見出し画像

自閉症スペクトラム ただ「違っている」だけの息子を全力で支援する

誰向けの内容か?

・自閉症の基本的なことを知りたい人
・子どもが自閉症と診断された人
・自閉症と診断された子どものこれからをどう考えればいいのか知りたい人

「自閉症スペクトラム」を読もうと思ったきっかけ

5歳の息子が先日、発達障害と診断されました。

「聞いたことはあるけど詳しくわからない」というのが初めて聞いた時の正直な感想でした。

これじゃあかんということで、まずは発達障害についてネット検索してみました。

発達障害といっても、ADHD・自閉症・アスペルガー症候群など色々な症状があります。

共通しているのは生まれつき脳の一部の機能に障害があるということ。

息子は知的障害を伴わない高機能自閉症というのが一番近い特性だというのがわかりました。

自閉症についての書籍を読んで勉強してみようと思いアマゾンで評価の高かった本書を選びました。

僕は専門家ではないので、まちがった情報や解釈があるかもしれません。気になった方は本書やほか書籍を実際に読んでみてください。

息子の普段の言動を見ていて当てはまるところがたくさんあったので興味深く読むことが出来ました。

似たような状況の方に少しでも役に立ったと思ってもらえれば幸いです。

読んだ結果感じたこと

・自閉症は「臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心・やり方・ペースの維持が最優先」
・自閉症の人は「天才」か「つらい人生を送っている人」だけではなく平凡に幸せに暮らしている人もいる。
・自閉症はなるべく早期発見と支援が大事。二次障害発生を防ぐのに効果的
・「自律スキル」と「ソーシャルスキル」が大事
・思春期前は特訓してはいけない
・思春期後は「支援付き試行錯誤」が大事



作者

作者は本田秀夫氏で精神科医。

発達障害についての書籍を複数出されている専門家です。

自閉症とは

「自閉症スペクトラム」とは、一部の人たちに共通して見られる心理的。行動的な特性です。
その特性をごく簡単に要約すると「臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強いこと」
                    引用元:自閉症スペクトラム

となっています。

息子にも「臨機応変な対人関係が苦手」や「自分のやり方・ペースを最優先する」いわゆる「こだわり」が強いところがあります。

自分の思い通りにならないと怒り出します。

例えばゲームのマリオをやっていて絶対にアイテムを取らないと気がすまないらしくキノコを取ろうとして敵が密集する地帯に突撃します。

そして案の定死ぬと怒り出します。

ゴールすることが目的のゲームなんだから無理して取らなくてもいいよ、と教えてもどうしても取りたいみたいでキノコを追いかけて死んで怒るを繰り返します。

ただ何度も繰り返し教えてゲームの腕が上がってくると少しは諦めがつく場合が出てきました。

とはいえまだアイテムを追い求める傾向は強いです。

自閉症で平凡で幸せに暮らしている人は自伝を書かない

こだわりが強いということは職種によってはとんでもない強みにもなるということです。

成功者の中にも程度の大小はありますがそういう傾向がある人はいると思います。

天才と呼ばれているような成功者や逆に苦しい境遇に陥っている人というのは何かとメディアで取り上げられたり発信をしている人が多くなる傾向になります。

だから我が子がどちらかの人生しか歩めないのではないかと不安になりますよね。

著者の本田氏はこう言っています

世の中には平凡で幸せな人生を送ることが出来た自閉症スペクトラムの人たちがたくさんいます。
(中略)
生活の中にささやかな楽しみややり甲斐を見出しながら、社会人として充実した生活を送っています。
                    引用元:自閉症スペクトラム

自閉症はなるべく早期発見と支援が大事。二次障害発生を防ぐのに効果的

じゃあどうすれば自分なりの幸せな生活を送れるかというところが気になるところです。

それは早期発見周りの支援が重要なんです。

我が子に気になる特性があるのであればなるべく早めに見つけてあげることが肝要。

そして周りの人の支援が必要です。

これによって2次障害を早めに防ぐことに繋がります。

2次障害とは自閉症そのものではなく、生活環境からくるストレスによって引き起こされる「いじめ被害」「不登校」「引きこもり」「うつ」「適応障害」「PTSD」等の問題です。

