マガジンのカバー画像

二年目

121
2020年の詩まとめ
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

過去にとべるタイムマシンができた
過去の決まった時間にかけられる電話ができた
それを望んで手をつけてしまった時、いまのわたしは死んでしまった
未来を明るくするために、なんて体のいいこと言うつもりはないよ
過去は変わらない、変えたらいけない
ここ感情を抱えて生きていかないと、
人間である意味、忘れてしまいそうだから

小学生の頃に親友と書いていた交換日記
プラスチックの軽くて脆い鍵で秘密はまもられていると信じていた
お互いだけが知ることを世界から隠せている気になっていた
いま、世界から隠してしまいたいことに溢れているのに
どんな鍵もパスワードも信じられずに
すべて自分の底に蓄積されていくだけ

星に

金平糖を夜空にかざして君のくちもとへ、あまい一等星をたべて願いが叶いますように

君になら汚されてもいいと
からっぽのわたしを溺れさせて
深く深く沈めて君の心音だけを聴いていたい

真実は

生きたかったから死ぬんじゃありません、死にたかったから死ぬのです、ってききたかったな君の遺言、そうしたら納得できたのに

等価交換

誰かを救うってことは誰かを見捨てるってことでしょ、救った数だけ亡霊がついてくるし救ったつもりで救えなかった人はカウントせずに狭間に飲み込まれて忘れられていく、見捨てられることに慣れてしまったときわたしはもう誰も救えない、手を伸ばしても指先がほんの一瞬ふれて空を切るだけでその時の君の顔が忘れられません、きっと今夜も夢にでてくるのでしょうねわたしを振り回してこの世で果たせなかったことやり尽くして朝が来

もっとみる

真っ赤

君が寝ている間にペディキュア塗ったよ、なにか失敗して落ち込んで俯いててもわたしを思い出してね