【書評】岡本隆司『教養としての中国史の読み方』 物知り博士と専門家

岡本隆司『教養としての中国史の読み方』PHPエディターズ・グループ 2020年10月1日

中国古典を読むのに中国史は知っておきたいと思い、買ってみました。
読みやすい文体(ですます調)で、また思想の話もされており、そんなに詳しくない私にとってとても役に立つ本でした。

本文の内容はさることながら、私の心に響いたのは「おわりに」に書かれていた次の言葉です。

「おわりに」より 教養と専門について

「教養のない専門ではタダのオタク、専門のない教養ではタダの物知り。」 (353頁)

私は博物館に学芸員としても働いておりまして、そこの館長から初任のとき次のことを教えていただきました。

物知り博士にはなるな。学芸員は覚えることが大事なのではない。
歴史を学ぶときは、どうしてそのような結果になったかなど、「なぜ?」を持って考察しないといけない。

館長から教えて頂いたことと、著者の岡本氏の言葉はともに同じことを言われているのだと思います。

教養…広く世間を知り知識を持つ。
専門…深く深く掘り下げていく。

この2つを取り合わせていくことが大切なのだと思います。まさに「中庸」の精神です。

まぁ、まずは知識がないとね!

本を読もう。

教養としての「中国史」の読み方 https://www.amazon.co.jp/dp/4569847226/ref=cm_sw_r_u_apa_i_FrTLFbTSKJTR3

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