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五年目

13
2023年
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#散文

Autumn

Autumn

金木犀のにおいがする、周りを見渡してもその姿が見えないとき、すこしだけ不安になる、大切な、誰かを失ったときの感覚に似ている、思いだせないくらいぼやけてくれたらいいのに、いつもの人懐っこい笑顔で何事もなかったように現れる、人間が嫌いって言ってたあの子、誰かに愛されたいって泣いて恋人ほしがっているの、矛盾していて人間らしいなって、温くなったココアみたいにいつまでも喉に残ってる、心は一瞬で冷めて、窓のそ

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17時半

17時半

真夏の喫茶店、窓際のテーブルで向かい合ってる、しゃりしゃりしたビニール袋に包まれているおしぼりが冷たい、クリームソーダのバニラアイスがエメラルドのソーダに溶けるその瞬間、すべてが過去になったみたいですこし寂しくなる、なめらかで曖昧な緑、炭酸がまろやかになって一日が終わる

不確か

いつだって本心のよめないその薄っぺらい笑顔をはりつけているあなた、そんな笑顔でも向けられると安心してしまうからどうしようもないね、あなたが不機嫌なところを見たことがない、わたしは見られているのに、いつだってわたしの前を歩くあなたの背中を頼りにしてること、たぶん知らない、知らなくていいよ、全てを見せることが正しいとか愛だとかおもわない、でも後ろを歩かれると不安になって何度も振り返ってしまう、あなたは

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