ふれるということ
人の身体にふれることは、とても繊細で集中の必要な行為であり、作業です。
ふれると、自分の感情や緊張も相手に伝わり、また相手の感情や緊張もこちらに伝わってきます(感情と言っても、感じに近いものです)。
もし興味があれば、ご家族やご友人やパートナーの腕などに、言葉には出さずに「あなたが嫌いです」と思いながらふれる、「あなたが大切です」と思いながらふれてみて、相手がどう感じたか聞いてみてください。
相手に同じように、2パターンでふれてもらうのも面白いです。
予想されていることと思いますが、「大切」と思われつつふれられることは心地よく感じることが多く、「嫌い」と思われつつふれられることは嫌な感じがすると思います。
肌はセンサーなので、直にふれることでやはり行き来するものがあるのですね。
ましてや、あまりよく知らないセラピストにふれられるのであればなおさら緊張もしますし、すぐに身を預けることが難しいこともあると思います。
だからこそより一層丁寧にふれるべきだと思いますし、大切という気持ちを込めてふれています。
また、自分の姿勢を崩さないようにでしたり、クライアントの手や足を把持するときに、無理な持ち方をしないということも大切にしています。
自分が動きにくい姿勢でふれていると、その無理や余計な力がクライアントに伝わり、相手も余計な力が入ってしまいます。
手や足を持ち上げるときも、無理な支え方、窮屈な支え方をしないように、重心点を見極めたり、ふれる面積を広くして安定するように工夫しています。
相手の無理も自分に伝わり、自分の無理も相手に伝わってしまうから、です。
このような、お互いのカラダを介するコミュニケーション、やり取りで、あなたのカラダの感覚や感じを受け取り、アプローチに繋げています。
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