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#69 ヨンデミーメンバー読書年表③ にわさんに聞く! 小学生の頃から今まで、どんな読書をしてきたの?

※この記事は、Podcastの内容を一部ピックアップしてお届けしています。
▽本編はPodcastでご視聴いただけます!

「ヨンデミーメンバー読書年表」では、これまでの読書歴をメンバーにインタビューしていきます!
今回お話を聞かせてくれたのは、にわさんです。

今回の登壇者

🌳にわ
ヨンデミーメンバー。東京大学医学部医学科・3年生。新規事業立ち上げのためのリサーチや、絵本・児童書のデータベース作成を担当。

🍋ぽっか
ヨンデミーメンバー。


走り回っていた子ども時代

ぽっか(以下「ぽ」):早速の質問なんですが、にわさんは小学校の頃ってどんなお子さんでしたか?

にわ(以下「に」):ひたすら走り回っていた記憶があります(笑)
サッカーをやったり、水泳をやったり、ソフトボールをやったり……出身は鹿児島県なんですが、ソフトボールがすごく盛んな地域だったんです。県大会の半分はうちのチームが優勝しちゃうくらいでしたね。
そのぶん練習も大変で、週に3、4回くらいは夜遅くまで練習していました。

ぽ:それは強豪ですね……! とても忙しそうですが、そのときはもう本は好きだったんですか?

に:好きでしたが、たくさん読んでいるわけではなかったです。クラスにはもっと読書家な子もいて、僕はやっぱり走り回っていることの方が多かったですね。

ぽ:そうなんですね。その頃ハマってた本はありましたか?

に:「マジック・ツリーハウス」が本当に好きでした。
いつも図書室で借りていたんですが、いつの間にか校内でも好きなことが有名になっていて……新刊が出ると、司書さんが「にわくん、新しいの出たよ〜」と、まず呼んでくれたことを覚えています。

ぽ:そんなことがあるんですね……! どんなところが魅力的だったんですか?

に:ジャックとアニー、ふたりの兄妹が世界中をどんどん旅していくんですが、その中で出てくるさまざまな国や生活に興味を持っていましたね。
それまでは「なんとなく名前は聞いたことあるな」程度だった海外の国に、物語を通して深く入っていけるような感覚があって、すごく面白かったのを覚えています。

ぽ:にわさん、今は実際に海外に行く機会も多いですよね。

に:そうですね、バイト代を貯めて海外に行ったり、海外の学生と合宿して議論する活動にも参加しています。そうした興味のいちばん最初には、やっぱり「マジック・ツリーハウス」があったのかもしれません。


友だちのおすすめが偶然の出会いに

ぽ:その本とは、どんなふうに出会ったんですか?

に:実は、本当に偶然出会ったんですよね。小学3年生のとき、授業として図書館で読書をする時間があったんです。
でも、当時の僕はちょっと嫌になっていたというか……「読んで」と言われて読むのはあんまり楽しくないな、と思っていたんです。

そのとき偶然、隣に座っていた子が「読む本ないんだったら、これが面白いよ」と渡してくれたのが「マジック・ツリーハウス」の5巻だったんですよ。今でも表紙のサメの絵をよく覚えています。
「5巻じゃん」と思いながらも「まぁ読んでみるか」と読んだら、それがすごく面白くて……本当に最初から夢中になって、わーっと全部読めちゃって。
授業が終わってすぐ「1巻から借りたいので、予約させてください!」って言いましたね。

ぽ:じゃあ、そのお友だちがおすすめしてくれなかったら本には出会えなかったし、なんなら「読書って嫌だな」と嫌いになってしまったかもしれませんね。

に:まさにそうだと思います。
小学校の昼休みはドッジボールが定番でしたが、この本に出会ってからはドッジボールに行かなくなりました(笑)


保護者さまは見守り第一

ぽ:「マジック・ツリーハウス」って、絵本よりは文字の多い本ですよね。読むこと自体に抵抗はなかったんでしょうか?

に:そうですね、抵抗はなかったと思います。
小さい頃から読み聞かせをよくしてもらっていたので、読書自体はそこまで嫌いではなかったです。

ぽ:そうなんですね。読み聞かせ以外に、保護者さまからの関わりで覚えていることはありますか?

に:あります。
『くれよんのくろくん』という絵本があるのですが……あれに出てくる絵の描き方を、実際にやってみたことがあったんですよね。クレヨンをつぶれるくらい使って、今思うともったいないくらいでした。でも、それを止めずに見守ってくれたのを覚えています。

これに限らず、基本的にやりたいことは何でも否定せずにとりあえずやらせてくれて、応援してくれて、見守ってくれていたスタンスは、すごくありがたかったですね。


大学の授業をきっかけに、読書に変化が……

ぽ:では、中高生のときの読書はどうでしたか?

