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読書記録#12 だから僕たちは、組織を変えていける

職場の先輩に借りて読んだ本その2。
斉藤徹さんの著書、『だから僕たちは、組織を変えていける ―やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた 』

コロナ禍によって変容した社会における組織論、みたいな。
論文や研究結果をもとに展開されていくので、
読み物よりも勉強感が個人的には強かったです。
※月次の振り返りでなかなか進まないとしていた本です。

読み進みにくかったのは何でだろうと考えましたが、面白くないとかではないです。むしろとても面白くて情報量も多いです。
たぶん文字の細かさと、その情報の多さで処理が追いつかなかった自分の能力不足…

平社員よりも管理職以上の方が活用して欲しいと感じる内容でした。
読み進めながらこうありたい、こうしたいと思う部分はたくさんあり、自分で着手できる考え方などもありましたが、すぐに自分の会社に反映して組織を変えていけるかというと管理者・経営者の意欲・意識改革が必要に感じます。

そんな中でも心に残った言葉や自分の中でのメモを残します。

心に残った言葉・メモ

p.48〜:学習し、共生し、自走する組織

学習する組織→失敗や予算未達からその理由を探す

VUCA時代(予測不能な時代)も最近よく聞きますね…
その状況下で最善の判断を行い即座に問題を解決するフレームワークとしてOODAループ(観察・仮説・意思決定・実行)も紹介されています。

p.82:ディスカッションとダイアローグ

ダイアローグ(対話)こそ、「学習する組織」では必要になるとされています。
それによって「意味」を共有すると。

身近な職場で、ちょっとした相談も対話ではなく議論になる人がいて、信頼感が薄れているようにも感じるので必要性を感じました。

p.88〜集団的知性、心理的安全性、均等な発言機会

「心理的安全性」が1999年から存在しているキーワードで、バズったのがGoogleの研究成果って知らなかったので驚いた。つい最近の表現だと思っていた。

脳科学の観点からも、過度な不安には、学習を妨げるマイナス効果があるとわかったそう。

p.95:デフォルトモードネットワーク

(雑談含む)ぼんやりしている時に活性化する脳の神経回路。脳に取り入れられた情報を任意につなぐ、イノベーションの創出。

「ぼんやりしている時にアイディア思いつく」こと、よく話題に出るけど脳の働きの名前があったことに驚いたのでメモ。

p.115:メンタルモデル=過去の経験や知識から形成された暗黙知

このおかげで省エネモードで対応できるが、強い思い込みになってしまう弊害もある。

p.132 話し合えば解決するという誤解

問題設定のプロセスもアイディア収束のプロセスも、個人の専門能力や創造性が鍵を握るため、チームと個人の相互作用で高い付加価値が生まれる。

p.141エコーチェンバー(共鳴室)

似た意見の人同士によるコミュニケーションで、意見や情報が偏る現象。
閉鎖的なグループの中では、ほんの少し姿を変えて繰り返されても、同じアイデアが元になっていることに気づかずに、「自らの判断で同じ結論に至った」と自信増幅効果を生んでしまう。

同じ人とだけコミュニケーションしているとこの現象に陥りそうだと感じたので、思考が違う人と会話することも大切にしたいと思いました。

p.144:星の王子さまの著者の名言

船を造りたかったら、人に木を集めてくるように促したり、作業や任務を割り振ったりせず、はてしなく続く広大な海を慕うことを教える」
サン=テグジュペリ

これは、この本を貸してくれた先輩が最も感銘を受けた言葉とのこと。

「whyから始めよ!」も読んでみたい。

p.190〜お金は一時的な動機づけにしかならない

2007年のハーバード大学の研究が事例として挙げられていてとても面白い。

ざっくりした概要としては、2点。
成績が上がったらお金を払う施策より
(比較的ハードルの低い)指定した課題を達成したらお金を支払う施策の方が成績が上がった。
しかしその効果も長く続かず、改善率は低下したし報酬のない課題への興味が薄れた。

動機づけの課題や、社会や仕事の質の変化により、モチベーションも変化していることが提示されています。

p.234:トンネル・ビジョン(心理的視野狭窄)

不安や不満などのストレスを抱えた時に、視野が狭くなり中心部しか見えなくなること。

例えばの事例で、消極的なメンバーがいることに対する不満により性悪説で捉え、人間関係が対立し、燃え尽き症候群のようになることが挙げられていた。

その事例が、弊社の先輩にそっくりな状態でちょっとゾッとした。

この解決策として、1人ずつ環境が異なることを思い出し、1人ずつ対話していくとなっているけれど、
その先輩は個別に対話しようとしてうまく思いを伝えられずにさらに崩壊したような形。
コミュニケーションの難しさも同時に感じますし、それを円滑に回せる人材・解決に動ける能力も必要だと感じました。

終わりに

改めて読書記録のためにパラパラと振り返ると、
中小企業診断士の知識として出てくる理論が複数掲載されていることに気づきました(マズロー、SECIモデルなどなど)。

どうりで勉強感が強い…と思ったけどおかげで事例をイメージしながら理解することができました。

体系立てて組織について考えるには最適だと思います。

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