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ニール・シュービン(Neil Shubin)の「進化の技法 転用と盗用と争いの40億年(SOME ASSEMBLY REQUIRED Decoding Four Billion Years of Life, from Ancient Fossils to DNA)」を読む
ニール・シュービンの本は二冊目。一冊目は「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト」こちらは水生動物と陸生動物の合間をつなぐ中間種とされるティクターリクの発見と、この生物の手足の骨格が魚のヒレ由来であることの解明、そしてこうした拡張変化が、嗅覚や視覚、聴覚といったものも、従来水生生物が獲得していた機能、期間の発展転用であることを明らかにするものでした。
本書もその切り口でいえば類似のものですが、その対象と
ショーン・バイセル(Shaun Bythell)の「ブックセラーズ・ダイアリー:スコットランド最大の古書店の一年(The Diary of a Bookseller)」を読む
学生時代、こんな店は10年以内に絶対につぶれるとつぶやいたことがあった地元の書店。クリスマス休暇で帰省した折に本を探しに足を踏み入れたのは12年後。そこで店主からこの店を買わないかと持ち掛けられたのだという。銀行からお金を借入れお店を買い取ったのはその1年後の2001年、著者が31歳の時だった。期せずも古本屋の店主となった著者はこの業界のし烈さや訪れる客たちの奇人変人ぶり、傍若無人さについては全く
もっとみるマイクル・コナリー(Michael Conneliy)の「ブラック・ハート(THE CONCRETE BLONDE )」を読む
「ブラック・ハート」を読み飛ばしてしまった、と思い込んでいた。カミさんに確認したら「読んだ、面白かった」と言われ自分は再読しなかったんだと思っていた。それで読み始めたのだけど、他の本と違い本書はあちらこちらシーンに覚えがある。コナリーの本は概ねでるやいなやすぐに読んでいるので25年以上も昔のことですっかり忘れてしまっているのに、この本は主人公たちの会話やシチュエーションが具体的によみがえるのはどう
もっとみるアン・ファディマン(Anne Fadiman)の「精霊に捕まって倒れる 医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突(THE SPIRIT CATCHES YOU AND YOU FALL DOWN A Hmong Child, Her American Doctors, and the Collision of Two Cultures)」を読む
アン・ファディマン(Anne Fadiman)の「精霊に捕まって倒れる 医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突(THE SPIRIT CATCHES YOU AND YOU FALL DOWN A Hmong Child, Her American Doctors, and the Collision of Two Cultures)」を読む
映画「グラン・トリノ」をご覧になっただろうか。クリン
ジョン・ル・カレ( John le Carre )の「シルバービュー荘にて(Silverview)」を読む
ル・カレが亡くなったのは2020年12月12日。僕の父と同世代。89歳という年齢からいつかはと思っていたのだけど、本当に惜しい人を亡くしたと思う。
いや、そんな一言では片づけられない。ル・カレを失ったことは世界の良識に対する重大な損失であったと思います。
ル・カレはエスピオナージュ、間諜小説、いや海外ミステリーというジャンルのレベルを大幅に引き上げて文学・文芸としても一級品の作品を生み出した。グロ
ティモシー スナイダー (Timothy Snyder)の「ブラッドランド : ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実(Bloodlands: Eastern Europe Between Hitler and Stalin)」を読む
先日読んだ「知の巨人」というインタビュー集でティモシー・スナイダーのことを初めてしりました。ティモシー・スナイダーは1969年生まれ。イェール大学で東欧史を研究する教授。五か国語を話し、十か国語の言葉を読むことができるのだそうだ。それだけでもすごい人ですね。
スターリンとヒトラーが政権を握った1933年から45年までの12年間、ポーランド、ウクライナ、ベラルーシ、バルト三国、ロシア西部にまたがる広