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【詩】火の根源・Ace of Wands

火は宇宙ロゴス
根源の創造力と力
すべてのはじまりのはじまり

ガストン・バシュラールは
『火の詩学』で言う
火は純粋な強度の心理学
私たちを招き入れると

火は強度
と言う時
アニムスの火
男性性の火を
私たちは連想する

火の様相は動的だ
灯ったり翳ったり
状態を変化させている
バシュラールは
『緊張の度合いの変化』
という言葉で表現する

火は生きている
たとえ翳っている時でも
いのちを失っていない

実は火の中にも
女性相は存在すると
バシュラールは考えていた
穏やかな火
アニマの火

火はそれ自体で
両性具有者だったのだ
それこそが
生きられる火の心理学
隠された火の半身だ

だがここでは
アニマの火はあくまでも
表層の下に隠されている

表層のアニムスは
出現し活動する火だった
力の根源
その火に1という数がかけられる
はじまりの数
生まれ出ずる宇宙
無の中に有が生み出される

根源の火は宇宙の中心で生まれたが
それは私たち一人ひとりのうちなる現象でもある
『下にあるものは上にあるものの如く
上にあるものは下にあるものの如し
と言われる通りだ

私たちのうちには
根源の火の
火花のひとかけらが燃えている
時に熾火おきびとなって休眠しながらも
フェニックスのように息を吹き返して

永遠性を帯びた火のかけらが
創造性と情熱を
燃え上がらせようとしているところだ

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