見出し画像

漫画キングダムから学ぶ会社経営 #16:後継者問題

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。今回は16回目の記事になります、過去の投稿はこちらからご覧ください。

前回前々回とCEOの話をしたので、今回はそれに付随し、できる経営者であるほど頭を悩ませる「後継者問題」についてまとめます。この後継者問題は、実はCEOだけではなく、チームを率いる全てのマネージャー、リーダーに当てはまるので、そういった視点でご覧ください。

前回「#15: CEOの資質」でCEOに求められる資質の一つとして未来志向を挙げました。会社というのは現在だけよければ良いのではなく、長期的に自分がいなくあった後の事も考えれて本当に優れたCEOと言えます。では、本当に自分がいなくなった後にどうするかは、自分ができる前段階の準備も必要ですが、それを引き継ぐ人の選別も重要になってきます。これが俗に言う後継者(跡継ぎ)問題です。

現社会で言うと、典型的な例として、ファーストリテイリングの柳井さんやソフトバンクグループの孫さんが後継者問題に悩んでいると思われます。ご存じの通り、彼らは日本を代表する起業家で、歴史上最も成功した社長の一人に当てはまるCEOになります。そんな彼らが、いや、そんな彼らだからこそ、一番頭を悩ませている後継者が中々現れないのです。この場合は、現れないというよりは、ご本人達が優秀が故、心の底から納得する人がいないといった感じでしょうか。この現象は、結婚できない優秀な大人に近いものがあります。自分が優秀な故、それ以上の人をもとめてしまう。過去の人達と比較して、それ以上を常にもとめてしまう。こういった問題には、ある程度、妥協というか、見切りが必要なのですが、完璧故、それができないのです。

さて、話をキングダムに移します。

本記事では基本的に国を一つの会社と見立てて、議論していますので、CEOの後継者=国王の後継者です。これが上手くいかないと、クーデターがおこったり、内政の崩壊により、他国から攻められたりと何一ついい事は起きません。実際に歴史上、そのような事は何度も起きていますし、キングダム内でも当初の秦国や、単行本59巻の趙国と、辛いですが現実的な問題として描写されています。

過去キングダム内で描写された2国の後継者問題について深堀をします。その2国とは趙国と、楚国です。

まずは、趙国ですが、これは最新巻(2020年10月現在)の59巻に描写されている通り、趙王悼襄王が毒のような物で暗殺されます。それを察してか、悼襄王は事前に遺書を残していました。悼襄王は自分が曲がった性格で、優秀な李牧や太子嘉の事が心底嫌いでした。自分の死後も彼らの良い様にはさせまいと、これまたいかにもヤバそうな遷という子供を跡継ぎの王として任命します。その結果、李牧や嘉は追いやられ、国は恐らく滅びの道へと進むのでしょうが、悼襄王からしたらそんな事は知ったことではないので、彼目線で見ると、この後継問題は完璧にやり遂げたという事になります。

また、大国楚でも孝烈王の後継問題としての描写があります。孝烈王というのは、大国の王様らしく、豪快なリーダーに見受けられました。しかし、孝烈王には子供がいなく、跡継ぎ問題は弟になるはずでしたが、この弟と言うのが、悼襄王並みの鬼畜で、孝烈王と側近であった春申君と李園は、李園の妹の李環に春申君の子供を身ごもらせて、孝烈王の妻とし、無理やり後継ぎをその子供にさせるという荒技にでます。この行為自体はもちろん法に反しますし、批判はありますが、楚のトップ3がなぜこのような事をしたかというと、それは楚という国の事を一番に考えていたからです。国の為に、血縁を変えてまで、まともな跡継ぎを残したかったのです。もちろん現代でも法に触れるようなことをしてはいけませんが、トップの人間の考えとしては見習う所があります。

李園

また、最初に記載しましたが、これは王やCEOに限った事ではありません。チームを率いるリーダーやマネージャーならば少なからず意識しなければならない問題です。自分の任期期間だけ良ければ良いのではなく、自分が部署移動やプロジェクト移動した後も、そのチームがより良くなるには誰を後任にすれば良いのかという事を常に考えなくてはなりません。それが、良いチームリーダーであり、マネージャーです。

キングダムでも好例が一つありますね。天下の大将軍王騎の後を、副官であった謄が引き継ぎ、その後も元王騎軍(現謄軍)は、謄の下、より強い軍へと成長していきます。これは、王騎が謄を誰もが認める跡継ぎとして扱い、共に成長したからだという事が伺えます。これは、他の将軍達にはあまり見受けられない王騎の素晴らしい後継者育成能力です。

画像2

今回は後継者問題について考察しました。ついつい目の前のビジネスの事のみに集中しがちですが、たまには将来や長期的な事を想像しながらビジネスを展開してみてはいかがでしょうか。

では、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

この記事が参加している募集

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?