椰子の実ハウス

読書感想文for備忘

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    最近の記事

    ナルニア国物語~ライオンと魔女と衣装だんす~/C・S・ルイス

    本作、映画化第一弾だったそうで、たしかに魔女との決戦シーンなんか見応えあるだろうなーと思いました。ただ、全体的にそこまで面白くなかったかな。とくにキャラクターがいまいちでした。敵も味方も単純すぎじゃないですかね。児童文学だからしょうがないのかもしれないけど。 今回のアスランがどうにも気に食わないんですよ。ルーシーとスーザンに自分が嬲り殺されるの見せたのなんでですかね?そのあと生き返れるの知ってただろうになんにも言わないし。何も知らない2人に無駄にショックを与えただけじゃない

      • ナルニア国物語~魔術師の甥~/C・S・ルイス

        ここ最近どうも疲労感がとれず、ファンタジーの世界に浸って頭をリセットしたい!と思っていた折、本書がamazonのおすすめに出てきたので、迷わずポチって読み始めたんですが・・・おいおい、まじかよ。めちゃくちゃおもしろいじゃん!隙間時間を見つけてはkindleを開くのが楽しみで、読んでいる間、とても豊かな時間を過ごせた気がします。 いくつか印象に残った部分を。 本来 の 自分 よりも 馬鹿 に なろ う と 努力 する と、 やっかい な こと に、 たいてい の 場合、 そ

        • コンビニ人間/村田沙耶香

          芥川賞受賞作なので、もっとカタい感じかと思っていましたが、全然そんなことなくて、個人的にはコメディ作品と言われても違和感ないくらいです。題材的にはもっと痛々しくなってもおかしくないと思うけど、ちょうどいい塩梅の痛々しさで、読んでて辛くならずにすんだのが良かったです。 とはいえ、この主人公、かなりぶっ飛んでます。 幼稚園のころ、公園で小鳥が死んでいたことがある。 ~中略~ 私は素早く小鳥を掌の上に乗せて、ベンチで雑談している母の所へ持って行った。「どうしたの、恵子? ああ、

          • インデックス投資は勝者のゲーム/ジョン・C・ボーグル

            インデックスファンドでおなじみのバンガード創業者が書いた、インデックス投資最強!本です。ぼくもNISAやらidecoやらやっているんですが、最近アセットアロケーションに悩んでいて、参考になればと思い読んでみました。 内容はインデックス投資がいかに優れているかが大半。アセットアロケーションに関する部分は少なめで、それほど参考にはならなかったというのが正直なところです。しかし、読了後、改めて気が引き締まりました。 というのも、アセットアロケーションを考える中で、どんどん欲が出

            わたしに無害な人/チェ・ウニョン

            今はいなくなってしまったけど、かつて確実にいた自分を、この小説の中に何度も見つけました。チェ・ウニョン先生に、書いてくれてありがとう、と言いたい。 本作は短編集ですが、どの話も子供時代を子供らしく過ごすことを許されなかった人たちを描いています。そして、そんな傷を抱えながら生きていく中でなんやかんや・・・という話なんですが、 なんかすごい共感できたんですよね。過去の読書体験を振り返ると、共感できる登場人物がいても、読み進めるにつれて凄惨な過去が明らかになったりして、その瞬間

            ウィトゲンシュタインの愛人/デイヴィッド・マークソン

            地球最後のひとりとなった女性が、タイプライターで綴った小説。という体裁の小説でした。小説とはいっても、物語らしい物語があるわけではなく、主人公が頭に思い浮かんだことを延々と書き綴ったもの、という内容です。本当に頭がクラクラするくらい延々と。正直なところ何度も寝落ちしました。 ページの多くが、というより大半が、芸術家に関するトリビアで占められていて、へーそうなんだー、と勉強になるかと思いきや嘘情報も多いです。嘘というより勘違いですが。 彫刻 は 余計 な 部分 を 取り除く

            諦める力/為末大

            神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。 変えるべきものを変える勇気を、 そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えて下さい。 本書の内容は、ニーバーの祈りの冒頭部分に要約できるかなと思います。言うは易く行うは難し。この境地に至るには、苦しみの中でもがいた経験が必要不可欠だと思うんです。でないと達観したフリになってしまう。そういう意味では若い人は本書を読むべきではないと思いました。 こういう こと を 言う と、「 じゃあ、

            羊と鋼の森/宮下奈都

            静かで淡々とした地味なお話でした。不思議なのは、本書がいろいろ賞をとったり、レビューも高評価なところ。いや、つまらないと言いたい訳じゃなくて、ほんとに地味なんですよね。この淡々とした感じが多くの人に受け入れられたのが不思議に感じました。 登場人物がまたみんな真っ当な人ばかりなので、一波乱が起きるようなこともありません。さらに主人公は真っ当を通り越して純真無垢で清らかで、今まで人間社会で生きてこなかったのか?という感じです。皆、ピアノの世界に没頭するあまり、卑俗なものに触れず