に:小学校を卒業してからは、部活や生徒会が始まって忙しくなってしまい、読書から離れていましたね……。
でも、大学生になってから、自分の読書への向き合い方を変える出来事があったんです。

ぽ:ちょっと詳しく聞いてみたいです。

に:大学に入って1年目の授業で『ガリバー旅行記』の翻訳を読み比べてみる授業がありました。あれはもともと英語の小説なんですが、日本語訳は実は7種類もあるんです。

これがすごく面白くて……7人の人と一緒に同じ物語を読んでいるような、「この人はこう読んで翻訳したんだ」と一緒に会話しながら読むような、不思議な経験でした。
「ああ、やっぱり、読むって面白いな」と改めて感じた瞬間でしたね。

に:小学生のうちに読書への抵抗がない状態になると、いつでも戻って熱中できる、という良さは大きいですよね。

メンバー読書年表の第1回に出てくれたきりんさんも、同じようなエピソードを語ってくれていたのを思い出しました。


読書のつながりは国境を越える

ぽ:にわさんからみて、「ここに読書が役立ったな」っていうポイントはありますか?

に:あります、あります。
先ほどの「海外への興味」にも関係しますね。ちょうど去年、海外の学生と交流する機会が多くて、中国やアメリカ、イタリアの大学生と一緒に議論したりお出かけしたりしたんです。

そのときに、その国の文学作品について「読んだことあるよ」と話すと、向こうもそれを読んでいて、一気に友だちになれることがありました。「ああ、読んでいてよかった」と思った瞬間でした。

同じ作品の同じセリフで「やっぱりこれ、感動したよね」みたいなことを話すと、出会う以前に結ばれていた友情を発見するような感覚があるんです。
僕はドストエフスキーの『白痴』が好きなんですが、「やっぱり、あの時のナスターシャの言葉は響くよね?」といった感想を、まったく違う関係で育った子たちと話して仲良くなれました。

ぽ:すごい……これは感動するエピソードですね。ここまで広い、国境も超えるような読書のつながりがあるんだと、胸に刺さりました。


自分自身の可能性に対する想像力

ぽ:では、「ズバリ、読書はあなたにとって何ですか?」と聞かれたら、にわさんはどう答えますか?

に:これは深い質問ですね……きっと読書は「想像力」を与えてくれるものだと思います。
外の世界に対する想像力や、他者に対する想像力、あとは「自分自身の可能性に対する想像力」もあるんじゃないでしょうか。

ぽ:「自分自身の可能性」ですか。

に:そうです。
自分のことを閉じ込めてしまうのは、最終的には自分なのかもしれない、と思うんですよね。

物語を読むと、主人公が自分とまったく違う状況にいても、その行動に心を動かされたり、心理状況をリアルに感じたり、違う人間の人生を味わうような体験ができますよね。
それが自分に返ってきて「じゃあ、自分はどう生きよう」「何ができるんだろう?」と考える時間が、自分自身の可能性に対する想像力をくれるんじゃないかなと思います。

ぽ:確かに、本は、他の人が生きる間で考えたことがギュッと詰まったものでもありますよね。
それを間接的に受け取ることで、自分自身の可能性への想像力を広げてくれる、という点もあると思います。


エクリチュールの友情の輪

ぽ:では、にわさんの個人Visionを最後に聞いてみたいと思います。

💡 個人Vision
ヨンデミーメンバー一人ひとりが持っている、「読書を届けた先に作りたい世界」を表す言葉です。
ヨンデミーでは、読書の価値の多様さをそのまま届けていくために、「読書体験を届ける」こと以外の共通目標はあえて定めていません。

メンバーの個人Vision一覧はこちら

に:はい。僕の個人Visionは「エクリチュールの友情の輪を広げる」です。
「エクリチュール」は、フランス語で書くこと、書き言葉を表します。「エクリチュールの友情」というフレーズは、お世話になっている教授からいただいたんですが、だんだんと時間を経て自分の中で意味がはっきりしてきました。

誰かが書いた文章や、どこかで誰かから受け取った言葉が、その人のことを遠くに連れて行ってくれたり、守ってくれたりするような体験。 それはどんなときでも、その人個人のことを大切にできるような読書だと思うんです。

それをYondemyを通じて、子どもたちに広げていきたいなと思ってます。

ぽ:なるほど。「エクリチュール」という言葉は初めて聞きましたが、とても深みのあるワードですね。

本を通じて繋がる、守られるといった、感覚的にはわかるのに言い表せない読書の良さを、こういう言葉で表せるとは知りませんでした。
にわさんのなかで、読書という体験がとても深く、丁寧にとらえられていることを感じます。

今日は素敵なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

番組内ではこんなおたよりにも回答しています

息子は小学生1年生の男の子です。最近「〇〇ってなに?」と言葉の意味について聞かれることが多くなり、そろそろ辞書があってもいいかなと思い始めました。子どもの辞書を選ぶ時のポイントはどんなところでしょうか?またヨンデミーメンバーの皆さんはどんな辞書を、どんな風に活用していましたか?

最新回はPodcastで先行公開しています。
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