短編小説|姉と弟とバースデイケーキ
『今から行くから私の誕生日を祝いなさい』
姉からとんでもないメッセージがきた。しかも、それを読んだ頃を見計らったかのようにインターホンが鳴り響いた。さてはアパートの前で送ったな、この人。
僕がドアを開けに行くまでもなく、ガチャリと鍵の開く音がした。合鍵を渡してあるので、出入りは自由だがせめてインターホンを鳴らしたなら家主が開けるまで待っていて欲しいものである。追い返さないから、たぶん。
「お姉様が来てあげたわよ! 喜びなさい、弟」
「はいはい。わーい、ようこそ姉貴」
「そ