「そば処 庄司屋」の板そば@山形

 ウィンタースポーツにまったく縁がない。大学生のころ、同級生に誘われてスキー場に行ったところ、ただただ全身痛い思いをするばかりで、それ以来いっさい経験がない。冬場の旅行は東京の乾燥した寒さを逃れるため、南国リゾートなどのあたたかいところをおもな目的地としてきた。その結果、北国や冬山のまとまった雪というものをまったく見ていないことに気づいた。よし、どこか寒いところに行ってやろうと思うにいたった。
 

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「ヒルトン スクンビット」のパッタイ@バンコク

「ヒルトン スクンビット」のパッタイ@バンコク

 2020年の春から、まったく海外旅行ができなかった。もともと旅が趣味で、特に海外は出国する瞬間に感じるなんともいえない開放感がとても好きだ。思えばつらい3年間だったと思う。2023年1月現在、国内では行動制限はなく、海外は行き先国の事情もあるのだろうけれど、タイは自由に行き来できるようになっている。思いきって1週間の旅をした。
 スワンナプーム空港に夕方到着してまっすぐタクシーでバンコク市内に向

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「花山うどん」本店の分福茶釜の釜玉うどん@館林

「花山うどん」本店の分福茶釜の釜玉うどん@館林

 どうもうどんについて書く回数が多くて恐縮ですが、今回は関東の話。若いころからおもにゴルフが目的で、埼玉、栃木、群馬などには数えきれないほど出かけてきた。前後に一泊する場合もあり、自力でクルマでひとりうろうろするので、いつの間にかけっこう位置関係と街道沿いのお店情報なども認識するようになった。その方面出身の人と話していても、詳しいですねえといわれる始末である。
 一般的に麺類の好みについては、西の

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「浜長」の香箱ガニ@金沢

「浜長」の香箱ガニ@金沢

 2022年の年末から年明けにかけて、数日間を金沢で過ごしている。行動制限のない年末年始で、金沢はどこも多くの人出でにぎわっている。
 金沢に着いた夜、香林坊の繁華なエリアからすこしだけ離れた、片町2丁目の「浜長」に行った。カウンターと個室があり、アラカルトでも対応してくれる具合のいい和食店で、過去にも何度か利用している。小さな黒板にぎっしり手書きされたその日のメニューから、スタッフの女性と相談し

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「因幡うどん」のごぼう天うどん@博多

「因幡うどん」のごぼう天うどん@博多

 月曜から福岡で過ごして最終日の金曜、最後のランチは天神のまんなか、西鉄駅直結のソラリアステージの地下にある人気店「因幡うどん」に入った。博多のソウルフードともいわれるごぼう天うどんを注文する。今回すっかり博多のうどんが好きになった。透明感がありうす味ながら香り高いおだしと、そのだしの旨みがしみたやわらかめの麺。まったくもって好みの味で、これまで知らなかったのが残念なくらいだ。「因幡うどん」は、福

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「一平」のチャンポン@小倉

「一平」のチャンポン@小倉

福岡に滞在していた週の水曜日に、北九州市に出かけた。関東の住人の感覚で福岡市と北九州市は「隣り合っているのだろう」などと漠然と思っていたが、じつは博多、小倉間は新幹線で20分くらいかかる。行き帰りともこだまの自由席に乗った。なぜかすこしうれしくなる。
 北九州では、門司港と小倉の駅近くを歩いた。JRの在来線で便利に往復できる。門司港はレトロをコンセプトにブランディングをされていて、大正時代の姿に復

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「新三浦」の鶏の水だき@博多

「新三浦」の鶏の水だき@博多

 日本の国会議員の行動パターンを昔から「金帰火来」(きんきからい)などという。金曜日に選挙区である地元に帰って火曜日に東京に来る、という意味合いで、週末には地元での活動に勤しむことになる。このふだんの政治活動が、いざ選挙のときにモノをいうのだそうだ。現在の内閣のみなさんは、どうもこの地元の活動でなにやら説明しにくいことをやってらっしゃるかたが何人かいらっしゃったようだが、いまはその話はおく。
 会

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「丸吉食堂」の海鮮丼@戸田漁港

「丸吉食堂」の海鮮丼@戸田漁港

 11月に入って、ひさしぶりに伊豆の旅をした。晩秋と呼ぶにはまだだいぶ暖かくて、日中からだを動かすと、すこし汗ばむくらいで半袖になったりした。ちょっとしたごほうび旅行で、前にも書いた森トラストグループの「伊豆マリオットホテル修善寺」に数泊して、温泉を楽しんだ。修善寺とか湯ヶ島のあたりなど、東京からクルマで行くとかつてはけっこう遠く感じていたものだが、伊豆縦貫道の建設が進み、ずいぶんスムーズにアクセ

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「グリル一平」のスパゲティ・イタリアン@神戸

「グリル一平」のスパゲティ・イタリアン@神戸

 情報誌の編集者をやっていた2000年ころ、「洋食」はグルメページの定番テーマのひとつだった。銀座「煉瓦亭」のポークカツレツ、浅草「ヨシカミ」のビーフシチュー、日本橋「たいめいけん」のオムライスなど、人気店の名物メニューも多い。だいたいにおいてヘビーでカロリー高めだが、いまもときどき食べたくなる。
 神戸のことは前にも書いていて、チャイニーズやビストロなどリピートするお店もあるが、一般的にはステー

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