石黒径路

noteはあそび場だと聞いたので、やりたいことをやってみようと思っています。 せっかく…

石黒径路

noteはあそび場だと聞いたので、やりたいことをやってみようと思っています。 せっかくなので、みんなと同じように遊ぶことができたなら。 ただし、コミュニケーションをとるのは苦手です。

マガジン

  • 切れはし小説ShortScrap

    まるで小説の切れはしのような、2分で読める短文です。 オチなしヤマなし、起承転結の「承」の部分のような、ただの文章です。 電車を待つ時間、テレビのCM中、寝る前のまどろみの中、などなど、時間のないときに手軽に読んでもらえればと思っています。

最近の記事

アレクサと住んでいる

 うちの居間にはamazon Echo Showがいます。  いわゆるアレクサです。  奥さんの家から連れてきたやつで、ディスプレイの大きさから、たぶんEcho Show5だと思われます。  小さな画面に、時計と日付と現在の温度を、表示してくれていて、話しかけると答えてくれるらしいし、夜はおやすみの歌を歌ってくれるらしいし。もちろん、音楽だって無理のない程度に(PrimeMusic)は再生してくれるはずです。  何年か前、スマートスピーカーって流行っていましたよね。  いや

    • おばあさんが何度も振り返ってきたこと

       平日10時30分、スーパーマーケットからの帰り道。  35度の真夏日の中を、大量の汗をかきながら、のんびりと歩いていたのです。  遠く前方10メートルくらい先に、ひょこひょこと歩くおばあさんがいました。  このまま進むと、いずれ追いついてしまう。  歩道はすれ違いができないくらいの幅で、たとえば追いついてしまったら、うまく追い越せずにわちゃわちゃとして、ちょっと面倒くさいことになりそうだったので、  途中の横断歩道で道路を渡って、反対側の歩道へ移動しました。  これでま

      • オリンピックを見るのが好きな理由

         オリンピックを毎日たのしく見ています。  とはいえ、夜遅くまでは起きていられないので、少しだけしか見られないのだけれど。  以前から、オリンピックを見るのは好きで、陸上から、バレーボール、卓球、野球(今回は無い、おのれヨーロッパ)、ソフトボール(今回は無い、なんでだよヨーロッパ)などなど、たくさんの競技を見ています。  前回の東京オリンピックは、スケートボードやBMXが新競技として加わって、そのうえ、時間帯も日本時間だから、とにかくいっぱい見れて、自分の人生のなかでも最高

        • 「プリンセスの帰還」(切れはし小説shortscrap)

           「しっ、そのまま声を出しちゃダメよ。できたら息もしないでって言いたいところだけれど、そんなわけにはいかないから、ゆっくりと静かに呼吸をするの」  彼女はそんなことを言って、僕の個室に入ってきた。  深夜のネットカフェ。パソコンのディスプレイが煌々と光る一人用の個室の中に、突然に彼女は滑り込んできた。  どういうこと、いったい君は誰なんだ。そう言おうとした口を、ぐいっと手で塞がれて、何かを訴えるような彼女の目に僕は圧倒されてしまった。  怖かったのではない。ただ美しかった

        アレクサと住んでいる

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        • 切れはし小説ShortScrap
          18本

        記事

          車を信頼しすぎてないですか?

           車線をはみ出して、対向車を脅しながら自転車を運転している人がいたみたいですが  その人にかぎらず、歩行者も、自転車も、車のことを信頼し過ぎではないかと思っています。    車を運転している人も、みんなとおんなじ人間です。  ちょっと自動車学校へ通って勉強して、気ままにドライブしている人たち?です。  一般道に超絶テクニックのプロのドライバーなんてほとんどいませんよ。あなたの街にフェルスタッペンや、ランド・ノリスは住んでいません。  それなのに  まわりを見ずに道路を横切

          車を信頼しすぎてないですか?

          昔なつかしいアイスキャンディーを食べた

           7月に入って、ちょっと毎日が、暑すぎやしませんかと思っていたのですが、梅雨が明けて、ますます暑すぎやしませんかと思いました。  太陽はギラギラ、雲はもくもくと空高く、生ぬるい風が汗でベタつく頬や首を撫でまわします。  この世界に存在しているだけで大変なこの時期、とりあえずアイスでも食べようと、近くのゲンキーに入り、涼みながら安いアイスがないか物色しました。  そこで目に入ったのが「センタン昔なつかしいアイスキャンディー」です。  ノスタルジックなデザインに、安くて(ゲ

          昔なつかしいアイスキャンディーを食べた

          プライムデーなにを買おうかな

          プライムデーなにを買おうかな

          「その一員」(切れはし小説shortscrap)

           工場の門からぞろぞろと、私たちは外へ出た。  私「たち」とはいえ、そこに連帯感などなく、私以外はみんな、聞いたことのない言葉を喋って笑いあっていた。  私は聞き耳をたてて、彼らが何と言っているのかを探ろうとしていたが、それは英語ではなく、やはり私の知らないどこかの言葉で、さっぱりわからなかった。    この工場の労働者は外国の人が多い。    どういう経緯でこれだけの人を集めたのかわからないけれど、日本人は数えるほどしかいなくて、特に私のラインは、私だけが純粋な日本人だった

          「その一員」(切れはし小説shortscrap)

