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漫画キングダムから学ぶ会社経営 #15:CEOの資質

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。今回は15回目の記事になります、過去の投稿はこちらからご覧ください。

今回は前回に続いて「CEO(王)」についてです。

前回ではCEOの分類を行い、キングダム内の王様が会社で言う所のCEOに当たり、そして基本的には各王様は跡継ぎCEOである旨を記載しました。詳細は前回の記事(#14: CEOと王様)をお読みください。

今回はより具体的にCEOに求められる資質と、各王様の資質を当てはめて考察します。

CEOは前回も説明した通り、会社のトップにいる人を示します。ですので、各社に基本的には1人で、求められる役割は業種、規模関わらず同じ資質が求められます。以下3つの資質が最も重要だと考えます。

1) 未来志向
まず、CEOは会社の代表として、先頭に立ち引っ張る人なので、会社をどのようにしたいのか明確なビジョンを持たなければなりません。しかし、これは資質ではありません。どんなビジョンであれ、ビジョンを持つ事はCEOすべてが持ち合わせているでしょう。問題はそのビジョンが明確でかつ社員が納得できるものなのかという事になります。さらにそのビジョンに必ず含まれなければならないのが、「未来志向」になります。目先の利益や、自分の代までの事ではなく、自分が引退した後でも社員がより幸せになれるためにはどうしたら良いか、を考える事が最も重要な資質になります。

2) 導く力
次に、その未来を見据えたビジョンを伝え、そのビジョンに向かって「導く力」が重要になってきます。一言でいうとリーダーシップになります。「#6: リーダーシップの器」でまとめたリーダーの器として大事な要素がCEOにも重要になってきます。

3) 利他主義
最後に、どこまで社員の事を考え、自身ではなく社員や会社の為に行動できるか、「利他主義」という考え方が必要になります。利他主義とは、なじみのない言葉かもしれませんが、わかりやすい言葉で言うと、「エゴ」の対義語になります。英語ではaltruismと言います。

それでは、キングダムで照らし合わせてみましょう。

キングダム内では59巻現在、主に3人の王様が出てきますので、その3人の王様に当てはめて考えます。3人の王様とは、秦王嬴政、趙王悼襄王、斉王王建王です。

まずは、主人公の一人でもあり、後の始皇帝秦王嬴政ですが、彼の最も特徴的な資質としては、未来志向の資質がかなり強い所になります。嬴政は今の幸せではなく、自分が死んだ後の中華の平和を考え中華統一を目指しています。その結果自分の時代は多くの血が流れ、国民にも辛い時期を経験してもらわないといけないという意思も見受けられます。そういう意味では、利他主義という資質は少し弱いのかもしれません。

次に、いかにも癖のある斉王王建王ですが、彼は実はかなりバランスの良い王様(CEO)であると言えます。というのは、常に国民と未来の事を打算的に考え、最も良い条件でその時々最善解を導き出し、決断します。例えば、合従軍の際に、李牧の口車よりも、自国にとってより良い条件である、蔡沢の提案をすぐに受け入れます。さらに、嬴政が打ち出した中華統一後の未来の世界を真剣に考え、納得できる内容とわかれば、無駄な血は流さない約束をします。このようなトップがいる国は基本的には国民の満足度は高くなります。

王建王、さいたく

最後に、鬼畜な趙王悼襄王ですが、漫画とは言え典型的な悪人キャラです。未来志向は皆無で、自分が生きているうちだけ良ければよい。利他主義とは正反対のエゴの塊で、国民なんて知ったことか。李牧や太子の助言は受け付けず、その曲がりくねったビジョンを押し付けるリーダーシップだけはあります。それがその国の王様というから、趙国にとっては笑い話にもなりません。実際、昌平君や王翦は、この王だから邯鄲軍を動かさないという打算の基、鄴攻めを行い、成功させます。

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このように、CEOの質があまりにも低いと、優秀な配下がいても国(会社)を滅ぼす事になります。ここまでひどくなくてもCEOが信頼できない会社には入社しない事を強く勧めます。逆も然りで、偉くなればなるほど、色んな人に見られている自覚を持って行動し、尊敬される経営者もしくは上司になる事を望みます。

今回はCEOとその資質についてまとめました。今後、他の国の国王も詳しく描写されたら、考察したいと思います。

では、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用


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