そういうことになりました
塀から生えてた女の子まだ銀杏も紅葉していない暖かい秋のある日、いつものように娘を塾に送って行く時に、小区の門の脇にある店の塀(トタン板をつなげただけのもの、多分違法)から猫の鳴き声が聞こえた。
かなり熟練の「猫おばさん」になってきたと自負している私は、反射的に「あらあらだあれ?」と声に出してあたりを見渡した。この辺りにも馴染みの外猫が何匹かいるので、お見送りをしてくれたのかと思ったからだ。
しかしそれにしては声がデカくて幼い。
今はすっかりご隠居様の雰囲気の黒チッチがまだ街の