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イマサラ,

何度だって繰り返し君のこと
思い出す
そうだ、そんな丁度思い出した
そんな時
君は楽しそうに語ってくれた
君の中の僕のこと
僕は言う
「そんな人もいるんですね」と。
君は知らない、と思ってた
そうだね
気付かない君じゃない
いつもいつも
ずっと
君に言わなかった僕は
何様だ
殿様、神様にでもなったつもりか?
そんなこと思っては
とびきりの皮肉な笑いを地面に向けた
そうだ、これは
なんにもなれないバカな人が
とびきりに浅ましく
プライド高く
ナニカに
ひどく
酷く
悔しく感じた
そんな夏の物語
ジワジワと五月蝿いくらいの蝉の声
ジワジワジワジワジワジワジワジジー
ぐちゃぐちゃの頭の中の整理が出来ず
乗っていた自転車降りて
滅多に車も人も通らない
住宅街
左手に地平線が見えるんじゃないかと
見間違うような田んぼの草原
見つけたら
いつかの夢を思い出す
ああ
そうだね
これはぼくの物語
ぼくがきっと
一生忘れることのない夢物語
いつかの夢の景色の田んぼの草原
この瞬間の予言のようで
悔しくて
くやしくて
うれくして
かなしくて
どうして
どうして
もっと
すなおに…

いつの間にか僕は望んで
田んぼの草原の真ん中へ
深緑の草原
擦れる葉音
サラサラサラサラ
ココチイイナ
もう少しだけ
この自然のオーケストラに満たされたいと
目を閉じようとした道の先
ゆっくり
ゆっくり
近付く車は
きっと僕を
心配してるか
冷やかしてるか
そんなもん
こんな一台の車がやっと通れる道を
わざわざ自転車降りた人のいる道目指して
ああそうか
そうだね
あなたも迷った、お仲間か
曲がれないほどの細い道に囲まれて
僕の後ろには、そうだね
道は続いてる
広い道がありますよ
ならいいか
だから僕は何様なのさ
ばかばかしい
あーあ
僕の道標は
あの夢だけか
いいな
みんなは
いいな
いいな
これから先も
大勢に言われるだろうし
飽きるだろう
素直になれない岩のような意志の僕
砕けて壊して
せめてそこらの石ころにならなくちゃ
君らの隣に入れない
ギリリと奥歯を噛み締めて
カタイコブシも作ってさ
そんなココロザシを
ヤクザかなんだかのお兄さん
仲間に誘ってくれた大人もいたっけな
知るかよそんなの
知りたくねえよ
知りたくなかった
なんだよ
俺の喉から出るほど欲しい性別を
生まれながらに手にしたのにさ
群れては大層な武器見せびらかして
バックがどうのこうのとお説法
俺も味方にするとか
伴侶にするとか
勝手に話、進めるな
俺の為?
俺の幸せ??
あんたが俺の
俺の何を知ってるつもりなの
何くれた?
はいはい
病人扱い、ありがとさん
控えめに言って
俺と同じな馬鹿じゃねえか
やめてくれよ
なんだよ
なんだよ
尊敬させてくれよ!
そんな味方なんか欲しくない!
この気持ちなんか分かって欲しくない!
「人間がいる限り争いは必ず起こる」が
出るやつなんか知るかよ!
どうしたよ!!!
クソうぜえな!
暴力で
力で
最終的にどうにか出来るから
そこらで思考終わらせて
自らの暴れたい素直な気持ちに
正義で蓋して
俺の助けも必要だ???
なにをとぼけた阿呆なのさ
誰が憧れるもんかよ!
そんなものに。
もう知らん
もう知らん
そんなに決めつけ決めつけで
この世はそんなに回るのか
キモチワルイ
トテモ
トテモ
イキテイケナイぼくが
生きる
道標…
そっか
なんだ
単純だ

「生きてるうちに戦争が起こらない種を
      まこう」

僕が
   ぼくが
        俺が

出続けるなら
俺も私も
あなた達には
興味ない
消えろと言われたら
意地でも消えない
砕けそうでも
砕けてやらない
ちくしょう
石になるのは、お預けか。
おあずけか。
ねえだからさ
俺は何様なのさ
神様とかも知らねえよ

その瞬間

サーと気持ちの良い風が
永遠と思われるほど
続くから
僕は空を睨み返したよ

はいはい
分かりましたよ
わかりました
理解わかりたくもないが
分かりましたよ
こんにちは

ぶすっとしたを顔を再び地面と
にらめっこ

ひどいなあ
ひどいな神様
そこでカオリさん連れてこないでよ
カオリさん
ねえカオリ
ああ今日もカオリさんは…

あれ?
なんかはしゃいでる?
え?
え?
どうしたの?
え?
わかんないよ
なんでカオリさんの声って
いつも聞こえないさ
姿すら見えないのに
酷くない?
あー
でもやっぱりそうなのかな?

「あの子のママ?」

なんて
ん?
また消えちゃった
でも珍しいね
あんなに最後まで楽しそうなカオリさん

押しボタン式の横断歩道を渡り終えた
先の雑木林に微かに見える
赤い鳥居

そっちに入っちゃったのかな
カオリさん
まあいいか
そっか
そうだね
カオリさんもあの子のこと
カオリさんだからあの子のこと
だいすきなんだね
そうでしょう?
そうだから僕は
そこさえ間違わなければ
もういいや
君なら僕なら
この物語忘れず語れるし見つけれるさ

そしたらカオリさん連れてきた神様も
納得するから

違うから
神様の言いなりとかじゃないもん

僕は
カオリさんのことを君に届くようにと
伝えるの
受け取ってくれると嬉しいな

信じてくれなくていいからさ
存在だけに救われたって
そんな話

君が信じなくてもいいもん
僕は信じるから
いいんだ
それが
いい




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