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二年目

121
2020年の詩まとめ
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#一文物語

死装束に真っ赤な口紅でキスマークを、あの世でも君はわたしのものだよ

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いつでもいなくなる準備はできている、と言うけれどわたしは君を失う準備ができていないよ

月火水木金

平日に花束を贈っても変な顔しない人と出会えたら幸せだろうね

存在

君がいる世界は素晴らしいんじゃなくて、君がいたから世界が素晴らしくなったんだ

あい

誰にも愛されることを望まなかった僕らが出会ったら、愛に飢えている人間よりもつよいと思わない?

あまくて

チョコパイの袋をくしゃっと潰し手にいれた、ちいさな幸せを噛みしめた君の横顔はとても甘くて

いち

早朝の1番線ホーム、蛍光灯が消灯されて朝がはじまった

暗転

死について恐怖するとき、世界で一番幸せな人間になること、漸くわかった気がしたよ

¥120

自販機でコーンスープ缶を買う、握りしめて掌に広がる温かさで冬をうけいれた

にじいろ

異国の血が混じる君の瞳は万華鏡、手をとり朝日のさしこむ廊下でくるくる踊る始業前

赤子の生っぽい匂いは僕らの死を誘うあの世からの言伝て