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ウニ丼よりも主役のイカ焼き


行って来ました、人生初のウニ丼ツアー。


ツアーと言っても札幌の両親と妻の朋佳と4人ですが、コロナでなかなかで出歩けないので半分は親孝行の名目です。


行った場所は小樽の奥の、余市の更に奥にある積丹。


父は73歳にも関わらず大きいスクーターでバイク仲間とツーリングに行き、その時に教えてもらった名店を案内してくれました。


僕もググッてみるとかなり評価の高いお店。


11時00分に着くと駐車場は満車。


しかし、店内に入るとまだ1/3は空いています。


なんとなく、お店の外も中も雰囲気を感じると大丈夫かなと思っていると、やはり予感は的中してしまいました。




結論から言うと残念。。




店内に入り消毒と検温、正面の券売機でまず券を買います。

注意書きで更に自分達の手間を減らしてるのもわかってしまって。


カウンターで券を渡し、指定された席へ。


愛想のないホールスタッフさんは全員マスクにフェイスシールドまで着用。


全ての席はテーブル中央で完全にアクリル板で仕切られ、至るところに黙食の張り紙。


このへき地と言えば失礼に当たる場所で完璧なまでの感染対策。



これは明らかに観光客向けのお店ですね。



注文して2.3分という速さで出てきました。



いつでもどんなものを頼んでもウニがある時は必ず一欠片を味見している手前、良し悪しは一瞬でわかります。


甘さや風味、弾力なんかも明らかに…


どこが美味しいのだろうか…



この程度でこんなにいい口コミとは、本当に美味しいウニを食べたことがない人達の感想で、全く当てにならないと勉強になりました。



人それぞれなので良いのですが、殻付きウニの割りたてはめちゃくちゃ美味しいんです。
(このお店は割りたてとはうたってない)


次は本物を目指します。






そんな雰囲気を察したのか父が帰りに面白い露店があるから寄って行こうとなり、そちらに移動。


場所や店名はいろいろ(衛生面)あるので控えますが行きたい人は、来た時に案内しましょう。


小さな港に着き、父に「そこの右、右側!」と言われても全く分からず、落ち着いて見てみるとありました。


屋根もないし、ネットの中で干物が掛かっているだけでこれがお店?という状態。



テーブルとイスがあるのですが、雨が降ったら閉店となるらしい。

麦わら帽子は日光対策、少量の雨なら傘で対応。



店主であろうおじさんも麦わら帽子をかぶって自分のペースで全てを進め、なまり口調で楽しそうに話してくれます。


父が注文したのは、半干しイカ、ホタテ、ツブ、宗八。


まず、おじさんは素手で干してあるイカを掴み、網の上へ。



軍手を履いてひっくり返し、そのまままな板ので適当に切っただけ。



これが最高に美味しくてビックリしました。


何にもつけずにそのままでイカの旨味が凝縮されている感じです。



塩気は目の前の海の風が運んで来ているで調味料も一切必要ありません。


こんな店ともわからないような所で、しかもアルコールや検温なんてレベルではなく原始時代により近い、50年以上前から時が止まっているようです。(不衛生極まりない)



もうさっきのウニ丼はなんだったんだと忘れるさせるぐらいの美味しいイカ焼き。



他の海鮮も、どれもこれも美味し過ぎるぐらい美味しいんです。







感染対策、オペレーションも完璧で誰からも、SNSにも載ったって叩かれることのないであろう口コミ評価の良いお店。


方や昔から一切何も変わらず、何も気にせず自由気ままに自分のペースで好きなようにのんびりしてるおじさんのお店。


皆さんならどっちに行きたいでしょうか。


行ってみたからわかったことでどっちが正解とかもありません。




ただ、この時代の中で「変わらぬ本物」を感じ、考えさせられるお店でした。



干しただけのイカがウニ丼よりも感動するんですよ。


この店ともつかない在り方で。


函館のコリッコリのイカでもないのに。


素材そのものを活かし、誰に媚び売るわけでもなく自分そのものの生き方。


おじさんにはより長生きしてもらい、この文化を継承してもらいたいものです。


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