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新人コピーライター、入社後のギャップをまとめてみた

「入社後ギャップ」という言葉があります。文字の通り、社員の仕事や会社に対する入社前のイメージと、入社後の現実とのズレを指します。

大手PRマーケティング会社の「入社後ギャップ」に関する調査では、2022年度新卒入社の社員100人(都内会社員)のうち、「入社後のギャップを感じる」と答えたのは56%。
プラスな面もマイナスな面も含め「思っていたのと違うぞ」という感情を過半数の新入社員は抱いていたのです。

ということで今回は、コピーライターとして働く私の「入社後ギャップ」の話をします。


コピーライターは〈想像していたようには〉コピーを書かない

〈想像していたようには〉は入社前のイメージの部分です。
私には3つの漠然としたイメージがありました。

①コピーをゼロから生み出す
②がむしゃらに机に向かっている
③言葉巧み、語彙が豊富である

①キャッチコピー、ボディコピーをゼロから生み出す

商品やサービスがヒット、成功するコピーをゼロから生み出す。常に新しく誰も見たことないアイデアでコピーワークを____

違いました。

コピーライターは〈ゼロから生み出して〉コピーを書かない。

毎度毎度天才のごとく、新しいものを開発しているわけではなかった。

何もないところからスタートではなく、既にあるものを組み合わせたり、なくしてみたり、視点をずらしてみたり。
身近なタネを拾い集め、そこから想像してカタチを変えていく。

アメリカの広告業界で有名なジェームズ・W・ヤングもアイデアについて次のように述べています。

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。

『アイデアのつくり方(ジェームス・W・ヤング著 )』

思いつきやひらめきでなく、既存の要素でどんな表現ができるかがコピーライターに求められていると分かりました。



②がむしゃらに机に向かっている

手にはノートとペン、机にかじりついて書けるだけ書く。己の知識とひらめきを頼りに試行錯誤。1000本ノックの末、光るコピーが_____

違いました。

コピーライターは〈机に向かってがむしゃらに〉コピーを書かない。

実際、書き出す作業はそこまで長くなかった。そこに至るまでのステップが重要でした。

クライアントの依頼を聞き、課題があれば分析する。
課題やコピーに関わる情報収集をする。

つい最初からコピーを考えて書きたくなりますが、NG。知識や情報がなければアイデアの幅は狭く、書けたとしてもそれはよいコピーではありません。
いきなりコピーを書くことが正解ではなく、課題分析と情報収集を怠らないことが人の心に届く的確なコピーへの近道でもあるということが分かりました。

先輩を見ていると、ネットでのリサーチのほか、本や新聞を読んだり、参考になりそうなことがあれば外に出向いたり。仕事の枠を超えて日ごろからあらゆることにアンテナを張っているみたいです。


クリエイティブに必要な「引き出し」を増やしたい


③言葉巧み、語彙が豊富である

目にした人が唸るような。うまい!と言わせるような。上手なコピーライターになるには豊富な語彙を蓄えていかなければ____

違いました。

コピーライターは〈言葉巧みに、豊富な語彙で〉コピーを書かない。

先日、有名なコピーライターの方が講座でおっしゃっていた言葉にハッとしました。

「コピーは嘘になってはならない」

うまい言い回しやユーモアを意識して綺麗ごとになるよりも、素直なコピーを書くのが大事だと気づきました。

「誰にでも伝わるわかりやすさ」「振り向きたくなる親しみやすさ」「的確に指摘する鋭さ」がある。心動かされるコピーは表現が素直です。



コピーライターは〈地道にかしこく〉コピーを書く。

こうして自分の入社後ギャップをまとめてみると、想像していたコピーライター像は実力勝負でやや根性論気質だったのかもしれません。

でも実際は違いました。

どの作業段階でも頭を使うし決して楽ではないですが、がむしゃらに書く!みたいなコピーワークはしません。

コピーライターは〈地道な分析と収集を武器に、かしこく〉コピーを書く。

「なぜ?」「こういう視点もあるぞ」と方向性や切り口を細々考える時間、地味な割にきついんです。でも煮詰まったら先輩が一緒に考えてくれたり、ひねり出したへっぽこな案を整えてくれたり。


泥臭さはあるけど思っていたより戦略的。
今の私が思うコピーライター像です。ポジティブなギャップです。

今後さまざまな仕事を経験して感じるギャップも増えていくはず。
入社5年目ギャップ、をテーマにまた記事を書いているかも?


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文:マキ

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