臨機応変な対人関係が苦手なことや強いこだわりによってこのようなことが起こる可能性があることは想像できると思います。

なので身近な親・兄弟だったり学校の先生の支援をもってこのような2次障害を防がなければいけません。

僕自身自閉症という言葉はなんとなく聞いたことがある程度、コミュニケーションが苦手な人なんだろうな程度の認識だったので一般的にはまだまだそういう人が多いと思います。

なのでまずは当事者の近くにいる人が学んでこれからどう進んでいったらいいのかということを考えるのが大事なんじゃないかなと。

「自律スキル」と「ソーシャルスキル」が大事

本書の中で社会に出てうまくやっていけるかどうかのカギは「自律スキル」「ソーシャルスキル」にあるといいます。

自律スキルとは自分で自分をコントロール出来ることです。

同じ「ジリツ」でも自立という文字があります。

「自立」は何でも一人でやることを目指します。

しかし「自律」は自分に出来ることと、これはどうしても出来ないことを理解して他の人に頼むということ。

自分を俯瞰してみて出来ないことを無理にやろうとしないでそこは得意な人に依頼するというような適材適所の考え方が大事なんだなと感じました。

これって自閉症に限った話ではないよなと思うんです。

片付けが苦手、日曜大工が苦手、歌が苦手、スポーツが苦手というようにみんな大小はあってもなにかしらあるんじゃないでしょうか?

これがわかっているなら、ホームクリーニングをお願いしよう、業者さんに作ってもらおう、歌が上手い人に任せよう、プロスポーツ選手を応援しよう。

みたいな感じで苦手な部門は得意な人に任せよう、と考えて自分の得意なジャンルを見つけてそこを伸ばしていったほうが、本人も社会的にもよりよくなれるんじゃないかなと思います。

そして「ソーシャルスキル」は社会性です。

「ルールを守れること」と「ほかの人に相談できること」が重要。

ルールを守る時にポイントになるのが人に合わせるということではないということ。

ルールは時に人によって違ったり同じ人でも変わったりということがあるからです。

なので守るべきは「一貫性のあるルール」です。

例えば、人のものは盗まない、暴力を振るわない等などですね。

そして「ほかの人に相談できること」というのは自分の能力を超えていることは潔く認めて他者に相談することが大事。

思春期前は特訓をしてはいけない

ここでは小学生高学年までを思春期前とします。

思春期前は特訓をしてはいけません。

なぜかというと思春期前は2次的な障害が起こりやすい時期といいます。

そのため、この時期で一番重要なことは2次的な障害が起こりにくい環境つくりをしてあげることです。

得意な部分を褒めてあげたり、なるべく苦手な部分を克服させるような特訓をしないようにするというようになるべく保護的な環境を提供してあげます。

出来ないことを克服させてあげた方がいいんじゃないかと思いましたがそれは思春期以降にやることなんです。

思春期前はとにかく二次的障害を出さないことに力を入れるのが重要なんですね。

思春期後は「支援付き試行錯誤」が大事

そして思春期後は「支援付き試行錯誤」がだいじです。

思春期前はわりと保護的な環境でそだててきました。

しかし思春期後は、本人がやりたいといったこと、それがたとえ無謀と思えてもやらせてみるのがいいといいます。

ただしここでも大事なのは2次的な障害をおこさないようなサポート体制が必要です。

本書中ではそれを「支援付き試行錯誤」といっています。

両親は黒子に徹して挑戦させてあげることが生きているという感覚を得ることができるんですね。

まとめ

自閉症スペクトラムについてまだ学び始めたばかりでまだまだわからないことがたくさんあります。

息子を理解してあげるにはもっともっと専門的に深い知識が必要なんだと思います。

今回は息子と照らし合わせながら読んでいきました。

まだ5歳と小さいのでこれからたくさんの困難があると思います。

僕自身、息子と一緒に学びながら、一緒に成長していけたらいいなと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

「もっとこんなこと知りたい」や「ここはわかりにくいなぁ」というのがありましたらコメント欄で教えていただきたいです。

今後の改善点としてありがたく受け取らせていだきます。




この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?