見出し画像

娘を"my daughter"と呼んだら逮捕、女生徒を"she"と言ったらセクハラ処分:ジェンダー代名詞問題


ジェンダー代名詞(プロナウン)


最近は日本のLGBT活動家やアライ(味方、支援者の意)も欧米式に倣ってプロフィールやeメールに記載することが増えた、「代名詞(pronoun=プロナウン)」。

男女を表す「彼・彼女」すなわちhesheという既存の代名詞に固執せず、個人のジェンダー表現に合わせた代名詞を使って欲しい——というのが当事者の主張だ。


例えば、女性を自認しているトランスジェンダー女性(生物学的男性)にとって、第三者が自身のことを「彼が…」と男性性を表す代名詞で呼んでいるのは、自分の性別違和や性的マイノリティとして生きてきたスティグマを刺激されるようでつらい、という。

あるいは、ノンバイナリやクィアを自認する人間にとって「彼」や「彼女」という男女の区別は当人のジェンダーを反映するものではなく、どちらも内包した「彼ら(they)」を用いることでその流動的なジェンダーを尊重して欲しい、というケースもある。


例を挙げると、まずは宇多田ヒカル氏;

ここから先は

9,757字 / 7画像
この記事のみ ¥ 300

この記事が参加している募集

多様性を考える

記事を読んでいただきありがとうございます。サポートや感想が執筆のモチベーションになっております。またお気に入りの記事をSNSでシェアして下されば幸いです。