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漫画キングダムから学ぶ会社経営 #45:機能する組織を作る-新六大将軍編

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。今回は45回目の記事になります、過去の投稿はこちらからご覧ください。(各記事は基本的に、キングダム最新巻までのネタバレを含みますのでご了承ください。)

前回#44では「機能する組織を作る-旧六大将軍編」という事で、「#43:旧六大将軍の組織構造問題」でまとめた昭王時代の六大将軍が僅かに機能しなかった点を踏まえて、理想の組織構造はどのような物なのかを考察しました。今回はそれらを踏まえての内容になりますので、まだお読みでない方は、上記リンクより、各記事をお読みください。

前回も述べましたが、単行本61巻までの最新巻ではまだ描写されていませんが、ヤングジャンプの最新話ではすでに新六大将軍の話が出ているみたいです。しかし、私は単行本派なので、新六大将軍については、6月14日時点で詳細は知りません。詳細を知らない前提での話になりますので、その点はご容赦ください。62巻が発売され、新六大将軍の詳細が出ましたら、改めて今回の内容を見直したいと思います。

さて、前回、旧六大将軍が最大限機能するには、胡傷を六大将軍ではなく、軍総司令にして、昭王:CEO、胡傷:COO、五大将軍:事業部長という形態にすれば良いとまとめました。それを踏まえて、秦の新しい六大将軍時の理想の組織構造とはどのようなものでしょうか。

基本的には、前回の考えと変わりはありません。やはり、軍総司令は戦に出ずに、咸陽で中華全体の攻略を考えぬく必要があります。そういった意味で、現秦国は、最強のCOO昌平君が軍総司令をしており、理想の組織として定着しつつあります。昌平君がCOOとして最適な理由は栄えある第一回記事、「#1:優秀なCOO、昌平君」をお読みください。

昌平君

また、中枢機能である周りの文官も中華統一に向けて非常に強固になっております。呂不韋元四柱の一人李斯は、領土を広げた際の平定を滞りなく進める能力や政治力に長けており、これから欠かせない存在になります。丞相にまでなった昌文君は相変わらず王である嬴政を支え、また、肆氏は政治力と情報力に優れ、面倒な内乱などないように内政のバランスを取っています。

こうなってくると、後は、どの将軍、軍隊を用いて、どのように各国を滅ぼす、もしくは降伏させるのかという事になります。そこで、任命されるのが新六大将軍という事になるのです。

それでは、新六大将軍の役目とは何になるのでしょうか?

旧六大将軍のように単に戦争の自由を与えても、前回述べた通り、国を亡ぼすまではいかないでしょう。また、蒙恬が単行本41巻で、「6国に対して、6人の将軍か」と、言っていましたが、そんな単純な話ではもちろんありません。6国と言っても、国の大きさや強さは全く違いますし、滅ぼす時期もずれてきます。例えば、韓と楚では、使う兵力も作戦も全く違ってきますし、遠方の燕や斉は必然的に後回しになります。ですので、この国にはこの将軍という浅はかな配置では一生統一などできません。蒙恬らしからぬ、浅い発言に思えました。

昭王の時代が六大将軍だったので、6という数字に拘っているのだとしたら、これまた浅はかで機能しない組織になります。中華統一の道筋を考慮した結果、同列の大将軍が6人必要だとならなければなりません。よく仕事でも目的と手段がごちゃごちゃになっている人がいますが、何が目的で、その為の手段は何なのかを明確にしなければなりません。この場合ですと、目的は中華統一であり、六大将軍はただの手段でしかありません。戦略的に、7人必要なら七大将軍制にすべきですし、逆に4人がベストなら四大将軍にするべきです。

とは言え、六大将軍となるみたいなので、この六大将軍をどう活用して中華統一を目指すのが良いのでしょう。まずは、各国を亡ぼす計画を明確にKGI(Key Goal Indicator)に従って、クリティカルパス法 (CPM: Critical Path Method)などを使って戦略を練る必要があります。その際のリーダーをやはり、この六大将軍から任命し、その他の軍は、現在秦国が用いている、チーム制組織を引き続き採用するのが良いかと思います。チーム制組織の優れた点に関しては、「#12:チーム制組織構造の強み」をお読みください。チーム制組織構造を使う限り、リーダー(大将)さえはっきりさせておけば、基本的に機能するので、後は、CPMを細かく修正しながら確実にプロジェクトを進める事が求められます。ですので、リーダーを任される六大将軍に求められるスキルとしては、与えられたチーム運営とCPMのマネージメント力になります。大まかな調整は軍総司令である昌平君に一任するのがベストな運営方法になります。また、各プロジェクトが相互的に結びつく事も大いに考えられますので、横の繋がりも常に意識しなければなりません。六大将軍は昌平君を介してで構わないので、必ず密に連絡を取り合い、KGIに向かって私欲ではなく、国の目的を優先して物事を進める必要があります。

余談ですが、私が新卒で働いていたP&Gという会社では、プロジェクトのスケジュール管理をCPS(Critical Path Schedule)と呼んでいましたが、上記に記載した通りCPMという呼び名が一般的みたいです。そして、このCPMはSEやIT関係のプロジェクト管理法として良く使われるみたいですが、このスケジュール管理法は非常に優秀で、どのビジネスにも幅広く適応できるので、ご存じない方は、是非ともこの手法を学び、活用する事をお勧めします。

今回は、現秦国のベストな組織運営について考えました。今後、領土を拡大するにつれ、組織形態も変える必要性がでてくるかもしれませんが、その時はまた触れたいと思います。

それでは、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

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