四隅

どこかで聞いたようなこわいはなし、都市伝説を創作キャラに語らせるだけ。

四隅

どこかで聞いたようなこわいはなし、都市伝説を創作キャラに語らせるだけ。

最近の記事

四話目:御護守漆師

どこからか香ばしい甘い匂いがする。 風に乗ってやってきたのだろうか、一人がパタリと窓を閉めた。 ゆっくりとした足取りで人の輪の中に戻った彼はコップを持ち上げる。 「じゃぁ、俺もひとつ話そうかな」 四話目・御護守漆師:着信相手 友達から聞いた話なんだけど、嘘か本当かはわからないな。 そもそも飲みの席でのことだったからお酒も入ってるし・・まぁ、気楽に聞いてよ。 その友達っていうのが女の子なんだけど、彼氏作ってデートとかより友達で集まってワイワイお酒飲む方が好き、っていう

    • 三話目:百地千弥音

      遠くにサイレンの音が響く。パトカーだろうか。 気にする間もなく遠ざかっていった。 ソファに座りなおし、また一人口を開く。 「こわいはなし、おもしろいねぇ~。じゃぁこわい話じゃないんだけどね、わたしが前にみたへんな人の話もきいて!」 三話目・百地千弥音:黒づくめの女 あのねぇ、2週間くらい前なんだけど、わたしおでかけしててね 駅にいったの!え?え~っとね、ドーナツ屋さんのあるとこ。 ケーキのばいきんぐがあるからいってきたんだけどねぇ~、おいしかったよ! ・・・・

      • 二話目:渡 航海

        飲み物を一口。 何となく静まり返った室内、外を下校中の小学生達が騒ぎながら歩いていくのが聞こえた。 ゴン、とまだ重いグラスが机を叩く音と共に一人が口を開く。 「それじゃ俺の体験談でも話すとしましょうかね」 二話目・渡航海:盗難事件の犯人 あれはさ、俺がまだ学生の時アルバイトしてた頃の話なんだけど。 これ言っておくけどまぁまぁ短い話だし、全然お化けとか出ないんで、ただおっかね~とは思ったね。 で、その時やってたのが大して売れない雑貨屋の店番。お給金が良かったんでね

        • 一話目:伊曽沼 和白

          怖い話をしよう、誰が言い出したのかも忘れたが、そんな話題で盛り上がった。 各々飲み物を手元に膝を突き合わせ部屋の明かりを少し暗くする。 外を勢いよく車が通り過ぎていく音がした。 「じゃぁ、僕から。怖い話を一つ」 一話目・伊曽沼和白:母の声 あれは僕がまだ小学生だったころの話です。 その日はテストが返ってくる日で、花丸がついたそのテスト用紙をいち早く母に見せたくて僕は駆け足で家に帰りました。当時からカギは渡されていたので重い玄関扉を開けて家に飛び込んだ僕は、ただいま

        四話目:御護守漆師

          雨宮 蛍寿:第四話「こっくりさん」

          「すんません、四話目は俺に話させてもろてもいいですか」 控えめな挙手のわりに、何故か意志の強そうな目で辺りを見回した彼は、上履きの色を見る限りは私と同学年みたい…? 「ありがとうございます。俺は1年E組の雨宮蛍寿いいます。ツレがこの集まり忘れてすっぽかしたんで代わりに参加させてもろてます。 この話だけは、いや…この手番だけは、すんません、俺に話させてください。 先輩方は知ってはるかもしらんけど、キミは俺と同学年やから、忠告も兼ねてこの話させてもらうわ。 墨舟…さん、

          雨宮 蛍寿:第四話「こっくりさん」

          阿賀澤 颯雅:第三話「溺死する部屋」

          「そう、三話目は私ね。やっぱり名乗った方がいいのかしら。そうよね、でも新聞には名前載せないでね?ふふ、恥ずかしいのよ。 いい?ありがと。阿賀澤 颯雅(あがさわ そよか)三年C組よ、よろしくね。 墨舟さん、こういう企画任されるくらいだし、怖い話好きなの?違う?まぁ、さっきから震えてるものね、雨に濡れた仔犬みたい。 やだ、馬鹿にしてる訳じゃないのよ、可愛いなぁと思って。 あら、照れてる?ふふふ。 さ、私の怖い話ね…あなた達に聞きたいんだけど、皆は何が怖いと思うの?どういう時に

          阿賀澤 颯雅:第三話「溺死する部屋」

          若王子 要:第二話「視線」

          「二話目は僕かな!もう既に僕のことは知っているかもしれないが敢えて自己紹介しておこう、よ〜く覚えて帰ってね特に女の子は! 僕は若王子 要(わかおうじ かなめ)。若者の若に見ての通り王子様の王子、肝心要の要で若王子 要。三年だよ。」 ばちん、と音がしそうなほど完璧なウインクを決めてみせたその先輩は周りのしらけた視線をものともせず私を見ていた。 こ、こわい…。 優しそうな雰囲気だったから指名してしまったけど…間違いだったかな…。 隣の先輩も凄い目で睨んでる…。 「ん?

          若王子 要:第二話「視線」

          鵤 紀久:第一話「スクエア」

          「一番目は俺だね。自己紹介からした方がいいかな。三年F組の鵤 紀久(いかる のりひさ)っていうんだけど…まぁ、よろしく。 そうだなぁ…墨舟さんって言ったね、君は降霊術って知ってるか?女子生徒の間だとこっくりさんとかキューピッドさんとか、流行ってた時期もあったかもしれないんだけど。 俺が話すのは“スクエア”っていう降霊術に関することなんだけど、聞いたことは…はは、ないよな、うん。それじゃあ話そうか。 これは、ある雪山での遭難事件の話なんだ。もしかすると聞いたことがある奴もい

          鵤 紀久:第一話「スクエア」

          概要説明

          学校であったこわいはなしパロディの世界観です。 聞き手の新聞部一年生である墨舟さんは他所の子です。お名前お借りしてます。 墨舟雪くん(作中では高校一年生)【https://www.uchinokomato.me/chara/show/143726】 創作キャラにこわいはなしをさせていく予定です。年齢操作。

          概要説明