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梅雨に聞きたい曲:映画「思い出のマーニー」の主題歌"Fine On The Outside"(外側にいても大丈夫)

私は東京に住んでいますが、本島の多くは梅雨に入りましたね。子供の頃は、長靴を履いて水溜りの中にバシャバシャ入って遊んだり、水面をスイーッと移動するアメンボをずっと眺めていたり、傘をささずに口を大きく開けて空から降ってくる水を飲んだりして、梅雨の時期を楽しんでいたように思います。

その後、大人になってからは、髪の毛が広がるからとか、ジメジメしていて心地悪いとか、靴や服が濡れるから、などの理由で梅雨の時期が嫌いになりました。

更にその後、多少人生経験も積んだ現在は、梅雨の時期がまた好きになりました。雨の音がとても心地よく、目を瞑って聞いていると、深ーく、静かな海の底にいるような気持ちになって、とても癒されます。
子供の頃のように、外で雨と遊ぶような楽しみ方ではないけれど、今の雨との付き合い方も結構楽しんでいます。

そして、なぜか毎年この時期に思い出す曲があります。
映画「思い出のマーニー」の主題歌”Fine On The Outside"(外側にいても大丈夫)。
メロディも歌詞も雨の日に似合う曲だなと思うので、ご紹介しますね。


まずは、動画をどうぞ。



動画の中にもありますが、日本語訳の歌詞はこちら。

Fine On The Outside
小さい頃からずっと 友達は少ないほう
だから平気でいられるようになったの
ひとりでも ひとりでも

これからも外側にいたっていいの
学校ではひとりで食べるのが好き
いつもそう ずっといると思う
ここに ここに

これからも外側にいたっていいの
夜更けに何時間も 自分の部屋で座って月を眺め
誰が私の名前を知っているか思いをめぐらす
もし私が死んだら 泣いてくれる?
私の顔を覚えていてくれる?

ある日 家を出たの
荷物をまとめて 自分の過去から遠く離れて
笑う 笑う

だから外側にいても大丈夫な気がする

ときに迷い ときにわからなくなって
ときに ぜんぜん大丈夫じゃなくなって
泣いてしまう 泣いてしまう 泣いてしまう

夜更けに何時間も 自分の部屋で座って月を眺め
誰が私の名前を知っているか思いをめぐらす
もし私が死んだら 泣いてくれる?
私の顔を覚えていてくれる?


思い出のマーニーの主題歌ということもあって、10歳くらいの女の子の気持ちを歌っている印象があります。

その子は、お友達とワイワイ集まって何かやるというよりも、本が好きで休憩時間やお昼はいつもひとりでいる子。自分の気持ちを表現することは苦手で、口数が少ないから何を考えているのかわからない、と言われてしまう。でも、本を通してたくさんの世界を知っているし、想像力も豊か。それから、冷静に客観的にこの世界を見る目があって、世界の不思議にまっすぐに向き合って、何でだろう?という思いをいつも追いかけている。凛とした大人っぽい雰囲気をまとっている不思議な魅力がある女の子。

もしこの子に会ったとしたら、そのまっすぐで純粋な瞳に目を奪われると同時に、怖くて目をそらしてしまうかもしれないな、と思うくらいキレイな強さを持った子、というイメージでしょうか。

この歌は、「大丈夫」じゃないその子の気持ちを表現している、切なくも美しい曲だなと感じます。ですが、孤独を恐れず、寂しさを受け入れて十分に感じとる、といった自分に向き合う作業を丁寧にしている人には、真の強さと美しさと個性的な魅力を感じます。そして、私はそんな人が好きです。


私の子供時代は、友達と一緒にいることが多く、ひとりでいるタイプではなかったです。本当は、ひとりでいることが怖かったこともあるし、人にどう思われるか気にする部分もあったので、休み時間にひとりで本を読んでいる子には、実は憧れの気持ちがあったように思います。そんな自分の思いもあって、この曲に惹かれるのかもしれません。


女の子の気持ちを丁寧に歌ったこの曲は、この子の涙と雨が重なったイメージとして思い出されるのと、メロディも合わせてこの世界観がとても雨の日に似合うな、と思います。ゆっくりと自分を見つめるにはもってこいのBGMだと思うので、よかったら、雨の日に聞いてみてくださいね。


「思い出のマーニー」も素敵な映画ですよね。


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