            妻のトリセツ/黒川伊保子

            ひたすら一方的に妻への理解と我慢を求める内容でした。双方の歩み寄りなんて視点は一切ありません。とにかく一方的に夫に求めることしか書いてありません。はぁ?と思って途中で読むのをやめたんですが、気を取り直して最後まで読んでみました。 途中で分かりました。これはあるある本なんですね。真面目に読むものではなくて面白がって読むものでした。とはいえ夫が読んでも笑えないと思いますが。妻が読んだら笑えるのかもしれません。タイトル的には夫向けのようですが、妻のガス抜きのための本と言ったほうが

            彼女は頭が悪いから/姫野カオルコ

            胸糞悪かったです。元になった事件が胸糞悪いので覚悟はしてたんですが。読後感最悪です。 加害者・被害者どちらもキャラ付けが極端すぎるなと思いました。作者は高学歴、金持ち、有名人みたいな属性を叩きたいだけじゃないか、と邪推してしまうくらいの極端さ。そういう部分も読後感の悪さに繋がっているのかもしれません。 フィクションとして書くなら、被害者がもっとヤな奴だったり、加害者がある一面ではすごく愛情深かったりっていう複雑さが欲しかったなと思います。ほとんど実話ベースだけど身バレしな

            ネガティブ・ケイパビリティ/帚木蓬生

            ネガティブ・ケイパビリティ。聞きなじみのない言葉ですが、なんかリズム感があって好きです。その意味は下記のとおり。 ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability 負の能力もしくは陰性能力)とは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」をさします。 あるいは、「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」を意味します。 これ本当に難しいと思います。問題を抱えながら見通しが立たない状態って耐えら

            ずっとやりたかったことを、やりなさい/ジュリアン・キャメロン

            たまたまモーニングページというものの存在を教えてもらい、気になったので読んでみた。 他レビューでもよく見られたが、読みづらいです。もともとの内容が抽象的で難解(と思われる)なのに加え、翻訳ものにありがちな回りくどい文章に仕上がっているので、なかなかの苦行でした。言葉選びが独特なのもイライラしました。自分の中のアーティストとデートするという「アーティスト・デート」。要するに、細かいことは気にせず心の赴くままに気晴らしする時間を持ちましょう。と僕は理解したけど、それなら気晴らし

            国会女子の忖度日記/神澤志万

            現役議員秘書の方による議員秘書の仕事にまつわるあれこれ。全体的にライトな語り口で、飲み屋でする職場のこぼれ話という感じで面白かった。 とはいえ、内容は壮絶で、議員からの罵詈雑言、先輩秘書からのいじめ、過労死ライン越えの労働時間、問題視すらされない男尊女卑etc・・・読んでいて本当に嫌な気持ちになった。けど読み進めていく内に「まあ大なり小なり仕事してりゃこういう事あるよな」と割と受け入れている自分に驚いた。要するに生きてれば理不尽なことなんてたくさんあるし、うまくスルーしない

            PIXAR世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話/ローレンス・レビー

            素晴らしい作品を数多く生み出すピクサーのクリエイティブな面ではなく、財務という非常に実務的、ビジネスライクな面を著した本書。お金の話なので、魔法のような作品たちの裏で繰り広げられるドロドロとした生臭いマネー話を期待したが、全体的に淡々としており、なんというか地味だった。 著者の人柄なのか、とにかく粛々と実務をこなしてIPO成功させました。終わり。という感じで、、、いや、すごいことをやり遂げているとは思う。金は出すけど無関心なオーナー、ジョブズ。経営はダメダメだが素晴らしい作

            女帝 小池百合子/石井妙子

            都知事選を控え話題の本書。都民ではないがゴシップ的な興味から読んでみた。 一貫して感じたのは恐怖。小池知事には横文字大好きの若作りオバサンくらいのイメージしかなく、女帝というタイトルに大げさだなー、と思っていたが・・・ぞっとした。小池知事は恐ろしい。強大な権力を持つが故の怖さではない。彼女は平気で他者を踏みにじる。あまりにも平然としていてそれが恐ろしいのだ。 本書の数あるエピソードの中でも特に強烈だったのが   震災 から だいぶ 経っ ても、 被災者 の 厳しい 現状

            とにかく散歩いたしましょう/小川洋子

            小川洋子さんの小説は結構好きで何冊か読んだが、エッセーは初めてな気がする。 小川さんは心配性のおばちゃんだ。あらゆることに心配している様子がそこかしこに出てきて、最初はクスッとするが次第に、「どんだけ心配なの・・・」と呆れに変わり、いつの間にか「また心配してる笑」と微笑ましい気持ちになっていた。 印象に残ったのは、「機嫌よく黙る」という一遍。もうタイトルが素敵だ。とても共感したのが以下。 ”一つ 問題 なのは、 機嫌 よく 振る舞お う と する と、 なぜ か 口数