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今自分に最も必要なのは「許す力」

ふるやさまに唯一褒められるのは「人を許した時」

 最早作者の『三蔵法師』になっているふるやさまは自分が「TOEIC965点」とか「会社で海外プロジェクトを任された」と言っても、最近褒めてくださいませんが、最近「人を許せるようになった」と言うと、必ず褒めてくださいます。本当に三蔵法師みたいですね。
 要は自分のステータスが上がったりするより、『貴方に最も必要なのは「人を許すこと」だ』とふるやさまは恐らく仰っているのだと思う。
 従い、『自分と他人を許すこと』について本を書こうと思った。

相応しい努力をせずに幸せにはなれない

 世の中には客観的には恵まれているのに、慢性的に不幸な人がいる。かつての自分がそうだった。
 そうした人は、ちょっと見方を変えるだけで幸せになれることも多いのだが、その「ちょっと」ができない。

『内なる障害』

 その原因は、ドイツの著名な精神科医カレン・ホルナイのいうところの「内なる障害(inner obstacle)」にある。その人の無意識に「内なる障害」があるがゆえに、頭の切り替えができないのだ。

 意識レベルでは「苦しみたくない」と思っていても、無意識レベルでは苦しみにしがみついている人はとても多い。苦しんでいる当事者はなかなかそれを認めることができない。まずはこのことに気づかないといけないのだ。

前向きなことを考えられる現実にいても「いつも苦しみたい」し、「いつもつらい」

 人の幸せにとって大切なのは、意識ではなく、無意識である。
 深刻な劣等感がある親や神経症的傾向の強い親などに育てられた人は、無意識の領域で「私は嫌われている」と感じてしまう人が多い。
 深刻な劣等感のある人は、「歪んだ現実」を持つようになり、前向きなことを考えられる現実にいても「いつも苦しみたい」し、「いつもつらい」。

好かれないのは、自分が人間嫌いだから

 自分では人に親切にしているつもりなのに、周囲からは期待したような反応が得られず、望んだように好かれない。

劣等感は「人間嫌い」を引き起こす

 その原因はその人の無意識の中にある、劣等感にあるのかもしれない。
 劣等感は「人間嫌い」を引き起こす。実は、本人が気づいていないだけで、自分が周囲の人のことを嫌っているのだ。
 意識の上で相手に親切にしていても、相手は無意識にある敵意や劣等感を感じ取る。そのために、望むような人間関係ができないのだ。

「もっと愛してほしい」という気持ちの正体は、相手への執着

 「もっと愛してほしい」という気持ちの正体は、相手への執着だ。
  自分が抱えている不安のために相手にしがみつき、その不安の激しさや、しがみつきの激しさから「自分はこんなにも愛している」と思い込んでしまうのだ。

愛されたい欲求の中には「敵意」が隠されている


 愛されたい欲求の中には「敵意」が隠されている。相手からの愛情を感じることもままならない。

 相手から望んだ反応が返ってこないとき、「人の言うことを気にすまい」と、表に現れている現象に対して対処しようとしてしまうことが多い。しかし、その現象の背後にある本質に目を向けなければ解決はしない。
 
「気にすまい」と思えば気にならなくなるほど、人間は単純ではないのだ。
 自分の無意識の感情に向き合い、自分の人間関係を見つめ直してみよう。

社会的に成功しても、それで人格までもが備わるわけではない

 社会的にはエリートであっても、心には迷子の気持ちを持っていて、本人はそのことに気づいていないことがある。
 しかし、社会的に成功しても、それで人格までもが備わるわけではないのである。

「内なる障害」は「自己執着」

 中高年になって人生に迷っている人にとっても、「内なる障害」が心理的成長の障害になっている。「内なる障害」に支配されている心理状態は、自己執着と呼ばれる。
 自己執着が強い人にとっては、自分の期待通りに相手が応じてくれることが重要だ。
 人から何気なく言われた言葉ですごく傷つくこともあれば、イライラしたり、悩んでしまうこともある。そうした感情をなかなか忘れられずに、振り回されることも多い。

自己執着とは逆の状態が「自分を忘れる」

 自己執着とは逆の状態が、「自分を忘れる」という心理状態だ。
 他人の反応で自分の気持ちを決めるのではなく、「本当の自分」の感情に気がつく。これが自己実現である。

 自己実現的な行動をとろうとしてもやる気が起きないのであれば、思い切ってそのマイナスの感情に隠されている本質を探そう。
 それがどんなに自分の「偽りの自尊心」を傷つけようと、どんなに驚くことだろうとそれを認めることが大切だ。
 「本当の自分」を本気で知ろうとすれば、悩みは解決する方向に向かう。次第に「自分の本当の感情」にしたがって生きていけるようになるのだ。

自分を知ることで自分が持つ力を発揮する

 力は誰もが持っている。問題は、その力を発揮できるかどうかだ。力を発揮するためには自分を知ることが欠かせない。

 自分が魚だと分かれば、いつまでも木に登れないことを嘆いたり、そのことに劣等感を抱いたりして、貴重な時間を無駄にしたりしない。
 自分のあるがままを受け入れることで、自分の価値を信じ、自己の内なる力を強化することが重要なのだ。
 この本は『他人と自分を認め、自分の力を最大発揮する』為の本である。

【参考】加藤諦三(2020). 『あなたは、あなたなりに生きれば良い。』三笠書房

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