          仕事って、相手を言い負かすことじゃないよね。

           嫌な人と一緒に仕事したくないですよね。  それは、仕事は仕事、感情論で仕事をするのはおかしい、とかそういう話ではなく、  単純に、人と人が関わるなら、やっぱり優しい人と一緒にいたいよね、という話です。  僕の前職は、多くの人と関わりを持つものでしたので、  そのときに学んだのは、  たとえば、  相手が間違ったことを言ったり、  勘違いをしていたり、  理不尽なことを言ってきたりしたとき、    それらを受けとめながら、  相手を嫌な気持ちにさせずに、  訂正をし、

          仕事って、相手を言い負かすことじゃないよね。

          7月7日、20時のカウントダウン

           7月7日、日曜日で休日ということもあり、イオンで買い物をしていました。  帰ってきたのは、おおよそ夜の20時前。  僕は常日頃、なんとなくの習慣で、家に帰るとテレビをつけます、とりあえず。  大した理由ではありません。ただ、無音の部屋が寂しいだけなのです。  テレビは華やかな世界なので、画面の向こうでたくさんの人がしゃべったり、笑ったりしていると、なんだか安心するのです。  昨日、7月7日、20時少し前。  帰ってきて、いつものようにテレビをつけると。  見たことある光

          7月7日、20時のカウントダウン

          国会議事堂を見学して思った、たったひとつだけ。

           仕事の関係で、国会議事堂の見学に同行しました。  衆議院側を案内していただいたのですが、さすが国会議事堂です。日本の中枢に相応しい、厳かな雰囲気の建物で、すっかり場に飲まれてしまいました。  石造りの柱や壁、照明、ステンドグラス、中央広間の広々とした吹き抜け、そして細かな装飾。目を奪われてしまうくらい、とてもかっこいい。  そして本会議場は、木材の温かな色合いと赤い絨毯。  テレビで見るそのままで、演壇はシンプルながら複雑なつくりで、扇状に並んだ机が壮観で、その空間の広

          国会議事堂を見学して思った、たったひとつだけ。

          ミス・ターゲットがミスターゲットでは無かった件

           ミス・ターゲットというドラマがありまして、 「ハケンアニメ」とか「あのコの夢をみたんです」とかを書いた、政池洋佑さんという人が脚本を担当されている、オリジナルストーリーのドラマだったんですが。  松本まりかさんが主演で。  彼女が、やり手の結婚詐欺師で、ミス・ターゲットと呼ばれていて、そのまりか様が、好きな人ができて本当の愛をつかむ、という話なんですね。  なんか、視聴率があまりよくなかったというニュースもありましたが、  主人公が警察に捕まるところから始まるという、先

          ミス・ターゲットがミスターゲットでは無かった件

          「オレンジと憧憬」(切れはし小説shortscrap)

           眩しくて目を細めたら世界は虹色だった。  フレアかかった世界はやけに美しくて、空はオレンジ色に霞んでいて、今日という日の終わりが近づいているのを感じさせた。  僕らは下校途中の受験生で、後輩たちの部活の声を背中に聞きながら、お互いの勉強の進み具合や進路の話をしていた。  小林さやかは少し駆け出して、みんなそれでいいの?と言った。  私たちに残された時間はもうあと少しなのに、本当にこんなに勉強のことばかり話していて、いいの?  そして、僕らがあとにした校舎の方を指さした

          「オレンジと憧憬」(切れはし小説shortscrap)

          ストーンヘンジがオレンジ色にペイントされたらしいので

           環境活動家の人がまた暴れているらしく、  今度はストーンヘンジにオレンジ色の粉を吹きかけたらしいです。    以前にもゴッホやモナリザの絵に、食べ物を投げつけたりしていたと思いますが、今回は遺跡に粉です。  この粉は、犯人たちの言い分によると、とうもろこしの粉らしいのですが、また食べ物じゃんね。  環境活動家が、食べ物でいたずらをする。  環境活動家が、食べ物で遺跡にペイントする。  これってもしかして、自己矛盾を体現するためのアートなんじゃないですか。  あの人たち、

          ストーンヘンジがオレンジ色にペイントされたらしいので

          「終着の地にて」(切れはし小説shortscrap)

           私の旅も、とうとう終着地にたどり着いた。  1000年ほど前のこと。  この地にたどり着いた一人の男が歌を詠んだのだという。それは朝方の煙にゆらめく山々の歌で、その山は、今もこの町の片隅で人々を見下ろしている。  私はその男の跡をたどって、ここまでやってきた。  およそ一週間歩き詰めで、足は棒のようになっていた。男もこのように足を痛めながら歩いたのだろうか、想像をすると、まるでなにもかもわかったような気持ちになった。 「何も変わらないのだ、1000年も前から景色はその

          「終着の地にて」(切れはし小説shortscrap)

          「エナジードリンクは足りなくなった」(切れはし小説shortscrap)

           エナジードリンクを体の中に流し込んで、思い切りため息をついた。  こんなものをどれだけ飲んだところで、何も変わらないのはわかっていた。けれど、何かを体に入れずにはいられなかった。    誰か私のために、心の栄養を補給するドリンクを作ってくれないだろうか。目の奥がズキズキと痛んで、これ以上動けそうにないのだ。  会社をやめると心に決めてから、自分の時間がどんどん無駄になっていると感じている。こんなことしている暇はない、早く次の事を始めなければと、気持ちは焦るのに、体が動かない

          「エナジードリンクは足りなくなった」(切れはし小説shortscrap)