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元日の夕刻、突如、北陸地方を襲った「令和 6 年能登半島地震」。共通テスト本番に向けラストスパート態勢だった被災地の受験生たちは無事だったのか?そして、大学入試の実施に影響はあるのか?――最新情報を交えながら、震災に見舞われた受験生のみなさんをフォローしてまいります。

本番までわずか11日と16時間余り
という時に・・・

2024 年 1 月 1 日の夕刻に発生した「令和 6 年能登半島地震」――
まさに正月気分を吹き飛ばす大災害となりました。
能登半島、北陸地方における悲惨な状況が徐々に明らかになるにつれ、
その深刻さに驚き、沈痛さが増すばかりです。

一方、令和 6 年度大学入試の実質的な幕開けを告げる「大学入学共通テスト」は、今月の 13 日(土)・14 日(日)、2 日間をかけて全国一斉に行われることになっていました。

震災発生の時点から最初の科目の試験開始時刻までに残された時間はわずか11 日と 16 時間余り。まさに秒読み段階にさしかかったところでした。

共通テストを目前に控え、追い込みをかけていた被災地の受験生たちは、ご無事だったのでしょうか。そして今どうされていらっしゃるのでしょうか・・・とても心配なところです。

周りのご家族やご親戚、ご友人・・・そして住まわれている家屋や近隣、そして、水・電気・食料等のライフライン、交通などの寸断・・・
地震の被害は多方面に及んでいることが日々報道されるにつれ、心配が募ります。
勉学どころではない状況に追い込まれている受験生も少なくないはずです。
 

文科省&センターからの2つのメッセージ

そうしたなか、文部科学省は盛山大臣名で、大学入試センターは山口理事長名で、共通テストの実施についてのメッセージをいちはやく発表しました。

<文部科学省>
令和 6 年能登半島地震の影響を踏まえた大学入学共通テストの実施について(大臣メッセージ)

<大学入試センター>
令和 6 年能登半島地震に関する独立行政法人大学入試センター
理事長メッセージ

 2 つのメッセージのポイントをまとめると、

①  現在、1月13日(土)、14日(日)の大学入学共通テストの本試験は予定通り実施するが、個別の試験会場の状況について、現在確認を進めて
いる。

②  このたびの地震の影響により、共通テストの本試験を受験できない受験 生は、27日(土)、28日(日)の追試験を受験可能とする特例措置を講じる。

③ 被災した受験生が受験しやすいよう、被災地の大学等と連携し、追試験会場を設置する予定。

④ 今後、試験の実施に関する情報、追受験申請方法など具体的な情報は文科省、大学入試センターのホームページ等から発信する。

ポイント①では、共通テストは予定通り実施する、との方針を明らかにしています。
この趣旨は、全国一斉試験であるゆえ、北陸地方では大きな被害が出ているものの、日程を変更することはない、との意思表明となります。

大学受験は、受験生一人ひとりの人生を左右する大事な通過点でもあります。
特に共通テストは大学入試の中心軸といってもよい重要な試験ですので、文科省や大学入試センターとしてはなんとしても実施する、という決意の表れ、と言えるでしょう。
この点は、被災地の受験生であっても、納得できることだと思います。

さらにメッセージには、個別の試験会場の確認を進めている、とあります。
個別の試験会場を具体的にみてみると、一番被害が甚大な石川県には会場が以下の 7 大学 8 会場設けられる予定です。

○ 金沢大学(角間キャンパス試験会場、保健学類試験会場)
○ 公立小松大学
○石川県立看護大学
○石川県立大学
○金沢星稜大学
○金沢工業大学
○金沢学院大学

5 日 14 時現在、各大学のHPを確認すると、多くが「被災状況や状況を確認中」としていますが、いずれも共通テスト実施の可否についての言及はありません。

しかし、いずれの試験会場も県の中南部に位置し、震源地より比較的遠隔にあるからでしょうか、キャンパスや校舎において大きな被害・損傷等があったことは特段報告されていません。

もちろん今後の余震等のことを考えると現段階で簡単に予断することはできませんが、石川県内の共通テストの本試験は予定通り実施できるものと思われます。

 能登半島の受験生は移動できるのか

むしろ問題は、被害の大きかった能登半島在住の受験生が、道路が寸断され公共交通機関がマヒしているという困難な状況のなかで、いかにして試験会場へ移動できるか、ということでしょう。

被災地の受験生のなかには、孤立した地域にお住いの方もいらっしゃるかもしれません。そうした場合、県中南部の試験会場に向かうのは不可能か、大きな苦労が伴うものと思われます。

もっと申し上げれば、その後の各大学が行う個別試験の際には、受験生は原則全国各地の試験会場に赴く必要があり、その時点で公共交通手段が回復していなければ、こちらも大きな支障となるはずです。
 
