泥に眠り秋空を仰ぐ
日常のような泥に浸る。人肌に温くまとわり付くような感触は、永遠に横たわっていられる心地よさがある。周囲には枯れた植物があるが、元の形がなんだったのか、これから何になるものなのかはわからない。起きあがるのは億劫で、もう少しここで眠らせて欲しい、と呟く。
見上げると眩しい曇天が広がっている。明るさから昼だということは確認できるが、日光は分厚い雲の向こうに隠されている。拡散された光が漏れて、雲に陰影をつけている。
もう少しで顔を覆いそうになる泥に、ようやく起き上がる。一八〇度開けた