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「若手育成の教科書」を読んで

若手社員が非常に育つことで有名なサイバーエージェントの方が書いた書籍であり、全体的に分かりやすい内容となっている。
また、サイバーエージェントの特徴となっている「抜擢」についてもプロセスが事細かに記されており、納得感のあるものである。
今後マネージャーを目指す方はぜひ一度読んでいただくことをオススメする。

以下読書メモである。

はじめに


• 企業も若手自身も、成長を望んでいるにもかかわらずそれが実現しない現在。最初は若手も全員がやる気があって意欲がある。それが続かないことが問題。
• 成長したい、という気持ちの裏にあるのは、自信を手にしたい、という願望。
• 若手育成で最も大切なことは、成長実感という根拠のある自信を持たせること。

• 優秀な人ほど周囲に迷惑をかけることを躊躇う。そして、上司より確実にできそうだと思うことにはしっかりと手を挙げることができる。
• 若手の言う自信とは、以下のことが多い。
①どんな組織やチーム、どんな人たちともやっていけるという「自信」
②たとえ会社がなくなったとしても、自分で稼げるという「自信」
③自分にしかできない仕事で、誰かのためになっているという「自信」
④家族との時間を最優先しても、仕事はしっかりできているという「自信」
• 若い人はスキルにこだわるが、スキルは陳腐化するもの。中長期的に見て、変化に対応できる人間になることが大事。
• 自信には根拠が必要であり、それを後押しする根拠が「成長」
• 若手が自分で成長できる「自走環境」を整えることが大事。自分で考えて行動させること。
• 抜擢するから若手が育つ。若手でもマネージャーを任せる。
• 先に抜擢があり、そこから若手が自力で育つ、というスタンス。教育して成長させ、抜擢する、という順番ではない。
• 社員一人ひとりが強制ではなく前向きに主体的に動いてくれることが、ものすごく大事。
• 人事制度の作り方は、細かなマニュアルで説明責任を果たそうとするのではなく、大枠を作ってそこを守れる範囲で自由にやってもらう。現場にとって使いやすいかどうかが人事制度では大きなポイントとなる。

第1部 抜擢前 若手から「やりたいです」と言える空気を作る

第1章 「言わせて、やらせる」で人は育つ


• 育成の必要性は、「成果を上げるために、育成がある」。人が育つことによって業績が上がるものでなければ意味がない。
例えば、若手がやめないようにするための育成では意味がない。この場合だと若手が喜びそうなことが手段になりがち。
• 自走サイクル
①抜擢:期待をかけられ、自走スイッチがONになる
②決断:覚悟を決める。意思決定によって、自らの決断経験を増やす。
③失敗:成長において欠かせないもの。必要不可欠なプロセス。
④学習:失敗を次の経験に活かすための内省。次のステージのための準備。
• よくあるパターンは、研修だけやって④のみを提供しているパターン。
• 基本ルールは、「言わせて、やらせる」。意思表明の言葉を引き出すこと。宣言→承認が若手が育つルール。
• このルールであれば、上司は「任せた」ことに対する責任、部下は「やりたい」という宣言に対する責任が発生する。
• マイクロマネジメントのような具体的な指示では人は育たない。あれこれ言われればやる気もなくなり、細かい指示ほど部下は思考停止に陥ってしまう。
• 自分で考えて自分で動く、という自走環境でサイクルを回していくことで、人はとてつもないスピードで成長する。
• 育て上手と育て下手の差は、若手自信持たせられるかどうか。育て下手は、ダメ出しばかり自信を削る人。また、思いつきや気まぐれで仕事を振る人。
そして一番多い育て下手は、若手に教えすぎてしまう人。
• また、褒めるだけでは若手の成長に限界がくる。仕事ができるようになったことと、自分の成長を実感して自信を持つことは別と考えるべき。
• 育て上手は、若手に自ら考えさせたり経験させたりして、何かあった時だけサポートする。

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