見出し画像

関西人のミステリーファンにおすすめ!📕黒崎緑『しゃべくり探偵』。おもろいでぇ〜。

「東淀川大学」(関西大学がモデル?)の学生、ボケ・ホームズこと保住純一とツッコミ・ワトソンこと和戸晋平の漫才のような会話の中で謎が提示され解決される、安楽椅子探偵ものである。

サブタイトルにもあるように、アーサー・コナン・ドイルシャーロック・ホームズシリーズから想を得た登場人物が多数出てくる(そのため、シャーロック・ホームズのパスティーシュとする向きもある)。

また、このシリーズの舞台・東淀川大学は、いしいひさいちの漫画「バイトくん」の舞台でもあり、バイトくん関連のネタもいくつかある。

主な元ネタは上記の二つだが、このほかにもいろいろな推理小説からきているギャグがある。

◆◇◆

主な登場人物

保住純一(ほずみ じゅんいち)

本シリーズの探偵役。東淀川大学雑学部の学生。端整な顔立ち・長身とルックスは良いのだが、奇矯な性格で、相手の言ったことに対してなにかギャグを言わなければ気が済まないらしい。ワトソン役の和戸とは、高校時代からの友人で、よく一緒に行動している。

人から聞いた奇妙な事件を頭だけで推理して解決する才能(自分とは関係のない出来事に首をつっこんで、あることないこと想像してダボラを吹いて適当に解決のオチをつける才能)がある。ロックバンド(もどき)をはじめたりなど音楽好きのようで、突然歌いだすというギャグも散見される。

和戸晋平(わと しんぺい)

本シリーズのワトソン役。東淀川大学文学部英文科の学生。東南アジア系の顔。保住には、生死を賭けの対象にされる、無断で労働力を賭けの賞品にされる、などしばしば迷惑をかけられているが愛想をつかす気配はない。しばしば事件に巻き込まれ、保住に相談を持ちかける。


4つの連作短編があり、最後の章で、すべての話がつながる、といった構成。

◆◇◆

作者の黒崎緑は、兵庫県生まれ。同志社大学文学部卒。
大学時代は推理小説研究会に所属。当時のメンバーには、同じく推理作家の有栖川有栖らがいる。夫であり推理作家の白峰良介も、当時の会員のひとりである。

大学卒業後、1989年に『ワイングラスは殺意に満ちて』で第7回サントリーミステリー大賞の読者賞を受賞し、デビュー。

その後の著作に、しゃべくりホームズこと保住純一と、つっこみワトソンこと和戸晋平が登場し、作品のほとんど全てが、二人の会話文で成り立つ「しゃべくり探偵シリーズ」がある。現在大阪府堺市在住で、以前は桃山台に住んで居た。

また、阪神タイガースファン、アメリカのプロレス団体WWEファンである。 自身のサイトではWWEレスラーの雑誌やTV等のインタビューの翻訳を独自に掲載も行っている。

◆◇◆

セリフはすべて「関西弁」。
織田作之助もビックリだ。

シャーロック・ホームズシリーズのパロディになっているが、他の推理作家の小ネタも入っている。

古い文庫本なので、新品は手に入りにくいが、アマゾンで、300円ぐらいで古本が手に入る。

実は、私、松竹シナリオ研究所時代(30年位前)に、プロデューサーに「ダウンタウン」主演で(いまになってはシャレにならないが)映画化するよう企画書を出したが、そのPが東北出身らしく、「関西弁?ダメだよ、そんなの」と相手にされなかった。くやしい思い出である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


#推理小説
#ミステリー
#日本のミステリー小説
#関西弁
#コメディ
#パロディ
#しゃべくり探偵
#黒崎緑
#同志社大学
#いしいひさいち




この記事が参加している募集

読書感想文

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。私の記事はすべてが「無料」です。売り物になるような文章はまだまだ書けません。できれば「スキ」をポチッとしていただければ、うれしゅうございます。あなたの明日に幸せあれ。