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市内RPG 50 メダルスライムの巣

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。

1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、レベルアップのために修行することに決めたのだ。

修行してくれたのは、僧侶カナのおじいさんのお兄さん。自画自賛の「天狗」だ。修行の場所は、子郡市の花盾山。ボート漕ぎと早口言葉だけが鍛えられた、、、。

そして、3日目にして、最終試練。試練のほこらの奥にある置物を持ってくること。

素早く動く「銅メダルスライム」を倒した。ボート漕ぎのおかげで、筋力アップしている。さらに、早口言葉のおかげで、前よりも呪文を素早く唱えられたり呼吸が整えられたりする。

目の前には「銀メダルスライム」。

銀メダルをかけている。ぐにゃぐにゃ動く。「銅メダルスライム」よりも素早く動くようだ。

でも、鍛えられたぼくらパーティーにとっては、敵ではなかった。

「ツメタ!」水の呪文を魔法使いヒラが唱えた。

「おりゃーー」戦士ヤスが、マもの星竿でなぎ払った。銀メダルスライムは壁にたたきつけられて動かなくなった。

「楽勝!」

次は「金メダルスライム」が現れた。

さらに素早い。

「アツッ!」勇者のぼくが火の呪文を唱えた。火の玉が金メダルスライムにヒットしたとき、恐ろしいことが起こった。

金メダルスライムが分裂したのだ。2体の金メダルスライム。

これはやばい、と思ったときは遅かった。

「ツメタ!」ヒラが水の呪文を唱えていたのだ。

もちろん、呪文がヒットした金メダルスライムが分裂した。これで3体になってしまった。

「呪文はだめよ」僧侶カナが叫んだ。

ぼくらは、金メダルスライムを呪文なしで何とかやっつけた。ヤスがマもの星竿を振り回し、ぼくが勇者のカッターで斬りつけ、カナが木魚で叩いて回った。魔法使いヒラは、見守っていた。

3体の金メダルスライムが動かなくなった。

「金メダルスライムは呪文で分裂するんだな」
戦士ヤスが言った。

「ぼくは、こいつ、苦手だな」
魔法使いヒラが言ったとき、またも金メダルスライムが現れた。

しかも、銀メダルスライムも一緒だ。

「ぼくは銀をねらうよ。ツメタ!」
ヒラは銀メダルスライムに向かって水の呪文を唱えた。

「金はまかせて!」僧侶カナが木魚を握りしめた。

「おいおい、こっちにもいるぞ」
戦士ヤスが右手の方を指さして言った。

そこには、金、銀、銅メダルスライムたちがうごめいていた。ここは、メダルスライムの巣だったのだ。


これまではこちら。

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