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市内RPG 49 メダルスライム

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。

1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、僧侶カナのおじいさんのお兄さん「天狗」に2泊3日の修行をしてもらった。ボート漕ぎと早口言葉だけだが、、、。

そして、いよいよ3日目。ぼくらは、試練のほこらに挑む。

ほこらの中に入ってすぐ、スライムに遭遇した。

頭に銅色のメダルをかけている。「銅メダルスライム」だ。

「なんだ、スライムか。ほら」
戦士ヤスが、マもの星竿でつついた。

ぐにょぐにょ動いていた銅メダルスライムが、一瞬で見えなくなった。

「こいつ、はやい!?」

銅メダルスライムが、ぼくにぶつかってきた。

「油断しないで。ここは試練のほこらよ」

そうだった。試練なのだから、やさしいわけがないのだ。

銅メダルスライムは、ぐにょぐにょ動いている。

「本気出すぜ」戦士ヤスが身構えた。

「ほら」ヤスは踏み込んで、右からなぎ払った。今度は、ヒットした。

「ツメタ」魔法使いヒラも水の呪文を唱えた。

同時に、ぼくも、火の呪文「アツッ」を唱えていた。

銅メダルスライムは、動かなくなった。

「・・・・自然に魔法が出る!?」

ヒラも驚いていた。意識して唱えなければいけなかった呪文が、すうっと出るのだ。これが、天狗の修行の成果か。早口言葉とボート漕ぎの成果がこれだったのだ。

後ろから天狗の声がした。
「もっと奥に進めーー。メダルスライムで経験値を稼げるぞーーー。強くなれるぞーーー。どんどん倒して、置物を持ち帰れーーー」

その声に勇気づけられて、ぼくらは奥に進む。

すると、今度は「銀メダルスライム」が現れた。


これまでは、こちら。

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