No.83遊び心がなくなった君へ
10歳の僕から現在の君へ
何でそんな「遊び心」のない大人になってしまったの?
僕はそんな大人になることは望んでいなかった。
小学生の頃を思い出してみて。
君はクラスの中では大人しい部類だったけど、何かと遊びを企画しては、周りの友達を楽しくそしてみんな仲良くさせようとしていたじゃん。
君は覚えていないかもしれないが、例えば、カラーボールでの野球、野球ゲーム、ドッジボール、コインバスケ、サッカー、テレビゲーム、自転車競争、ランニング・・・。
どれも小学校で流行ったことだけど、ただ単にやるだけでなく、クラス対抗を企画したり、トーナメント表を作って大会を開催したり、皆で足が速くなろうと呼びかけたり。
あのとき、君の企画で友達が楽しそうに遊んでいるときに、君の目はとてもキラキラしていたよ。
君は友達に遊びについてどのようにしたら皆が楽しんでくれるか、自分なりに考えて提案していたんだよ。
覚えていないかな?
20歳の俺から現在の君へ
今、「遊び心」を持って楽しくやっている?
小学生の自分が言っていた「遊び心」は、中学生以降は、ぱったりとなくなっちゃったね。
どうしてなんだろう。
勉強や部活が忙しかったからかもしれない。
でも「遊び心」はどんなに忙しくてもなくならないもんじゃないの?
きっと大人になるとはそういうことなのかな。
大人って何だか理屈っぽいし、面倒だし、上には言いなり、下には説教・・・はあー、今の君を見ていると全然楽しそうにしていない大人と一緒に見えるよ。
まあ、そもそも中学、高校と、上手くいかないことがあると、先生や先輩に怒られ、後輩からは冷ややかな目で見られていたら言いたいこと、やりたいことなんてできなくなるよね。
そうやってつまらない大人が出来上がるのかもしれない。
本当は「遊び心」を加えたことをしたいんじゃないのかな。
皆を楽しませたい何かを考えたいんじゃないかな。
もう少し素直になっても良いんじゃないかな。
君はどう思っているのかな?
35歳の自分から現在の君へ
君はこの頃の自分を覚えているだろうか。
長年待ち望んでいた子が誕生した時のことを。
子を授かるまでいろいろと苦労して、やっとの思いで授かった子について、何を考えていたのか思い出してみて欲しい。
きっと生まれてきた子のために、あんなことやこんなこと、子が喜ぶことを考えていたんじゃないだろうか。
そのときに、子どもの頃に置き忘れていた「遊び心」が蘇った瞬間だったのではないだろうか。
子を楽しませたい気持ち。
そう、それが長年忘れていた「遊び心」。
それは今でも持っているのかな。
まさか、仕事や家事で忙しくなって、そんな心も忘れていないよね?
忙しいことにかまけて、「遊び心」を忘れていないだろうね?
もし忘れているなら、子が誕生した時のこと、今一度思い出してはどうだろうか。
親の君が「遊び心」をもって子に接すれば、必ず子は応えてくれる。子とはそういったものだと思う。
子が生まれた直後に35歳だった自分はとても幸せだし、沢山笑顔が溢れる家庭にしたいと思っている。
そして、この子がいれば「遊び心」を取り戻せると思っている。
今の君はどうかな。
その微妙な反応を見る限り、子に対してさえ「遊び心」がないようだね。
未来の自分がそうなっていると思うと、とても残念だし悲しくなるよ。
10年後の私から現在の君へ
40を過ぎた君へ。
今は仕事に家庭にいろいろと忙しくて余裕がないんだよね。
頑張っても頑張っても報われないことはあるよね。
ただ、ひとつ言えることは、今の君の気持ちの持ちようが10年後の私になるということを覚えておいてほしい。
そんなこと考える余裕すらないか。
考える暇も余裕もないのなら、せめて日常のなかで「遊び心」を加えたことを小さく細かく実行してみるのはどうだろうか。
例えば、いつも食事しているダイニングテーブルに、どう考えても不釣り合いな人形を添えておくとか、朝だけ君のキャラを変えて全て裏声で話すとか・・・。
それが家族にとっては面白くないことかもしれないけど。
ただ、少しでも生活の中で「遊び心」を加えていくと、そのうちきっと家族も楽しくなるだろうし、君自身もきっと気持ちがワクワクしてくるんじゃないかな。
クスリと笑える「遊び心」。
これって日本人自体が下手な気がするな。
・・・日本人全体を批判しても仕方ないが、そういった「遊び心」を持っている人って少ない気がするね。職場でも家庭でも。
10年後の私から言えることはそんなにない。
なぜならこれからの君次第なのだから。
君次第で、私がどのような人間になっているか決まるのだから。
今の君には「遊び心」がきっと大事な気がする。
みんなを笑わせること、楽しませること、喜ばせること、その全てはこの「遊び心」から始まるのではないかな。
子どもの頃のような気持ちで、みんなを楽しませるよう努力する君を、10年後の私は楽しみに待っている。
「遊び心」を取り戻し、今の人生を楽しく生きてくれることを心から願っているよ。
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