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【詩】泪雨

それは突然訪れた
彼からの一方的な通知

もう会えない、別れてほしい

3ヶ月先に控えていた試験前のある夜
急な通知に私は頭が真っ白になった
どうしてそんな急に

震える手を押さえながらメールを打つ
何て書いて良いのか思いつかない
胸の鼓動が自覚できるほどに激しく鳴っている

とりあえず会って話したい

それが精一杯だった

彼は会ってくれた

他に好きな人ができた
君との未来が見えないから別れて

何ら愛情もない無機質な言葉を投げつけられる
それだけで私たちの関係は破綻した

帰りは土砂降りの雨だった
それしか覚えていない
自分が一体どんな表情で帰ったのかも
一体どんな気持ちで帰ったのかも


混沌の海に投げ出されたままだった
試験を控えていることなんて忘れていた

悲しみ、怒り、憎しみ
悲しみ、怒り、憎しみ
悲しみ、怒り、憎しみ

それの繰り返し
毎日毎日毎日それの繰り返し
希望なんて言葉を忘れたかのように

暗い暗い何も見えない暗い世界
悲しみの深海で心が挫けたまま漂っていた
来る日も来る日も漂っていた
この混沌の世界で徐々に心が蝕まれていく

頭の中で幾度も芽生えた憎悪
それを必死に押さえつけようとする私
葛藤の連続

考えてはいけないことも考えた
それも必死に押さえつけようとする私

自己嫌悪とやり場のない憎しみの連鎖
顔は痩せこけ、身も心も別人と化していた


未だ見えない光
混沌の闇にただ身を預けるだけ

でも不思議なほど不安はない
むしろ何か心地よい
なぜだろうか

心がだんだんと落ち着いてくる
なんだろう、この感覚


暗闇の中でそっと手の中を覗く


その手の中には、溢れんばかりの泪があった

今度は頬を触る

その頬には大粒の泪が流れ続けていた


泪、これって何の泪なの
悲しみか怒りか憎しみか

どれも違う
今、私自身が素直に思っている気持ち



流す度に悲しみを流してくれる泪
流す度に怒りを流してくれる泪
流す度に憎しみを流してくれる泪

流す度に喜びに変えてくれる泪
流す度に穏やかに変えてくれる泪
流す度に慈しみに変えてくれる泪


きっとその気持ちから来る泪に違いない

そう確信したとき本当の私に出会った



あれからどれだけ月日が経ったろうか
ほんの数日のようにも感じるし
何十年にも感じる

私は自分の人生を歩んでいる

あのときのことがあって私に出会えた
あのときのことがあって今がある
あのときのことがあって未来が開ける

この先どんなことがあっても
どんなに悲しいことがあっても
泪を流す度に何度でも何度でも私は私に出会う


そう、私は何度でも立ち上がれる
























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