一日も早い道路や公共交通機関の復旧が待たれるところです。

年内入試にシフトでも、共通テストは入試の中心軸

ここで大学入学共通テストについて若干補足をしておきたいと思います。

昨今、大学入試は、総合型選抜や学校推薦型選抜などの特別選抜、いわゆる年内入試の方に大きくシフトし、その募集人員の比率は大学全体の 50 %を超えるまで拡大しているのです。

一方、昔ながらの入試、つまりペーパー試験中心の一般選抜は、劣勢に立たされていて、メインの募集枠の座を特別選抜に譲ってしまっているというのが現状です。私立大学に至っては、2023 年度大学入学者選抜全体で 40 %を下回る状況になってしまいました。

そのようななか、大学入学共通テストは、一般選抜の旗色が悪いなか、いまだに大学入試の大黒柱とも言ってもおかしくない存在感を示しているのです。

まもなく実施される令和 6 年度共通テストでは、全国の高校 3 年生(この春の卒業見込者)  927,214 人のうち約 45.2 %の 419,533 人が出願しています。実は、昨年度よりも若干ではありますがその比率はアップしているのです
( 2023 年度は 45.0 %)。

こと石川県は、全国平均を上回る 50.3 %の高校 3 年生が出願しており、 2 人に 1 人以上は共通テストを受験する計算です。

自然災害とはいえ、あまりにも無慈悲・・・

その重要な大学入学共通テストが、間もなく始まろうという時に起きた震災でしたから、被災地の受験生たちはさぞかしショックを受けたことでしょう。

本番まで残り 10 日余りの時期というと、通常、受験生たちは過去問の徹底演習を重ね、高得点目指して総仕上げに余念のない段階です。
周りのお正月で浮かれた気分を振り払いながら、世間の誘惑に負けず、必死に頑張っていたことでしょう。

ところが、大地震は、そのように頑張っていた被災地の受験生たちに襲い掛かったわけです。
もちろん受験生ご自身だけでなく、まわりの家族や住んでいる家屋などが被災してしまうと、受験勉強どころではなくなってしまいますね。
大学入試は、いわば全国の受験生との競い合いとも言えるわけで、闘志を燃やし頑張っていた受験生の心が萎えてしまわないか、とても心配になります。
自然現象とは言え、あまりにも無慈悲な話です。

被災地の受験生は追試験受験を可能に

国の方では、おそらくそうした被災地の受験生たちにできるだけ寄り添いたい、との思いから、ポイントの②と③の方針が初めてだされたのでしょう。
 
②の追試験については、新型コロナウイルスの流行前は本試験の 1 週間後に行われていましたが、コロナが流行ってからは罹患した受験生が回復してから受けられるよう2週間後に繰り下げられました。新型コロナウイルス感染症が 5 類に移行したのちも、追試験の日程は本試験の 2 週間後を継続しています。

追試験を受験できる受験生は通常、

 ○  インフルエンザ・ノロウイルス・新型コロナ
 ウイルス・風邪等の疾病罹患者か負傷によって
 受験できない者
 ○ 試験場に向かう途中の事故により受験できな
 い者
 ○その他、両親の危篤・死亡や自宅の火災等
 やむを得ない事由で受験できない者

となっています。
 

今回は、令和6年能登半島地震の被災受験生に救いの手を差し伸べるべく、追試験受験を特別に認めることにしたのです。
 
ですので、被災によって明らかに試験当日に受験が難しい場合は、躊躇なく追試験の選択ができるようになったのです。
 

被災地に追試験会場を追加設置!

更にポイント③は、追試験会場が被災地区の大学と連携して追加で設けられる、とのことです。

共通テストの追試験会場は、新型コロナウイルスが 5 類に移行したあと、以前と同じ東京と京都の 2 会場体制に戻る予定でした。

ところが、今回は特別に被災地区に設けるとのこと。
被災地の受験生にとっては朗報です!

具体的な試験会場がどこに、何ヵ所設けられるかはまだ不明ですが、公共交通手段が復旧していない地区にお住いの受験生にとっては、非常にありがたい措置でしょう。

以上、今回は、いち早く発信された共通テストに関する文科省と大学入試センターの対応を見てまいりましたが、今後、新たな情報や動きがまだまだ出てくるものと思われます。それらについては次回以降、お伝えしていきたいと思います。

志望校への夢を捨てずに

悲惨な状況に追い込まれ、絶望感に打ちひしがれていた受験生も少なからずいらっしゃるかもしれません。
また、他の受験生との競争でもある大学入試で、自分たちだけが不利な状況に追い込まれ、焦燥感に苛まれていた被災地の受験生もいらっしゃることでしょう。

しかし、国や大学による新たな対応策や支援策も徐々に出てくるものと予想されます。

今はとても辛いかもしれませんが、何とかご自身が抱かれていた志望校への夢を捨てずに、前を向いて頑張ってもらいたいものです。


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