よりのよりどりー2年ぶり2度目

先週の金曜日、上海は2度目のロックダウンに入った。今回は昔話をお休みして現場の備忘録を書いておく。以前のもの同様今回も個人の感想です。

オリンピック後から感染拡大するだろうと噂されていたが、まさかの香港から入ってくるという形で広がった。今流行りのオミクロン。

武漢の時から考えても、市内でここまで感染が広がったことはなかったので、みんな少し混乱している。混乱しながらも指示に従っている感じ。

いつも通り陽性者が出るとその濃厚接触者はもちろん、濃厚接触者の濃厚接触者まで追跡して一斉PCRをおこなっているが、対象者が多すぎて飽和している。娘の学校は世間の流行より1週間早く濃厚の濃厚に当たるスタッフが出たことで一斉PCRとなり、継続テスト中なのだが、先週金曜には隣の区の全ての学校で一斉PCRとなった。日本人学校も含まれている。日本人学校はその日が修了式で、この週末に本帰国する人がたくさんいた。

本帰国する人たちは金曜又は土曜に飛行機に乗るための専門機関でPCRを受けなければならない。けれども子供達は検査終了まで学校に閉じ込められている。私の友人も本帰国を控えていてお子さんが日本人学校だった。彼女はいち早く学校に問い合わせ、PCRの予約時間を変更したが、数時間後に上の子が通う日本人中学校も翌日の一斉PCR検査の対象になったと連絡があったという。

どちらの区も空港があって、ひときわ感染者の多い区だった。彼女が定期的に送ってくる現況の合間にも、どんどん封鎖されたビルやアパートの情報も入ってくる。

これはそろそろくるかな、と思ったので、とりあえず近所の日系スーパーで食料品を買った。保存の効くものは旧正月明けから少しずつ備蓄を多めにした。次にいつも頼んでいるネットスーパーで水の手配。水道水が飲めないのでまず飲料水が大事だ。そして木曜には娘に学校に置いてある教科書とその他持ち物を全て引き上げてくるように言った。

ネットで猫の餌と猫砂も頼んだ。とりあえず生鮮食品以外は1ヶ月は充分間に合う筈だ。

夜には夫とインスタント麺や乾物を買った。土日も色々はしごして目につくものを買った。野菜と豚肉の棚はみるみるうちに空になり、行きつけの肉屋はいつ封鎖になってもいいようにか、まとめ売りを始めていた。

一方で人々はいつも通り散歩を楽しみ、子供達も自由に遊んでいた。屋外席とはいえレストランは満席で、マスクをつけている人も少ない。あまりにシュールな光景でちょっと笑ってしまった。

件の友人は無事に検査も済ませ、日曜の便で帰国できた。日本便は到着した便を消毒して戻りに使うため、1時間以上フライトが遅れるのが普通なんだそうだ。だったら最初から遅い時間で知らせればいいのではとも思うがきっとそうはいかないんだろう。

そして17日から6週間、上海便は停止となった。市内に出入りする高速の封鎖の噂もあったが、それは回避されたようだ。一応物流も動いているが、運ぶ人間がいなくて滞りがちだ。ネットスーパーも運搬人の予約がいっぱいだということで配達依頼ができなくなっている。

こんな状況でも、週末には新しいスーパーは開店して開店セールの真っ最中で、黒山の人だかりだし、行きつけのシャンプー屋は感染拡大予防週間割引キャンペーン中!とメッセージを送ってくる。へこたれない人たち。私にも元気をくれる。うん、まだまだ序の口、大丈夫!

昨日私の住むコンパウンドは、サイドの門を閉じられた。でも正門で全員体温チェックや健康コードの確認はされていない。昨日エアコンが壊れて修理を頼んだが、修理も普通に入れるようだ。配達の人間も部屋まで上がってくるし、健康コードチェックさえすれば住人以外の人間も出入り可能だ。これらは全部前回は禁止だった。だから少し緩く取り締まってるな、と感じる。外出時間や人数の制限もないが、店は早く閉まっている。

娘は今日からオンラインアゲインだ。持ち物が学校に残っている子は土曜に取りにいかなくてはいけなかったのでラッキーだった。いつも通りの時間にホームルームから始まって普通に授業を受ける。もちろん制服着用だ。

夫はとりあえず輪番出勤となった。オフィスにいる人数を半減させて出社しない人はオンライン。

自宅で仕事されると私(と猫達)の居場所がなくなるのでこれはありがたかった。夫も必要なものは全てオフィスにあるので、いちいち持って帰ってくるのが嫌だという。オフィスも入っているビル全体が封鎖される可能性もあるので、着替えと予備バッテリーをオフィスに置いておくことにした。長女がトリップで使ったきりで放置されている寝袋をファブリーズして干しておかなければ、と思っている。

二つの区の一斉検査を経てもさほど感染人数は変わらず微増といったところ。ここで抑え込めるかがこの状態がどこまで続くのかのポイントになるだろう。この3年、市中感染者がほとんどいなかったため、予防接種率も高くないしブースターもあまり進んでいなかった。私と夫は2回接種したが、娘は未接種だ。この状態が感染状況にどう影響するのか…

前回と違って暖かく春到来の時期で、自由に外に出られないことが余計に悲しい。今年こそは日本の子供達に会えるかも、と思っていた数週間前が嘘みたいにまた先の見えない日々がやってきた。それでもここで生きていく。少しでも楽しみを見つけてできるだけ幸せな気持ちで前向きに。